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第8話

ボロボロになったスイの後始末を幼なじみは丁寧にした。 穴が出血していないのを確認もしたし、精液が溢れ出すのを満足気に見ながら掻き出し、身体を濡れたウエットティッシュで拭かれたりもした。 スイはワガママであってもバカではないので、誰にも邪魔されずレイプが終わったことや、その後の後始末の段取りの良さからも、これは計画的だったんだと分かった。 スイの身体の秘密だけは予想外だっただろうけど。 「スイが妊娠できるなら最高だ。それは予定外だった」 幼なじみは嬉しそうだった。 幼なじみはまたその暴力で支配している誰かに、このレイプの痕跡を隠させるのだろう。 スイの暴君のような命令の時もそうしたように。 スイは。 幼なじみを使って、気ままなゲームを楽しんだ。 自分がそうされることなんて考えてなかった。 スイは便利な道具、使える犬として幼なじみを扱ってきた。 だが。 幼なじみは道具でも犬でもなかった。 ずっとスイを狙っていた獣だったのだ。 「スイ、お家に帰ろうな」 幼なじみが笑った。 スイはまた泣いた。 スイは親からマンションを買い与えられていて、通いの家政婦が来る以外で、そこに来るのは幼なじみだけだったことの意味が、今恐怖になった。 親には言えない。 言えるわけが無い。 「跡取り息子」を溺愛してるあの人達がスイの身体のことを知ったなら、スイを捨て去るのをスイは知ってる。 「風呂に一緒に入って、一緒に寝よう。今日はもう挿れたりしないから」 幼なじみは上機嫌だった。 歩けないスイを軽々と抱き抱えて、幼なじみは学校のすぐ近くにあるスイのマンションへ向かう。 「これからは。毎日可愛がってやる」 そう囁かれる声は。 スイには恐怖でしかなかった。

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