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第17話
スイは意外に楽しんでいた。
なるほど。
相手を探している相手は分かるモノ、らしい。
スイは声をすぐにかけられた。
だからこそ、スイは傲慢な王様ーーたとえ飾りではあってもーーにすぐに戻った。
相手が選べるなら選べるに越したことはない。
フンと顔を背け、相手にならないことを示した。
それは久しぶりに優越感を感じられ、スイは声をかけれられ手酷く振ることを楽しんだ。
だが。
そろそろ本当に相手を見つけないと。
綺麗なスイに相応しい外見と、スイの言いなりに性行為をする相手が必要だ。
後の穴だけでスイをイカしてくれる男。
ホテルにはいかない。
いけば身体を色々調べられる。
この辺りでは裏路地で男が身体を繋いでいるという。
それでいい。
思い切り突き上げて、いつも途中で止められるアレをイクまでしてくれるだけでいい。
後ろだけでイキたかった。
あのいつも途中で止められるアレの行き着く先が知りたかった。
綺麗目の外見、何より幼なじみとは似てない、刃物のような鋭さなどどこにもない、甘い感じの男が気に入った。
言いなりになりそうなのも。
ホテルに行きたがったが、スイは路地でしたい、と囁いた。
その囁き方で、男が確実に自分に落ちたのをスイは確信した。
動くディルドだと思った。
スイは身体を寄せて男のペニスをズボンの上から触ってやった。
いつも挿れてるディルドよりは大きいけれど、熱くて脈打っていて。
良いディルドになると思った。
「後ろから思い切り突き上げて。準備は出来てるから」
スイは囁いた
男は生唾を飲んだ。
この男は。
良いディルドになる。
女の穴に気付きもしないで、突き上げるだろう。
スイはほくそ笑んだ。
男とスイは。
路地裏に消えていった。
だけどスイは。
その後を追いかけてくる影には気づかなかった。
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