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Classmate 5

「千佳さん、本当に料理上手ですね!!何食べても本当に美味しい!!今度レシピ教えてください!!こんなお姉さんいて、羨ましいよ。幸せだなぁ、森下。家庭が暖かいっていいね。」 「たくさん食べなさい?なんなら通ってきなさい?コレと2人で向き合って食べてるのも飽きてきたし、食卓に花を添えて?」 「コレで悪かったな。今までそんなこと言ったことないのによっぽど気に入ったのか?」 「だって、今まであんたが連れてきたのって体育会系のゴツイのばっかりじゃん。箸の持ち方から教えなきゃならないようなの、面倒くさいし、めちゃくちゃ食べんのは良いけど、あたしはキッチンに立ちっぱなしで話なんかできなかったじゃん。比べてこの子は箸の持ち方も綺麗だし、姿勢もいい。こんな繊細な子初めてだし、なんでコレと友達になったの?」 「入学案内係で一緒だったんです。桜に夢中になってたら、時間だって教えてくれて。で、同じクラスって知ったんですけど、席も前と後ろで近くて、一緒にいると新しい発見がたくさんあるんですよね。すごい新鮮です」 眩しいくらいの笑顔に千佳は物珍しそうに自分の弟を見る。 「あんた良かったね。つまんないだけの男かと思ってたけど、あんたから発見があるなんて初耳なんだわ。こんなこと言ってくれるの三島くんしかいないわよ?大切にしなさい?」 「おかんか!!」 1人加わるだけで静かな食卓が久しぶりに賑やかになったのは確かだ。これまでに何人かの友達は確かに連れてきてはいたが、今の学校から連れて来た面子は体育会系の友達が多かったのも確かだ。いかにも、か弱そうな人物は初めてなのも否めない。 「三島はどんな子がタイプ?姉ちゃんみたいなのどうよ?」 「……素敵な人だと思うし料理も上手だしいいお嫁さんになると思うけど、森下のお兄さんになるの?俺……」 「あ、あんた、なに馬鹿なこと言ってんの?」 そう言いながらも千佳は真っ赤な顔をしている。 ――まんざらでもねぇのかよ…… 「姉ちゃんの好みはわかった。で、俺は別に構わねぇよ?『大切な姉の幸せ』じゃん?」 「……なんで、その『大切な姉』の部分が棒読みなのよ。」 「……気のせいじゃね?」 明後日の方向を見ながら唐揚げをパクつく。 「ほんっとにムカつく。そういうあんたはどうなのよ?」 「……別に?好きになった人がタイプなんじゃね?料理が上手くて家のことが出来る人で、害虫駆除が出来る人?まぁ、姉ちゃんが姉ではなかったら理想的かな。」 「……害虫駆除……」 「その部分に食いつくな!!俺、マジで虫無理なんだよ。たまにデケェのが入ってくるじゃん。この人スリッパでパシンって叩いて、触覚持ってトイレに流すの。虫に対して躊躇ねぇとこ、マジでリスペクトしてんだわ。」 「コイツ、こんな成りしてんのに、子供の頃から虫がダメで、幼なじみと昆虫採集には行くには行くけど、何も持って帰ってこないのよ。一緒に行ってカブト虫捕まえてやってもギャーギャー言っててさ。あの時は2人とも可愛かったのに、あんたはデカいし、唯一の癒しのまこちゃんは海外に行っちゃうし……まこちゃんがご飯食べに来てた頃はさ、なんか賑やかだったよね、懐かしいなぁ……」 思い出に耽っていると、ニヤニヤした悠斗は 「姉ちゃん、真琴が好きだったの?!うわぁ、意外。真琴にメール送ろっかな……」 「やめろ。バカ。違うっての。まこちゃんは外見可愛いけど中身はあんたより男前じゃん。そのギャップには萌えを感じたけど、あんたが妹だったら絶対にくっつけたんだけどなぁ……」 本気のため息をつかれて、悠斗も姉を見る。 「おい、ちょっと待て。リアルなため息つくなよ。例えもし妹だったとしたら、俺に選ぶ権利はねぇのかよ。」 「だって、まこちゃん、虫大丈夫だし、舌は確かだから、料理作らせたら絶対上手いわよ?」 確かにそれ以外なら悠斗にも出来ないことはないのだが……悠斗は首を傾げた。

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