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第15話

スイはかろうじて学校には行った。 だが、身体に籠る熱のようなものが発散できなくて。 せっかく幼なじみがいないのに、解放されているのに、イライラが止まらない。 家来達を蹴飛ばしたり、暴言を吐いたり、ジュースをかけたり、ものを投げつけたりした。 でも。 誰も逆らわない。 それは。 スイに逆らわないのではない。 今いない幼なじみを恐れている、といことも分かりすぎるほどわかっていて。 さらにスイはイライラする。 幼なじみが嫌いで仕方ない。 なのに家に帰れば、幼なじみにされたことをなぞるように自慰に狂い、でも足りなくてすすり泣く。 後ろにディルドを自分から突っ込んで、胸や女の穴を弄ってるなんて。 それでも物足りないなんて。 回数だけの射精は、不足感を高めるだけだった、 幼なじみは何の連絡もして来なかった。 でも。 家来達の存在が。 マンションの前で交代で見張る彼らの存在が。 幼なじみがスイを見張っているのだと教えていた。 6日目。 スイの身体は限界だった。 誰でもいい。 そこまで追い詰められていた。 あんなに嫌った女の穴を泣きながら弄るようになって、見るのも嫌だった胸を自分でもみあげ、乳首を弄って。 辛すぎた。 女の部分をうけいれられないスイには。 幼なじみはあえてそこを中心に感じさせているのだとわかっていたのに。 後ろの穴だけでイクことはあえて禁止されていることからも。 ペニスで射精させるのも幼なじみは大好きだが、そこだけの射精では物足りなくさせられていることもわかってしまった。 何もかもが、女の穴で幼なじみを受け入れるためなのだとわかっていた。 女の穴の中を犯し尽くして、中を満たすためだけに幼なじみはスイの身体をつくっている。 飲まされているピルを止める勇気は無かった。 妊娠など恐ろしすぎるからだ。 スイはその日、不完全な快楽しか感じられない自慰を止めた。 明日幼なじみが帰ってくるのはわかってた。 明日で1週間だから。 でも。 こんな飢えた身体で、宣言されたように後ろの穴も女の穴も犯されるのは嫌だった。 何よりそれに歓喜してしまう自分の身体が。 スイはすすり泣きながら、服を着た。 学生には見えない服を選ぶ。 幼なじみの思い通りになるものか。 スイは決めた。 幼なじみ以外とすることを。

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