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Sleep With 3

放課後、伊織が借りているアパートへ向かって歩いて移動すると、なんのセキュリティもない普通の木造アパートだった。 「……壁、薄そうだな。」 「そうだね。でも、気になったのは最初だけ。夜はみんな早くて静かだよ。その代わり朝も早いけどね。」 部屋には最低限のものしか置いてない、殺風景な部屋だ、というのが悠斗の思うところではあったが、しっかりとキャラクターもののぬいぐるみは飾ってある。 「あのぬいぐるみは学校でもらったもの?」 「ううん、元々持ってるもの。住んでる場所はバレちゃってるけど、GPSとか、盗聴器とか仕掛けられてたら嫌だから、もらい物は基本的には受け取ってない。持ってこないで欲しいって伝えてあるから、最初のうちだけだったかな。」 「……見守り隊の皆さんも大変だな。規約の中で順番に見回りするわ、口説くは……その中に心動いたヤツとかいねぇの?」 「……考えたことなかった。童貞捨てる前に処女を奪われるなんて、予想の斜め上すぎて想像出来なかったし。」 「……啼いてる時は可愛いのに……」 ボソッと言った一言に伊織は睨むように悠斗を見上げるが、その顔ですら悠斗にはご褒美になってしまったようで、ほんの少しだけ目が見開かれた。 「……で?童貞捨てたいの?原木の彼女の話、めっちゃ食いついてたじゃん?彼女欲しいの?…てか、女抱けんの?」 そう聞いてくる悠斗の口元が緩んでいる。 「……どういう意味?」 素直にそう聞いた。スポーツバッグに普段着と下着と教科書、替えのワイシャツを折り畳んで詰めていく。何日分を入れればいいのだろう? 「……先に男の味を知っちゃうと、勃たなかったり、イけなくなったりするから。逆に男に触れられると勃ったりするんだよ。試してみる?」 最初のキスと同じように後頭部と顎に手を添えられたと思った時には舌が入り込んで怯んで逃げる舌を捉えて吸われる。舌の上をなぞり、上顎を舐められると声が出てしまう。 「んっ、ふぅ……ん……んっっ!!」 重ねた口唇から口角が上がると同時に股間を掴まれた。完全ではなかったものの、形を変えつつあった場所は触られた刺激で固さを増した。濡れた口唇を舌が舐めてから離れていく。 「……ククッ、ほら、感じやすいね〜。1人で処理出来ないなら手伝うよ?自分1人で処理出来たら、女、抱いてみる?簡単に脚開いてくれる童貞好き紹介出来るよ。けど、簡単に脚を開いてヤリまくってる女、俺、嫌いなんだよね。」 「……嫌がらないから?」 クスっ、と笑って「そうかもな」と言う。いつの間にかベルトを外してボタンを外されてウエストのところから手を入れられて直に触られた。 ビクッと躰が揺れ、ゾクリとした愉悦に一気に完勃ちになってしまった。ゆるりと裏筋を撫でる指にゾクッと感じてしまう。 「……1人で出せるか、ちょうどいいから試してみようか。その結果次第で紹介する人変えられるよ?女がいいか、ヤってくれる男がいいか」 ここでセックスはしない、けれど抱くとは言わなくなった。その1回の約束が成立したから……かもしれない。 「……今?……ここで?」 「そう、オナってよ。見てるからさ。それで扱いただけでイケたら、一緒に女と遊ぼうぜ?」 「……俺とヤるって言うのはそれでなくなる?」 素朴な疑問として聞いてみた。

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