「っあ··········、んん··········っ」 　ゆっくりと付け根まで受け入れ、股が疼きながらも床に膝を付き、翠の腹に手を添える。 　びりびりと痺れている股を擦り付けるように腰を前後に動かすと、カリに腹の裏側をずりずりと押し上げられてしまう。 　ーー翠は、気持ちいいのか？ 　ちらっと目線を下げると、翠と視線が重なった。心なしか翠も息が上がっているように見え、どくんと心臓が脈打ち、溝がきゅっと疼いた。 「ぁ··········っ、ぁッ··········、」 「·····は、俺の上で腰振って感じてる綾人くんやばいね。腰にクるよ」 「恥ずかしいから言わないで」そう言おうとした言葉は、先端が凝りを捉えたことで喉奥に飲み込まれてしまう。 　びくびくと腰が麻痺し、翠の腹の上で揺れる性器からとぷっと液が溢れると、またイったの？と翠は笑った。 「さっきからずるいね、一人で気持ち良くなっちゃって。イキ癖付いちゃったかな」 「っは··········、ぁ··········、ぁ··········っ」 　腹も股もじんじんして、熱くて堪らなかった。翠を気持ち良くさせたいのに、この体位だと良いところに当たってしまって思うように動けない。 「ほら、綾人くん。気持ちいとこ当てあげるから、頑張ってよ」 　きゅっと手を握られ、するっと指を絡め取られると、腹に置いていた手の支えがなくなり、奥にまで入ってくる亀頭に最奥を突き上げられてしまう。 　中を突き刺すようにピストンされ、腫れ上がった先端が凝りをずりずりと押し上げてくる。 「·······ッぁ、·····す、い··········っ、も·····、むり·····、ぃ··········っ」 「もうちょっとだけ、付き合って」 　本当に無理だから、と訴えようとした時だった。 　翠がぐっと体を起こし、抱き抱えられている体勢になってしまう。 　抱き締められながら後頭部に手を回されると、ちゅ、と唇が合わさった。 　唇が離れ、「すい」と甘えるように抱きつくと、よしよしと頭を撫でられる。それが凄く心地良かった。 「じゃ、もう少し頑張ろっか。ちゃんと掴まっててね」 「····な、ーーーひ、っ··········、ぅ··········ッッ」 　むり、と言い返そうとした時だった。尻を掴まれると、中を一気に貫かれてしまった。 　ぐちぐちと下から突き上げられ、凝りを捉えられると、腹の中の熱が込み上がってくるのが分かった。 「い··········、く·····っ、また··········、いく··········、すい··········っ」 「ん、いっぱいイけて気持ちいね。一緒にイこっか」 　胸の突起をかぷ、と甘噛みされると直結した下腹部がびくんと震え、張り詰めた性器からはもはや色のない体液が漏れ出た。 　同時に奥に打ち付けられると、中で弾けた体液で腹の中が満たされていくのが分かった。 「っぁ··········ッ、ぅぅ··········」 「·····ん、気持ちよかったね」 　ぐったりと力の抜けた俺を、翠は労るように抱き締めた。ぽんぽんと頭を撫でられると、翠の体温と鼻をくすぐる甘い香りに酷く安心した。 「···············翠、お前·······」 「あー、もう、うっさいな。悪かったって言ってんじゃん」 　翠に容赦なく求められた結果体はガタガタで、案の定次の日は学校を休むことになった。翠は仁にこっぴどく怒られていたが、全く反省していないようだ。 　ーーまあ、俺のせいでもあるんだが。 「いや、仁、俺も悪かったから·····」 「そうそう。綾人くんがエロいのが悪いんだよ」 「そうだな、綾がエロいのは認めるが」 　仁に余計なことを言うな、と言おうとした時にはもう遅かった。翠が仁に詰め寄ると、またも二人は言い合いになってしまった。 　こうなったらもう俺にも止められないので、バサッと布団を被り、怠い体を休めることに専念することにした。 　歪な形から始まった翠との関係は、今となっては俺達にとっていい思い出。··········とは言えないが、あの時から翠が俺のことを好きだったのかと思うと、不思議と悪い気はしない。 　翠との関係は、まだまだ始まったばかりだ。これから先が楽しみでしょうがない。翠とのこれからを、大事に過ごしていきたいと思った。 　 End.