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123 井上靖雄の再会と稲葉の正体《大輝視点》

「井上靖雄……」 「貴様も久しぶりだな大輝、いや桐原大翔か?」 後ろ側で手錠されて数人の特殊部隊装備した奴が数人いる。 ライフルを堂々と手にして歩くとはこの国では驚きもんだが、 今そいつら+で稲葉と井上という実力者揃いで俺1人でしかも状況的に不利すぎる。 「今更どっちでもいい、俺を殺したいならそうしろ! だが陽加はもう解放してやれ」 「さぁ陽加もう二度とパパから離さんぞ、では桐原大翔は稲葉頼むぞ」 「触るな!俺はもうアンタと居たくない!」 陽加を掴んで連れ出そうとしてる 「やめろ!陽加に手を出したら殺すぞ! それにまだ話は終わってねぇ、悠里は無事なのか?会わせろ!」 「ああ忘れていたよ、どうなったかねぇ?」 この野郎、煽ってるのは分かってるがイラついて冷静になれねぇ だが冷静にならなきゃ思う壺だ 奴の手が緩んだ隙に俺の元に全力で飛び込んできた 「やれやれ、まだ反抗するとはお前も強気になったもんだな陽加?」 「誰かさんの恋人やってるせいで嫌でも強くなるもんでね」 「おい井上、アンタの組織の事はバレてる上に国中で手配されてんだぜ?俺と証拠データだけで勘弁してくれ、悠里と陽加は帰してやってほしい」 「大輝何言ってんの?死ぬ時も一緒だと約束したでしょ?」 「ほぉ、ダークナイトよ前にも話したがお前は腕がいい、殺すには惜しい存在であり、そしてお前も国が憎いだろ?今の世の中を一緒に変える同志にならないか?そうすれば陽加と毎日居られるぞ?勿論私の物だが報酬に会わせてやるって事だ、どうだ?」 相変わらずはコイツもだな、反社会性人格のとんだ勘違い野郎だ 「何をしでかす気か知らねぇがテロリストが国を乗っ取る事なんか出来ねぇぞ、それに俺はお前らと一緒にされる筋合いはねぇ、特に小野田のババアはそう簡単に抑え込めねぇぞ?」 「親父は一体何がしたいの?なんで社会を恨むの?」 「陽加、世の中はお前が思ってるよりとても残虐で愚かな物だ。パパは世界の汚い部分を嫌という程見てきて体験して、見たくないだの死んだ方がマシだのと思うくらいそれは酷かった。 今のこの国は中立国だと資本主義だと気取り立ててるが現状他国に舐められいつ攻撃をされてもおかしない情勢だと言うにも関わらず憲法上や条約やらで武装して守りを固める事も出来ない。 今とある国のミサイルが1発でも国内に誤って着地して大勢の死傷者や損害が出ても報復攻撃どころか開戦してもこの国は指を加えて攻撃の的か中間地にされてしまうだけだ」 「そういう事かよ……」 「どういう意味?じゃあ親父はどうしたいの?首相にでもなって戦争国家にしたいの?」 「陽加、そうじゃねぇよ、仮にコイツが総理になれても簡単に変えれる程甘くはないし、むしろ不可能に近い。アンタは国に核の所有を要求するために何らかの計画を立ててるんじゃないか?だが日本だけじゃ済まねぇぞ? 安保条約や他国や国連等が反対する、実現させるのは無理だ」 「我々はもう核を開発に成功してるのだよダークナイト」 核兵器をだと? 「どういう事だ?それが事実なら大変な事だ、今政府や他国が知ったらそれこそ第3次大戦になっちまうだろうが!」 「余計な心配はいらん、全て計画は始まったばかりだ。ダークナイト、本当は今すぐ始末しても良かったが君にも私に協力してもらう事にした」 「悪いがNGTに入る気はねぇぞ、お前らの元が両親を殺したんだからな」 「なら松丸悠里も必要ないな?…これはライブ映像だ、始末しろ」 悠里が椅子に固定されてる、あの時のお袋みたいに… 「よせっ!分かったから止めろ!」 「待機だ、よし今日は疲れたろ?稲葉彼は連れていけ、陽加は行くぞ」 「yes master」 「いやっ!触らないで!やだー大輝ー」 陽加も手錠されていて井上に引っ張られ連れ出された 「陽加!必ず助ける、だから今は耐えてくれー」 「信じてるー」 バタン クソッ! だが井上の話は何か引っ掛かるぞ、我々って他に協力者がいる事の現しだ。まださっきの話には裏があるんだろう。 開発した証拠も見てないし、実験してるなら他国が探知してる筈だ。 「では僕らも参りますよ?大輝さん」 稲葉…全身黒ずくめでマスクにサングラス気味が悪いぜ なんかの痕かケロイドでも隠してるのか? 声はきれいだし髪も長すぎず短すぎずってとこか黒髪 「俺は拘留室みたいなとこにでも入れんのか?せめて悠里に会わせろ」 「…立ってください、」カチャ! 銃を構えてきた、1対1だし手錠や奴の腕を考えると6,4ってとこか 「チッ、分かったよどこだ?」 「歩いて下さい」 せめて前側なら五分五分だったんだがなぁ 俺は歩かされてあるドア前まで来た 稲葉がドアを開けて2人で入った。 中にはベッドとトイレがあり、留置所みたいな感じだった 「僕が出たら真ん中開けるので手を出してくれれば手錠は外します。 朝までは我慢してください。ドア前に一晩居るので飲食なんでも言ってください、では僕は出ます」 「おい稲葉」 ふと立ち止まり、俺に振り向いた 「なんでしょう?」 「これだけは教えろ松丸悠里はどこでどうしてる?今の話だ」 「…………またご主人様にお仕置きされちゃうのでお答えできません」 「ふざけんな、まさか何かあって俺に言えねぇのか? なら協力する話は変わってくるぞ? 悠里の無事だと納得するまで協力しねぇよ」 「生きてますよちゃんと、松丸悠里の部屋も似てますが固定電話があります、といっても外線は一切使えないものです、1分だけです」 スマホをスピーカーで向けてきた 「良いですよ」 《もしもし…》 間違いなく悠里の声だ 「悠里、俺だ大翔だよ」 《ひろと?大翔ー助けて今俺誘拐されてずっと監禁されてるの》 「いいかよく聞け?時間がない、必ず俺が助けるからなお前は気を強く持って待っててくれ、悠里俺を信じてくれるな?」 《ウウッ…うん信じる》 「悠里誘拐された場所どんなか覚えてるか?」 《えっとなんか山奥で自衛隊の施設みたいな…》 プツン 「ここまでです、必要以上話さないでください。 生きてる事は分かったのですから満足ですよね?」 「悠里もこの施設にいるようだな、明日井上に会えるのか?」 「もちろん、貴方の返事を聞きたいと仰ってますから」 だったら丁度いい 「では僕は一度退室します」 後ろを向いて歩き始めた、この部屋誤算は監視カメラがない 「テヤァ!」バシーン 後ろから稲葉を中段蹴りでフッ飛ばして流石の不意打ちに稲葉もうつ伏せで倒れて立ち上がる前に顔面にもう一度蹴りを入れ、片足で首を押さえながらコイツの体をまさぐり鍵を見つけ暴れて剝がそうとするがその前に手錠は外した。 一応防弾ベストを着用し手足も何らかの装備をつけてガードしてるんだろう 稲葉の銃を拾い立たせた。マスクを外して鼻血を止めていた。 「顔は悪いな、だがもう少し話そうぜ?」 「酷い人ですね顔を蹴るなんて、僕は何も答えませんよ?どうぞ拷問なり犯すなりしてください、僕ドMですから」 「試してみるか?井上の核の開発済みの話は事実か?」 「ええ、嘘言っても仕方ない話ですよ」 「だが莫大な金や技術にこういった場所を井上一人で集めたとは思えねぇ、さっき奴は我々と言った。他に協力者がいるのか?」 「お答えできません、」ガチャン 「まぁいい、見取り図と悠里の居場所はどこだ?」 「お答えできません」 「なら案内しろ」 ガチャ タッタッタッ カチャ、カチャ、カチャ 数人の武装した連中が入ってきてライフルを構えた 俺は稲葉を盾に銃を頭につけた 「やれやれ遅いと思ったらやはりか」 井上靖雄…… 「悠里の無事は確認できた、だが俺に何をさせたいんだ?」 「君に良いものを見せてあげよう、稲葉、素顔見せてあげなさい」 「はい、ご主人様」 稲葉はメガネも外し俺と顔を合わせた んな!これは…一体どういう事だ? 「ち…ひろ?」 俺は銃を落としてしまった。 稲葉は一瞬の隙をついて俺の腹部を蹴った。 そして銃を拾い、また向けてきた でもなんと目の前に居るのは死んだ筈の中学の同級生だった。 立花千尋だ 「そう、この子は君が愛し合った立花グループ次男の千尋だ」 嘘だ!なんで千尋が生きてるんだ? 「な…なんで千尋…が?」 そしてなんでこんな奴と一緒にいるんだ? 8年前のあの時の爆発が蘇る 千尋が……ウワーーー

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