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Sleep With 6

つま先でそこを押されると反応してまたそこが張りつめる。 「……おまえだって人のこといえねぇじゃねぇか。男のちんぽ舐めて感じてんじゃねぇよ。もう、否定出来ねぇよな?おまえ、元々こっちの素質があったんだよ。女は諦めろ。俺が付き合ってやれる限りは発散させてやるよ。 でも、ガンガン突きまくる日は遠慮はしないからな?楽しみだなぁ、おまえの嫌がる顔も感じまくってエロくなってる顔も、泣き顔も。」 「……こんなの挿入(はい)るわけがない……」 「それが不思議と挿入っちゃうんだよなぁ。人間の体ってすごいよな。言ったろ?味わったらハマるぜ?俺、リピーターは多い方なんだ、男女問わず。おまえが俺ん家いる間に1度行ってみようか、夜遊び。他の男味わえるぜ?」 「……どういうこと……?」 「まぁ、学生が集まる悪い遊びをやるって考えればいいよ。違法なものは扱ってないけど、酒、タバコくらいかな。そういう日もあれば、誰かの部屋で乱交パーティーの時もある。 ゴムは必須だけどな。妊娠を盾に迫られるのはゴメンだ。男同士でヤッてんの見るのが好きな女だっているぜ? まぁ、男同士は前準備が必要だから、それをしてきてもらってからじゃないと出来ねぇけど。おまえとの約束にも準備するものがあるしな。」 ニヤニヤと笑うその表情にどんな意図があるのだろう? 「どうせしばらく家にいることになるだろうから、当面、夜遊びには出れないだろうし、お互いにイイコトしない?気持ちよくなって処理しようぜ?俺は素股でいいからさ。本番までに十分なくらいに解しておこうぜ?それに結腸の洗浄までできるくらいにしておかないとな。徐々に慣れていけばいいさ。」 「結腸?洗浄?」 聞き慣れない言葉の連続に伊織は戸惑う。 「S字結腸ってとこまで届いちゃうんよ、俺。そこでメスイキすんの。どんな男もそれがクセになって俺に迫ってくるようになるから面倒くせぇの。他の男じゃ届かないからって。俺サイズのおもちゃで気持ちよくなってろって追い返すんだけど。 そういうのって雰囲気とか、見た目ってあるだろ?ノリでやっちまってハマられても、本気になることねぇし。」 「……本気の人がいるから?」 「いや?いないよ?俺が本気で好きになるだけの相手に出逢ってないだけ。ただ、1回ヤッてみたいな、って相手ならたくさんいる。おまえも含めてな。ヤッたから好きになるってのはないんだよ。所詮は遊びの一環。だから楽しんだ者勝ちだと思わねぇ?」 他人の気持ちに寄り添えない男と、甲斐甲斐しく看病してくれた男と、どちらが本当の悠斗なのか、わからなくなってくる。この男の二面性に戸惑う。 「……あ、網戸にカメムシ……」 聞いた瞬間に反対方向に驚くほどの速さで股間を晒したまま逃げた。カーテンの隙間から見えたそれを網戸越しにピンと弾くと落ちていった 「本当にどんな虫でもダメなんだね」 「うるせぇ。足が4本以上あるものは生き物として認めねぇ。あぁ、萎えた。いいとこだったのにな。舐めてる顔も良かったぜ?」 萎えてぶら下がってるものも、断然大きい。それをしまいながら制服を整える。 「さてと、姉ちゃんに位置情報送るか。」 ここで、ずっと思っていた疑問を投げかける。 「なんでそんなに千佳さん中心に生きてんの?」 フッと小さく笑いながら少し俯き加減になった。ポツポツと話し出すその言葉に耳を傾ける 「……俺の命は姉ちゃんがいたからある。おまえの兄貴がおまえを助けて死んだ、と言ってただろ?俺にも同じような経験がある。 おまえ、気付いてないだろ?あの人、足引きずってんの。左足ないんだよ。義足なの。俺の命と引き換えにあの人は左足を失った。だから俺の為に車を出すことも迎えに来ることもないのは、負担をかけないためだ。姉ちゃんがこれだけ心配するのもおまえが初めて。階段にチェアーリフトがあるの、不思議に思わなかった?」 だから千佳は在宅勤務なのだ、と納得する。普通のオフィスならともかく、工場は移動も多く、階段を使うことも多い。急ぎの書類を持っていかせるにも千佳だけは動けない。それを身内贔屓と言わせない為。事情がわかっていても移動に大変なことには変わりない。 自宅の中であれば好きなように動ける。そして悠斗はそれに責任を感じている。だからこそ、千佳の命令は絶対なのだ。

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