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110 太田前総理の暗殺と救出同時作戦《大輝視点》
さて任務の日の寝起きは悪いが、今日はそこまででもないな。
そりゃそうだ、今回の俺と陽加の任務はJの命令で受けた暗殺ではなく救出し、味方につける事だ。
陽加は緊張しているが初の手伝いだ、まだ咲哉のようにはいかない。
昨日は反対したが、手助けは出来るなら身に着けた方がいいだろう
朝食後早速話し合った、メールで情報も届いていた。
「深夜0時にカメラはすべてオフにして入る段取りだ。
カメラが復旧する前に遺体は持ち出す事になった。
失踪を装わなきゃ大事件になるからな、その後とある場所の溶鉱炉行きだ」
「カメラオフにする時間は限られてるけど説得出来る?」
「難しいかもな、押し入って銃まで向けられたら。
だから仕方なく誘拐するしかない、強制的にここに連れてくる」
時間がない以上多少は強引にいかないと失敗する。説得は後だ。
「そう言えば奥さんも居るんじゃない?どうするの?」
「悪いが当分消えた、死んだフリを続けてもらうし、夫人は置いてく。
恐らく何も知らない、だからターゲットに入ってもいなかった。
とにかく今は総理を荒っぽくなるが何が何でも生きてもらう、情報を俺より掴んでるんだろう、例えばボスや上層部をな」
「でもずっとは置いとけないでしょ?
光希とかが来るかもしれないし、いつかはバレるよ、
それに総理に話したら大輝を突き出すかも…」
だろうないずれ網に掛かっちまうかもしれないが…
「分かってる、でも今は奴が唯一の手掛かりなんだ。
敵ならもちろん始末するしかないが今は賭けようぜ?
光希はいずれ説明するし、俺もちゃんと責任取る時なのかもな」
「俺はまた一人だよ?一生刑務所か死刑になるんだよ?」
「陽加…お前も含めて皆の命が懸かってるんだ。どうか頼む」
「分かった…保管場に連絡したら協力してくれたよ?
咲哉が手回ししといてくれたみたい。
で整形が得意な医者が太田前総理の顔に似せて背格好もほぼ同じの遺体でやってくれて夜には間に合うってさ?
大輝じゃ応じてくれなかったと思うよ?」
フッ、負けたよ咲哉、陽加もやる気満々だぜ?
余計な事しやがって、まぁ覚えも早いしお前みたいになりそうだな
「よしっ後は乗り込む段取りは考えておく。
SPをかえくぐればすぐ辿り着けるさ」
SPも今は2人か?
退任するとだいぶ待遇も変わるもんだな…まぁ少ない程有難いがな
車を側で待機させておく夫人は麻酔銃を使う事になった。
数分の記憶は失うからベットに横にしとけばいい、総理の書斎はその先にあり、銃は使用出来ない任務だが、今回は時間がないから強硬的に連れ出す。
警備2人も麻酔銃で倒すが椅子に座らせれば問題はない。
時が経つのは早いもので車はレンタカーで向かい、陽加と保管所から遺体をもらった。太田邸で撮らなきゃ意味がないからな。
深夜になって
俺達の任務が始まった。
「よし陽加ここにいてモニターみといてくれ、
万が一Jが監視し始めたら教えろ?」
「大輝、遺体持ちながらで大丈夫?」
「ああ、三人麻酔銃で寝かせて移動させて太田を連れてくる、まぁ誘拐だと思ってかなり抵抗するかもしれない、その時は麻酔銃で連れていく」
「うん、でもそんな強硬なやり方して太田さんは協力するかな?」
「時間がない、あっ切れた。じゃあ行くぜ」ガチャ
遺体を担いで門のコードを入力し開けた。
1人見回ってる警備がいた、当たり前のように歩き
「何だお前!」ピュン! ドタン!
1人排除完了、休憩用の椅子に座らせた後再び担ぎ、中に入った。
「もう一人は?」
《警備室に一人いるみたい、ゆっくり開ければバレないと思うよ?
総理は書斎にいるよ。奥さんは寝てるからチャンスかも》
甘い、音で目覚めたら困るし、いつ眠ったかによって対応は変わる。
まだ0時だ、麻酔銃で予防措置はする
遺体袋を置いて警備室に近づいた。
「くそっなんで映らないんだ?電話も無線も…まさか!」
「ああそのまさかだ」
「誰だ?」
「ご苦労様」ピュン! ドタン!
2人目ダウン
こんな簡単に進む事は少ないのに
ここの警備緩すぎだろ?海外じゃあり得ねぇぞ?
まぁいい、袋担いで二階に行き寝室で夫人にも撃ち込んだ。
これで総理1人だ
「おい、太田邸に他もいるか?」
《大丈夫あとは総理だけ、頑張ってね》
もちろんだ
俺はゆっくり書斎まで行き、麻酔銃はしまい、銃にサプレッサーを付けた。
元自衛隊員なら麻酔銃との違いがバレてしまう。
弾は入れなてないが、念の為弾も持ってはいる。
そのまま行くか…
コンコン
「ん?佳子か?どうぞ」
サッと入り袋は下に投げて扉を閉めた
「動くな、前総理の太田だな?」
軽くは驚いた様子だがすぐ落ち着いた様子で
「ほぉ遂に私なんかでも殺しにまで来る輩が現れたか?
ではやはり正しかったと言う事だな私の調査が、だが残念だが記録はない」
「Jについて詳しく知ってそうだがどこまで突き止めた?」
「若者よ私もかつては自衛隊員だった、20年な。
残念だがそれも貴様らに答える気はない」
死んでもいいが口は割らないって事だな
だが見る限り立場が変われば違ってくるかもな
「そうか、なら後でじっくり話そうぜ?今は時間がねぇんだ。
一緒に逃げてもらうぞ?」
「ん?どういう事かね?
私を殺害しに来たんだろ?」
「残念ながら今アンタに死んでもらっちゃ困る側の人間だ。
アンタの協力が必要だ、嫌でも付いてきてもらうぞ」
「よく分らんがJの手先の奴とどこも行く気はないぞ?
さっさとやれ!」
「滝って男知ってるか?
元自衛隊員で傭兵もやってた。
俺は前田大輝、滝の弟子だった。
滝からアンタを頼れと言われた。
昨日の事だ、その後Jからアンタを抹殺しろと言われた。
滝は忠誠心を誓う・だ分かるか?」
この書斎で彼そっくりの遺体に首を絞めてある縄付きで撮影した。
ケイトに送信
「コンタクトコードを知ってるとは…
滝の口は硬い、確かのようだな?
ん?…なんだねこれは?私と同じ顔?」
「これは貴方を死んだとJに報告し、世間では失踪中と言う事にする。
俺達のも事情があるんだ。
申し訳ないが総理、俺の家にご同行を」
「じゃあ君が滝が言ってた協力者で助けを求めてる弟子か?
ならなぜJにいる?詳しくは知らんがなぜ死んだフリまでする必要が…」
「あるんです!とにかく今は来てください。
カメラが作動したらアンタの事もバレます。
これは独断で動いてるんだ。滝の話をしたなら想像位出来るだろ?」
「逃げるなら妻も一緒に」
「いいえ、夫人は何もご存じじゃないでしょ?
だから暗殺対象に入ってなかった。
失踪にしとけば帰ってくる可能性が保証されてるじゃないですか?
今一緒に連れだしたら奥様も巻き込むことになりますよ?
俺の大事な人みたいにです。
ショックにはなれれるでしょうが戻るまでです。
Jの壊滅を早く叶えるつもりならお願いします。
家に着いたらこちらの事情もお話しします」
「分かった、滝の弟子と見込んで君をまだ全てではないが今は信じよう大輝君行こう」
少し待ってくれと言い彼はUSBやディスクを何枚か持った。
恐らく調査した記録とかだろう。
財布に鍵や旅行鞄に下着やスーツに普段着を入れた。
俺は遺体を担いで
「よし行きましょう、発信機は外してください、スキャンもします」
外まで出てから急いでトランクに遺体を入れ総理と陽加を後ろに乗せて
俺が運転した。
「大輝聞いてたよ、ギリギリだったよ」
「君は誰かね?」
「説明は着いたらしますから早く乗ってください」
ウィーンウィーンウィーン
「ケイトだ、総理はお静かに、俺だ」
《お疲れ様、確認は取れたし、上もチャラにしてくれたわよ?遺体は溶鉱炉域にしてね?
警備や奥さんは大丈夫?》
「一応麻酔銃で眠らせたから心配ない、
だが世間は騒ぐぞ?」
《大丈夫、私達には関係ない事よ?》
「今まではそうだが、今回は前総理だぜ?
国中のニュースもんだ」
《大丈夫貴方がへましてなきゃ話題なんていくらでもあるし、指示の落ちた前総理なんてそこまで気にしないんだから、じゃあこれでチャラだけど一つ情報があるの、滝が死亡したそうよ?》
なにっ?滝が死んだ……
「どういう事だ?井上か?」
《不明だけど情報部ではどうも違う人物が射殺して溶鉱炉に入れられたと言う事、以上よ。
また連絡するわ、貴方も任務忘れずにね》
俺のせいで死んだのか?滝…
「大輝…」
今は悲しんでる余裕はない、
太田が今は唯一の頼みなんだ
「今は帰るぞ、総理聞こえたか?」
「ああ聞こえた、残念だ、、」
俺は車を出した、滝…井上じゃないなら誰が?
今回は特に謎な事ばかりだぜ
滝今までありがとな、疑って悪かった、両親によろしくな?
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