119 / 139

118桐原大翔と悠里の葛藤と刑事桜木警部補と8年越しの再会《大輝視点》

仕事の残業はなくなり、急遽陽加の迎えに行って店から少し離れた位置で待ってた。悠里と鉢合わせるのを避けるためだが、先にいつも出てくる悠里を見る度に苦しくなる…2人で決めた事だが簡単に忘れる事なんか俺だって出来ない。 今日も先に出てきていたがいつもより元気がないというか泣いてるのか? 陽加とまた何かあったのか? 「ウウッ…ヒック、もうやだ…ひろ、とぉ」 店の隅に入り人気のない場所でしゃがんで泣き続けていた。 声はかけれない、陽加ももうすぐ出てくるのに…でも俺は! タッタッタッ 「悠里ー」 俺は側まで行ってしまった…… 「び・ろ・どぉ?グスッ…なんで?」 泣き虫は変わらないな 「まず顔綺麗にしてからな」 俺のハンカチでゆっくり拭いてやった。 可愛くて綺麗な顔に戻った 「ありがとでも陽加ちゃんももうすぐ出てくるよ… 俺は大丈夫だからもう行って大輝さん?」 「悠里に大輝と呼ばれるのはなんか嬉しくねぇな 何かあったんじゃないのか?陽加とか」 悠里はまた暗い顔になった。間違いないな 「俺が大翔の様子聞いたら怒りだして言い合いになったけど、」 店で喧嘩したらしく詳しく聞いた 「全部俺のせいだ。悠里にも陽加にも苦労させていつも悲しませてきた。 恋人と別れるかはお前次第だが、俺は陽加を選んだ。 俺は正直悠里も好きだ、でもすまない、俺達が昔みたいに戻れる日は来ないんだ」 「今の陽加ちゃんの座はホントは俺だった筈なのにね…なんで俺らはいつも引き離されちゃうんだろう?」 「悠里少しだけな?」 俺は抱きしめて最後に顔見合わせ悠里も察した この舌を絡めて優しくキスしてしまっった 我慢できなかった…… 「チュッ…ハァ大翔愛してるよずっと」 「俺も悠里が好きだ」 してしまった……陽加ごめんな 「大翔ありがと、ごめんねもう元気出たから陽加ちゃんの元に行ってあげて?当分頑張れるよ、でもまたちょっとでもいいから会ってくれる?」 難しい質問だけど本音を言うなら 「陽加が恋人に変わりないが、俺も時々でも会いたいのが本音だ悠里」 「ありがと、じゃあ行くねバイバイ」チュッ 最後にもう一度今度は悠里からキスされ去っていった とりあえず場所的に陽加が出てくれば分かるとこで出てこなくて良かったのが幸いだ。 で数分後陽加がでてきた 「あれっ大輝?今日は遅いんじゃないの?」 「早めに終わったから迎えに来たんだよ、さぁ帰ろうぜ?」 手を出すと陽加は嬉しそうに手を繋いで歩いた。 マンションの入り口前に女性が立っていた。 俺達に気付くと近づいてきた 「大輝あの人……」 「分かってる、何者か知らねぇけど俺から離れるな」 女は40代くらいか?そんなに老けている感じはないが見覚えがあるような 「こんばんわ、少しよろしいかしら?」 「あのー俺達に何か?」 あっ確かこの女は! 身分証を見せて確信した 「失礼、私中央町警察署刑事課強行班係の桜木と言います」 「中央署……」 「お久しぶりね桐原大翔君、立花事件以来かしら」 そうだったな、6年ぶりじゃあ忘れかけるか 「覚えてますよ、ご無沙汰してます桜木さん」 「えっ大輝知ってるの?」 前田大輝名も知ってるだろう、桜木の目的はなんだ? 強行班は簡単に言えば1課だし、本庁と違って中央署内の管轄だけだ。 生安や公安ならわかるが1課が来る理由はこれまでの暗殺任務でのミスでバレたとかか? いやそれならJが揉み消してきたはずだ 「まぁ8年前からな、で今は中央署の強行班の貴方が俺に何か御用でしょうか?」 「良かったら中で話せないかしら?別に何かの容疑者とかじゃなく貴方と井上陽加君貴方にも聞きたいことがあるの、私はある程度貴方達の状況を知ってる、力になれるかもしれない。お願い」 桜木は確かに昔世話になったし、無害ではありそうだが何か魂胆はありそうだ。とりあえず聞いてみるか 「では中へ」 3人で中へ入り 「アンッ!アンッ!アンッ!」 シロが待っていた。 「あらっワンちゃん居るのねこんにちは」ペロッペロッ 「アンッ!アンッ!」 桜木が撫でたりしていたがソファーへ案内し、俺はお茶を入れている間に 「桜木さんでしたね?大輝とはその……どういう」 「彼桐原大翔のお父様が警視庁捜査1課桐原班の主任だった時メンバーの1人、つまり大翔君のお父様の元部下だったの」 それから俺達の関係性も説明していた。 「警視庁捜査1課警部補ってなんかドラマみたいですごいなぁ、 色々あって今は中央署に来たんですね」 俺も加わり話しを始めた 「それで貴方のご用件とは何でしょうか?」 「まず言っとくわ、安藤君も覚えてるでしょあの時居た。彼は自殺したわ」 もう知ってはいるが驚いたフリはした 「なにっ?なぜだ」 「それは分からない、でも彼から遺言代わりにとあるデータを託されたの。 それは貴方のこれまでや井上陽加君の父親の事まで全てね」 俺らは桜木刑事が知ってる情報を伝えられた。 俺や陽加の経歴、井上靖雄の事も含めてだ。 そして第3の組織を安藤刑事は俺の調査過程で出てきたと。 立花グループの残党が密かに動いてる事だ。 桜木刑事はまだ中途半端にしか掴めてないんだろう。 じゃなきゃ家に単身乗り込んで来たりしない筈だからだ。 第3はJの事で立花の件は井上が指揮するNGTだろう。 「なるほど、アンタまた独断で捜査してるんじゃないか?」 「相変わらず鋭いわね、そうよ。 私は刑事どころか田舎で会計課に制服着て内勤をしてた。今強行班に配属したけど大した仕事は回されないの。公安に名前は言えないけど協力者がいて調べ尽くしていくつか分かった事があるの」 「なんでしょう?」 協力者が居るなら迂闊に手出しは出来ねぇな 公安部なら尚更だ 「Jと呼ばれる組織を公安部が掴んだのよ、と言ってもまだ謎だらけだけど噂では社会に反する者を対象にした暗殺組織だという事。 10代から所属するメンバーもいる。 そしてダークナイトと呼ばれる任務を完璧にこなす若者。 そして井上靖雄は元立花グループ直属の暗殺部隊の1人で元CIA諜報員」 「それを教えたからなんだと言うんだ?陽加の事は突き出したいならそうしろ、俺も陽加も井上靖雄の事は知らねぇ」 「まるで生きてるのを知ってるみたいね大翔君?真実を聞きたいの、貴方は立花にまだ狙われてる、私は貴方を助けたいの。桐原主任の部下として。お願い、いくつかの組織が動き出してるのは確かで、陽加ちゃんも危険があるんじゃない?虐待の件は聞いたわ。警察官としてふさわしくない行動だけど何があっても貴方達の事は署や本庁には報告しない約束する」 「大輝…警察なんて皆酷くて嘘つきだ!前された仕打ちも忘れてない。絶対俺や大輝を突き出して手柄みたいにする気だよ!」 確かに桜木の話が全て信用は出来ないが、コイツも独自にやっていてまた公になれば今度こそ懲戒処分だろうに覚悟の上か? 「俺はアンタが思ってるより悪どい男だ、だがアンタの今の行動も懲戒だけじゃすまない。命の危険もある。 俺らの条件は警察組織に報告なしで公安の仲間も約束させれるか?」 「ええ分かってる、最後の事件のつもりでやってる事だから教えて」 俺は高校からの今日までの行動を、陽加も父親から逃げた事から説明した。 彼女は最後まで聞いた後 「正直前田大輝になってからの貴方のJという組織をやめるまでは最低な事しかしてない、殺人に恐喝、残虐行為に未成年者略取まで罪上聞く限り死刑にしかならないわよ。井上靖雄は生きていてNGTという組織を作ってる反社組織。まさか小野田総理や東官房長官がJの影のボスで何か企みも持ってる。政治家だけでも認知してる者が多いなんて」 「今の聞いたうえでアンタはどうする?俺は今奴らの心臓である証拠データも持ってるが警察も腐敗してる今まだ渡すわけにはいかねぇんだ。」 「太田前総理を連れ出したのも貴方達なのも驚いたけど、とにかく貴方達は見張られて動けないんでしょ?だったら協力しましょう?井上の仕切る組織と同時に一斉検挙した方がいいのは私も賛成。情報共有のお陰で調べやすくなったわ。公安の協力者と調査はしてみる。約束通り貴方達の今の話は彼と2人だけよ。解決後貴方達の仲間の太田前総理の判断に任せるわ」 この女は少なくとも嘘はつかないだろう 「ああ、だが気をつけろ?警察にもJの回しもんはいる。調査にも遅かれ気付かれる。命が惜しいなら慎重にやってくれ」 「私の心配より今は自分と周りの人間の心配をなさい、状況が状況だから突き出さいだけで、本来殺人犯が目の前に居たら逮捕するのが当たり前よ。だから罪を犯した事実だけは忘れないで? じゃあ今日は失礼するわ。何か分かったらまた共有していきましょう」 「わかった、だが約束破るような真似したらアンタでも捕まろうが始末するからな?そうさせないでくれ」 「名前だけじゃなく温厚な性格から変わったわね、お母様の事も残念だったわ。でも両親は今の貴方見たら悲しまれるわ」 ガチャン 言われなくて分かってるさ…… 「大輝大丈夫かな?」 「ごめんな陽加心配かけて、だが桜木って刑事は野心家だったが信用は出来るさ、太田と同じくらいだろう。正義感もある。仲間になってくるかもしれねぇ、そうなれば俺らも見方が増える。じゃあ夕飯にしようぜ?」 「うん、じゃあ今日はカツカレーね?」 桜木刑事…なんか昔と違って死に急いでるように見えた。 命懸けで死んでも構わないとでもいうような感じがした。 俺の気のせいか? 今日は悠里と一瞬恋人に戻り、桜木警部補に再会したりと昔のメンツばかりのまるで、、そう同窓会みたいに感じたぜ NGTは今だ皆無だがまだ数日だ、太田とも秘密裏にコンタクトを取れるし、桜木が味方になれば警察と政界という大きな戦力になる。 DISKのお陰でJは抜けた今はホムラの連絡を待とう

ともだちにシェアしよう!