は、と唇が離れると、肩で息をする俺を見下ろす翠はふっと目を細めた。 「綾人くん、キス下手だね。その反応だと、仁くんにはこういうキスはされなかったんでしょ」 　良かった、と小さく呟く翠は先ほどよりも機嫌が良くなったように見えた。未だ脳がくらくらしながらもひとまず安堵すると、「次はここだね」と声を落とされる。 　息を着く間もなく撫でられる股の奥に、思わず息を呑んだ。 「ーーあ··········っ」 「わ、キスだけなのに先走りおしりにまで垂れてるよ」 　そんなに気持ちよかった？と、先から漏れ出た液を指に絡め取られると円滑剤となり、難なく翠の指を受け入れてしまう。 「ーーっあ··········、ぁ··········ッ」 　滑らかな指をあっという間に付け根まで飲み込むと、「綾人くん、余裕そうだね」と狭い入口をくぱっと拡げられ、指を追加で挿入されてしまった。 　窮屈な中を二本の指にかき混ぜられ、腹側をぐりっと指の先で押されるとびくん、と腰が浮いてしまう。 「っ·····、ひ·····、っぅ·········」 「ん、ここ気持ちいいね。········あ、そういえば、こっちも触られたんだよね」 　上書きするから、と宙に揺れていた性器を握られ、ぐちゃぐちゃとしごかれる。 　先走りがとめどなく溢れる先っぽを親指でぐりぐりと潰されると腹の中が熱くなり、「すい、すい」と、すがり付くように翠の服を掴むことしかできなかった。 　名を呼ぶ度に翠は興奮するかのように口角を上げていた。 「や·····、ッ··········、いっしょ·····、やだ·····、ぁ········ッ」 「嘘つき、気持ちーんでしょ。びくびく止まんないね」 　瞬間、濡れている先端に指の腹をぐりっと埋められ、いつの間にか指の本数を増やされていた内壁をぐりぐりと複数の指で押し上げられると、もう限界だった。 「ーーぁ·····ッ、す········ぃ、やだ··········、すい········っ、ッぁ········っ」 「ん、イきそうだね。いっぱい気持ち良くなろうね」 　見ててあげる、と甘く声を落とされた時、目の前にチカチカと火花が散り、こみ上がる熱に溺れた。 　先端から白濁の液体が弾けると、そのままぐったりとベッドに横たわってしまう。そんな俺の頭を翠はいい子、とくしゃっと撫でた。 「上手にイけたね、綾人くん。気持ち良かった？」 「············ん、」 　応えるかように翠の手のひらにすり、と頬を寄せた。すると翠はぴくっと肩を揺らし、突然パシッと俺の手を取った。 　そのままベッドへ押し付けられ、翠は熱持った瞳で俺を見下ろした。 　カチャカチャとベルトを緩め、腫れ上がった性器を開かされた股に這わされると、股がじんわりと熱くなった。