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130 J.本部奇襲作戦 《複数視点》
《光希視点》
陽加や大輝と連絡取れなくなって数日が経った。
マンションにも行ってみたらやっぱり居なくてシロ一人だけ残されてた。
「直人の部屋もペット可だよね?大輝達と連絡取れるまで家で預かろうよ、何かあったのかもしれないしシロも可哀想だよ…」
「俺は構わないぜ、にしてもアイツらも無責任だな、置き去りで旅行か?」
あの二人は無責任な事は絶対にしない…
もしかしてJと関係あるのかな?
でも直人にはそこまで話せてないし警察にも話せない…
2人のバイト先も休暇中になってた
「違うよ、でも帰ったら俺っちから話聞いとくからさ、協力してね?」
今は待つしかない……どのみち何も出来ないんだから
でも早く会いたいな
で家で飼い始めた翌日大輝と再会出来た
突然直人の家に押しかけてきた。直人が不在で良かった
「ハァハァ…光希久しぶりだな」
「もぅ大輝!連絡も取れないしシロは置き去りだし何してたの?」
「訳はまた話すからしばらくシロの事頼んでもいいか?」
「なんで?また危ない事してるの?」
「落ち着いたらまた連絡するからそれまで頼むぞ、光希頼むよ」
「うーん、分かったよ大輝を信じるからね?でも隠し事話だよ?ちゃんと後で話してね?」
「ああ、じゃあよろしくな、シロ悪かったな、だがもう少し我慢しててくれ?」
「アンッ!」ペロペロ
尻尾は振ってかなり甘えてる、寂しかったんだね
「じゃあ気を付けてね、陽加にもよろしくね」
「ああ、お前も幸せになれよ」
そう言って急いで出ていった。
何か隠してるのは分かるけど彼から話すまでは待ってあげよう
《大輝視点》
家に入ったらシロが居なくてもしかしてと思って直人の家に行ってみたらやっぱり居たようだ。
一先ず安心したのと光希も物分かりがいいのがいい所で何とか今はやり過ごせた。
車に戻ると冷たい目のままの千尋がいた。
「気が済みましたか?ダークナイト」
「ああ、じゃあ行こうぜ」
「言っときますがご主人様に知れても僕は庇いませんからね?」
「ホント稲葉になると冷たい奴だな」
「じゃなきゃ今から大勢を暗殺しに行く心構えが出来ませんから稲葉でないとダメなんです。貴方もダークナイトとしてちゃんと集中してください」
千尋……お前その忠誠心は捨てれないのか?もう俺だけじゃ救えないのか?
無言になりそのまま拠点付近で止めたが監視カメラが入り口にや中にはスキャンや警報器に警備も全員銃を所持している。
そこで井上に渡されたのはEMPだ、電磁パルス爆弾。こんな物まで……
周囲の電力を全て無効にしてしまう情報機関にとって一番効果的な武器だ。
小野田の指示でほとんどのメンバーは一か所でのミーティングを行うそうだ。
内通者が爆弾ベストを着ていて大半を吹き飛ばし俺達は残りを一人残さず始末するのが任務だ。
完全武装して通信機を耳に付けガスマスクも装着して準備完了だ。
「聞こえるか?稲葉」
今は任務中で本名は互いに伏せた方がいい
「大丈夫ですダークナイト」
「いいか、お前は俺の援護をしてくれ、俺が片付ける」
「いい加減にして!僕を舐めないでください。
最初の戦術通り2人で一気に攻めなきゃ時間も無駄です」
出来るだけ千尋を前に出したくなかったがこれ以上言い合っても終わらないだろうな。
「ハァじゃあ行くぞ付いてこい、カメラの死角を通ってゲート前に配置する。内通者の自爆直後にEMPを投げ入れて残党を始末する。
だが一つだけ約束だ、常に離れずにいろよいいな?」
「分かりました、ではI聞こえますか?」
《爆発音がしたらやれ》
「了解だ、大体何人くらいだ」
《お前たちが倒すのはせいぜい20以下だ、残りは吹き飛ぶ》
「ホムラって男もいるか?」
《ん?ああいるぜだが会議場に居るからそいつは俺と共にだ。
じゃあ20秒後爆破するが互いに我らの明日に健闘を》
内通者は連絡を絶った。
滝にホムラまで犠牲にしなきゃいけないのかよ…
もうカウントダウンが始まってる。
俺は……所属していた元仲間を全員でないにしても皆殺しかよ……
《だが忘れるな常に見張ってるし、警告等してみろ?
その前に悠里の両目がなくなってるかもしれん…あの綺麗な顔が傷だらけかもしれん…》
悠里……
「もうすぐです、大丈夫ですか?」
千尋もガスマスクと暗視ゴーグル着用していて表情は分からないが
ドーン!中から爆発音がした…ホムラ……
クソッ!俺は入り口にEMPを投げ入れた。
ウィーン!パンッ!
ツーーー
「よしっ行きます」
俺が一瞬ボッとした瞬間千尋が先に動いてしまった
「ち・稲葉待て!」ダダダダダァーン!
中に入ると真っ暗で俺らは暗視ゴーグルで生き残りを順番に片づけていった。
流石にプロ集団でもここまで不意打ちされたら振り切るのは難しい。
中は暗くぐちゃぐちゃして確かに会議室は爆破後で燃え始めてもいる
ババババァーン!
俺も動いてる奴らをひたすら撃っていった
当然向こうも撃ってくる奴もいるが特殊に全身装備をしてる俺らには簡単に貫通しない。
ババァーン!
「ヌハッ!」バタン!
入り口に向かう一人も、バババァーン!バタン!
それから一人一人見つけては抹殺していき
全ての部屋を回り、千尋と一人残らずとどめを刺した。
千尋も見事に全員頭部や心臓部を等の急所を確実に当てている。
今の千尋は井上に訓練されたのが身に着いたせいか恐ろしくも感じる。
バァーン!ドタン!
「これで最後か?」
「あと一人います」
全て回って全員倒したはずだがどこに?
「ここです」ガチャン!
「やめろー!」
パン!パン!
「ウウッ…」俺の腹部とメットに1ッ発ずつ命中したが、千尋は容赦なく
ババババババァーン!思いっきりライフルをぶっ放した。
見た事ある奴だったな、俺らとそんな変わらない歳だ……
「これで最後です、ここと中枢部にC4をセットして僕らは帰りましょう」
何事もなかったかのように千尋がセットしていった
「お前手際がいいな」
「貴方が遅すぎるんです、僕が居なきゃ貴方がやられてましたよこの作戦」
ピッピッ
「さっ早く出ますよ」
「Jのデータは良いのか残さなくて?」
「既にNGTのサーバーに送られてます」
なるほどな
俺は周囲を最後に見ながら歩いてたら
スッ!カチャン!
「動くな!首は貫通するだろ?銃から手を放せ早く!」
この声は……
「ホムラか…」
「大輝?お前…どういう事だこれは?お前が全部やったのか?」
「ああ、そうだ。だが深い理由がある」
「Jの拠点を破壊した上、上層のほとんども殺した。
散々手助けしてやった恩を仇とはな…大方人質取られてるんだろうが理由はどうあれ俺の立場としてもお前を生かす理由はもうねぇな」
ライフルは腰に掛けて手を伸ばせばすぐ撃ってくるだろうがどのみちか
「陽加や悠里がNGTの人質にされて駒にされてんだよ!
だがお前の助けが必要だ、頼む協力してくれ終われば俺の事は好きにしていいが陽加達を救出するまでは頼む。
それにこれから各地でテロ攻撃が起きる。何とかしねぇと」
「なるほど、で井上の言いなりな訳か?
大体テロ攻撃の情報があればJで掴めてる筈だ」
「政権とNGTはグルで核を開発済で既に実験できる状態だ。
俺を殺してもいいが解決するまで猶予はくれ、全て話すから頼むホムラ」
ホムラはゆっくり銃を下ろしかけてた
「……いいだろう、だがまず全てはなし…」
バーン!
ん? ドタッ!
ホムラが倒れて頭から血が…撃ったのは
後ろから出てきた………
「千尋……お前!」カチャン!
「さぁ行きましょう時間がありません」
背を向けて歩こうとした
バーン!
俺は拳銃を抜いて壁に1発放った後、千尋に向けた
「何の真似ですか?」
「こっちのセリフだ!何故撃った?
ホムラは銃を下ろそうとしてたのに…
協力しそうだったのにお前は!」
「でも殺そうとしたしJのメンバーなら殺害しなくてはいけません。
ここに居る時点で抹殺は命令ですから。僕を撃ちますか?一緒に戻りますか?どちらか貴方が選んでください。中途半端はホント変わらないんだから……正直僕もうんざりですよダークナイト」
千尋を撃っても何も解決しないがもう愛した千尋とは思えない……
銃はホルスターにしまってライフル持って一緒に外に出た
ドカーン!ドォォォーーーー
入り口からも火が出て外だけ消化して中は放置した。
装備品は全てトランクの隠し扉の中に隠して服は着替えて車に乗り込んで発進した。
「お疲れさまでした。
とりあえず戻って報告しますが証拠は僕の首に付けたカメラでご主人様が見てましたので大丈夫です。
最後の件はどう判断されるかは保証しませんがね」
「お前も俺も変わってしまったな…銃を向けた時本気で撃とうかとも思ったがな」
「彼は友人なんですか?」
「似たもんだがとにかくJは終わった。
テロ攻撃も起こってお前らの勝ちだよ…」
「僕らはやるべきことをしただけだよ大翔。
戻ったら悠里にも会わせてくれるよきっと」
「僕らじゃねぇ!テメェだけだ!そこ勘違いすんな稲葉。
悠里に会えても助け出せないんじゃ意味がねんだよ!陽加もな」
「大翔もう僕を許せない?殺したい?
ならそうしてよ僕は自分じゃ出来ないから大翔にならいいよ?」
千尋の目は本気だ。
命を惜しんでない、死に恐怖がない人間は多く見てきたから分かる。
こうなったのも俺に責任がある。
「ハァ…とにかく戻ろう千尋」
これから国中がパニックになるだろう……
太田無事なら証拠を持ってるなら早く対処してくれ
このままじゃ俺はどんどん罪を重ねていくだけだ…
怖くてラジオもつけずに戻った。
既に夕方になってようやく着いた
井上も出迎えでいた
「ご苦労だったな2人とも」
「ただいまです、ご主人様」
「監視してたんだろ?言いたい事あるなら言えよ」
「短気だな、犯行声明は既に出してから国中が皆パニックを起こし恐怖や怒りと言った連鎖が起き始めている。警察やレスキューも対応に追われて同盟国から国連までかなり広く取り上げられている。明日には国民感情も動き出すだろう。今日は休みたまえ、陽加には約束通り会っていいぞ、私達の前で数分だ行くぞ」
死傷者が大勢出た1日だ、もはや内戦状態だ…
「悠里はどうした?アイツにも会わせろ!」
「残念だが稲葉に銃を向けた罰だ、なら選べどちらか一人会わせる。10秒以内に決めろ、決めないならすぐあの部屋行きだ?10.9」
ふざけやがって、悠里は捕まえた時話せたが陽加はあれ以来どうなってるか知らない……悠里済まない
「陽加に会わせてくれ…」
「よし、来なさい」
身体中をスキャンと検査をされてから井上の部屋に居た陽加と会えた。
千尋と井上が見てるが
「えっ大輝?」
「陽加無事か」バッ!チュッ
俺は抱きしめてすぐキスした。
良かった少なくとも正気ではあるみたいで安心した
「大輝こそ良かった、ずっと心配してたんだから…でもなんで?」
「色々訳有なんだ、時間内から手短に話すぞ?」
俺は耳元で話し始めた
「必ず助けに行くが井上の言葉を信じるなよ?
俺はお前から離れたりしない、だから待っててくれ。
痛い思いもしてるかもしれないがもう少し頑張ってくれ」
「分かってる、大輝を裏切る訳ないでしょ?
俺は大輝を信じてるし愛してるから、待ってるよ?」
「ダークナイト時間です」
「ああ、陽加すまないが行く」
「うん…でも気を付けて」
俺らは笑顔で頷き合った。
千尋に引っ張られて外に出された。
井上の部屋の階の作りと居場所は覚えた。
あとは悠里だな…今は陽加の居場所の把握が最優先だったが…
会いたかったのも事実だが今までは陽加の居場所が掴めなかった分収穫になった。
恐らく俺と同じ階に閉じ込められてる筈だ
「では明日の任務も頼むぞダークナイト」
奴と睨み合って部屋を出た
「おい地下行きじゃねぇのか?」
千尋はこの階の恐らく稲葉の部屋なんだろう
ここに連れてこられた。
井上の部屋よりは狭いがユニットバス付でホテルの部屋と変わらない
「しばらくお風呂入ってないでしょ?今夜はここで入っていいよ。なんなら一緒に入ろ?」
千尋としてか稲葉としてか
任務中以外は割と穏やかなんだがな
「いやっじゃあシャワー借りる。一人でいい…」
「ダメです、中で見張らなきゃいけないから一緒に入る」
「ハァ勝手にしろ、俺は触れないからな」
そう言って服を脱いでシャワーを浴び始めた
隣でくっついて一緒に浴びてきた。
千尋もやっぱり色っぽい身体つきだ…じゃねぇ!誘惑に負けんな
髪と体急いで洗って
「先出るぞ」
シャツとズボンがあり履いた
しばらくして千尋もバスローブで髪を拭きながら出てきた
今国中騒ぎになってる…Jは壊滅してしまった…この手で全員抹殺した…
光希達は?溜まり場はどうなった?
心配な事も多いが明日を待つしかない
「さっ大翔今日は喧嘩ばかりだった。イライラ癒してあげる、来て」
裸になりベットから手招きしてきた
俺はそれを拒めなかった……
チュッ……レロッ……レロッ
130,ホムラ……END
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