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第12話

次の日スイは学校を休んだ。 とても起きれる状態じゃなかったからだ。 それから数日、幼なじみは学校にも来なかった。 スイの周りに家来はいたからスイは相変わらず暴君だった。 彼らはスイの言うことに従ったけれど、彼らが恐れているのは幼なじみだとわかってた。 腹いせに傲慢に振る舞い、ワガママを楽しんだけれど、それすらどこか虚しくなっていた。 何より、彼らはスイを監視してるのがわかったからだ。 スイの隣りに居なくても幼なじみはスイを支配していた。 でも。 スイは久しぶりに息が出来る気がした。 ずっとずっと。 幼なじみがいたからだ。 あんな風に変貌する前からもそうだったけれど、夜支配されるようになってからは、昼どんなに傲慢に振舞おうと、それでも縛られていることには変わらないとわかってしまって。 スイはもっと息がしたくて。 家来達からもにげたくなった。 だけど、彼らは家の前までついてくるし、なんならそこで交代で家の前に立ってる。 同じ学生をここまで支配できる、幼なじみが怖くなった。 どうしてあんな恐ろしい男を傍に置いていたのか。 考えてもわからない。 私立の幼稚園から一緒で。 スイの隣りにずっといて、スイをワガママ放題をなんでもきいてくれていた。 いつからスイを狙ってたのか。 「もう男でもかまわないと思った」と言ってた。 スイを抱かないために男や女を抱いてきたとも。 小学生の頃にはみんなスイが決めたことに従わないと、幼なじみに色んな方法で「思い知らされる」ことを皆が知ってた。 親や教師にバレることはなかった。 一度だって。 明らかに幼なじみの仕業なのに、その姿を確かに見たものもいるのに、幼なじみにはいつも完璧なアリバイがあった。 そんな小学生有り得ない。 スイは自分の隣りに居たものに恐怖を感じた。 幼なじみは。 何なのか。 何にこの身体を弄られ喘がさせられているのか。 自分に執着しているアイツは何なのか。 幼なじみがいないからやっと冷静になり、それが更に恐怖となった。 だが、スイが本当に怖くなったのは、幼なじみに犯されて以来、初めて幼なじみから離れた夜だった。

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