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111太田前総理の保護と説得《大輝視点》
一先ず遺体を近くのJの溶鉱炉に入れてから
レンタカー屋に返して太田には帽子とマスクをつけて中まで入ってもらった。
マンションのカメラは細工して総理は映らないようにした。
家に入って総理にはソファーに座ってもらい、椅子に座って
陽加が紅茶を出してくれた
「ありがとうお嬢さん、君は大輝君の彼女さんか?」
「あっご…ごあいさつ遅れました。
その…井上陽加と言います、、
一応男ですが大輝の恋人です」
初対面なら無理もないな、陽加はどっちとも見えるし。
「ハハこれはすまないね?
可愛らしいからついな」
「ご…ごめんなさい総理」
「どうした?テレビで見た事ある元総理大臣が目の前で緊張かね?
謝る事はない私はもう総理でも政治家ですらないジジイさ。
総理でなく太田でいい。
普通に接しなさい陽加くんいいね?」
「はい、太田さん」
「では改めて大輝に陽加君らは朝から失踪になってしまう私にリスクを冒してまで連れてきた理由と君らは何者で目的を教えてくれ?
何か事情がありそうなのは聞いて思った。
私も知りえた情報は教えるかも答えを聞いて判断する」
「分かりました、じゃあそう…太田さん、俺達もそれは同じです。
でも賭けてみたかった、滝の紹介と貴方の誠実で正義感の強い貴方に。
まず事の始まりから話す必要がありそうなので長くなりなますがご協力を、始まりは貴方が厚労大臣だった8年前からお話しします。
当時俺は14歳の中学2年生で立花一族事件のあった年の事です。
そこで偶然同じクラスになった当時の立花グループ立花隆之会長の次男である立花千尋というクラスメートの出会いが全ての始まりでした…」
それから俺は時間をかけて過去から今日までの全てと陽加も自分で父親の事等全てを太田に説明した。東一家の事も。
Jだけなく井上が率いる第4の組織についても知る範囲で話した。
太田の反応は疲れはありそうだが、ずっと黙って聞いてくれた。
どう考えてるかまでは分からない…
俺は今でこそ脅迫されて復帰だが、昔はダークナイトと呼称される程多くのミッションを受けて暗殺も当たり前のようにやってたのも事実だからだ。
正義感の強く総理にまで上り詰めた太田にどう響くか…
「なるほど、私も調査の過程でダークナイトという名は何度か出た。
射撃に優れ、接近戦や戦術方法などもプロ並みだとな。
正直悔い改め抜けて真面目に生きようとしてきたのは良い事だ。
だがはっきり言おう、悪事を繰り返し多くの命を奪ったのは事実だ。
大輝君説教するようで悪いが、Jにスカウトされて自分の意思で入った
時点で今回の事は自業自得だ。辛い人生だったのは聞いてて心苦しかったし、ご両親や友人恋人に不幸も続いてしまった事は残念に思う。
だが辞めたところでこうなる可能性も想定は出来ただろう?
そして陽加君もだ、17の失踪未成年と許可のない隠ぺいして同居してるのも当然違法だ、犯罪でどれも理由付ければ許されると思うか?」
「仰る通りです、自分の犯した罪は一番わかってます総理。
今回の貴方への誘拐も含めてすべてが終われば当局に出頭いたします。
ですが今はまず俺達はJと井上靖雄の両組織の壊滅と太田総理は腐敗した内閣や議員達の反逆行為を立証していただく、これら全て繋がってます。
今は解決する事が先です。
俺は皆が人質状態で監視までされてる。
だからこそ力のある貴方の協力が必要なんです。
警察や捜査機関も内通者がいるかもしれず信用出来ないんです。
官房長官候補の東議員もJに大きく関わってる。
滝が死んだ今陽加と俺、そして貴方だけだ。
滝から託されたんです。それは貴方を守り、協力し合えってメッセージだったんじゃないでしょうか?」
「太田さん、俺達はJと親父たちを倒したいだけなんです。
人質を助けるのと復讐も確かにありますが、政府が絡んでる事やこれ以上誰かが犠牲になるのも止めたいんです」
太田は少し考えこむように目を瞑り結論を決めたように目を開けた
「いいだろう、君たちに協力しよう、
内部を知ってる大輝君や井上靖雄という男と君らのお陰で知れた第4の組織。
そのボスが陽加君の父親。
どちらも壊滅させなちゃならんからな。
どちらも危険なグループなのは間違いないし、それにJに関わってる愚かな東や政治家達がが絡んでるのは私もある程度は掴んでる」
「ご協力感謝します総理」
「ああ、だが勘違いはするな?
あくまで奴らの実態全てを掴み、表沙汰にして一斉検挙後に法で裁く。
君らは井上靖雄に恨みがあるだろうが殺しは一切許さんぞ?
君らは若い、私の指示に従う事が条件だそれでいいな?」
「構いません…ですが貴方も変な気は起さないでください。
今は失踪中の身にしたんですから、怪しい動きがあれば容赦しない」
「分かってる、だが君らも破ればすぐを警察機関に突き出す。
あとさっきも言ったが全て片が付いたら君らも犯した責任は取りなさい分かったね?法律が変わり、恩赦をを首相の判断で出せるようになった。私も前総理として全面的に無罪になるかは分からんし、小野田も解任となる。
恐らくは平和党が政権を取り戻せたら私の発言力で刑期の大幅短縮までは出来る筈だ」
そう上手くいけばの話だがな、どのみち刑務所行きには変わらない前科付になる。
太田に話した以上これは覚悟の上だ、、
だが殺しの約束は守れねぇな
一人残らずサツが捕まえられる筈もない。
立花グループがいい例だ。お袋は死んで俺も狙われてる。
とにかく今は皆が助かり、奴らが消えればそれでいい
「あの…太田さんおや…父が逮捕されたらどのくらい刑務所ですか?」
「裁判にならなければ分からんが刑法が厳しくなって君らの話を聞く限り殺人をかなり犯してるし、反社会組織のリーダーなら終身刑か死刑の可能性が高いな」
「良かった…」
こっちは全て手の内も情報も伝えたあとは…
「総理こちらは情報を教えました。総理の情報もお聞きしたいがもう2時になってしまうので今日は一先ずおやすみください、明日にでもお聞きいたします」
「すまないね、
私も60過ぎて身体がなかなかね、
大輝君私はどのくらいここにいることになりそうかね?」
「何とも言えませんが俺の脅迫ネタにされてる人質達をなんとか避難させれば一番良いんですが全員すぐとは難しいでしょう、当分はお願いするかもしれませんし、
総理にとっては小部屋でしょうが今は監視されてますのでご協力ください。
あと小型犬のチワワが居ますが大丈夫ですか?」
「チワワ?
犬なら私も家内も好きでねぇ、問題ない」
ゲージはリビングに設置して
もうひとつの部屋に布団一式や物置も使えるようにした
「申し訳ないですがデスクだけは置かせてください邪魔にはならないと思いますので」
「ハハ、いやいや十分広さのある部屋だぞ?
私とてずっとあの家に住んでたわけじゃないさ、昔は貧乏な暮らしもしてたさ」
「トイレと風呂はあちらです。
冷蔵庫の飲食も自由に使ってください。食事は陽加が作りますのであとは何かあれば言ってください、ただしばらくは無断で外出は控えてください。
では明日から共によろしくお願いします」
「ああ、ありがとう」
ガチャン
俺達もベットに入って
「何とか上手くいったけど今後どうするの?」
「明日までに考える、しばらくエッチはお預けだが落ち着いたら
おもいっきりしようなハニー?その自慢のお尻で」
「フフッ最近してなかったから一人でしちゃったよダーリン?
でも今はそれで頑張れる。親父の脅威に神経注がないと」
「そうだな、じゃあおやすみ」チュッ
「ねぇ総理の言ってた責任って自首だよね?
太田さんが来る前にも話したよね?
刑務所行になったら大輝、恩赦ってどのくらい短くなるのかな?」
陽加…
「その事は片が付いてから話そうぜ?
心配すんな、俺は大丈夫だから」
「俺は大丈夫じゃない、この生活を…今は総理居るけどなくなるなんてやだ!大輝がもし長い刑務所行きや死刑なら俺死ぬからね!」
始まった…本当にどこまでも悠里に似てんだよな陽加……
「国の前とはいえ総理に知られたんだ…
ただの頑固ジジイなら協力すらしてくれなかったさ。
正義感も強いのは確かだな、太田に言われた事は事実だ。
本来なら刑務所行きでJの解明でダークナイトの解明もされる。
つまり解決イコール俺も逮捕されるんだ。
今は前総理にも居てもらって協力が必要なんだ。
普通はあり得ねぇがなるべく見張ってくれ俺もそうするから、
今は仲良くやってくれよいいな?
俺の人質さえなくせれば太田も帰してこっちも動ける。
明日までに考えとくし、まずは太田の知ってる全てを聞いてみてからだ」
「分かった……」
太田はどこまで知ってるかそこが重要だ
陽加と何事もなく幸せな生活送りたいと思った俺が間違っていたんだろうか?
皆俺のせいで巻き込んで不幸にして互いに初恋だったずっと一緒だと信じた相手だった悠里には何度も迷惑かけて精神崩壊まで起こさせて弟の晴翔も
俺がなる筈の事故も身代わりになって下半身麻痺になり千尋や咲哉は死んだ……大事にしてた人間ばかりが不幸にさせたのに。
凝りもせず陽加に恋してしまってこのザマじゃないか!
全てが済めば俺はムショ行きで陽加は受け入れないだろうが、俺達の恋愛はおしまいだ、中途半端は陽加を傷付けるし、悠里との事がいい例だ…
陽加も俺から離すべきだろうか?
しばらく直人んとこかどっか別居に…
それも明日までに考えておこう
考えても埒が明かない…
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