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11.※キス、乳首責め
「葵人は、こんな所で⋯⋯いや⋯⋯」
何かと葛藤しているかのように視線をさ迷わせ、だが、「クソっ」と悪態をついているかと思えば、再び目が合った時は、決心をしていた。
まるで獲物を逃さんとばかりの肉食動物のようで、そんなギラついた目に、葵人も目が離せなくなっていた。
再び、唇を、だが今度は、壊れる物を扱うかのような優しい口づけ。
このキスを求めていた。
甘く痺れる感覚になっていき、病みつきになってきた葵人は夢中になって追い求めている間、下腹部に添えていた手を、合わせの片側をはだけさせられ、下着ごと触れられた。──だが。
「何、この下着」
一旦唇を離した碧衣は怪訝そうに見ていた。
胸が膨らんできた頃から女中に勧められ、女性物の下着を付けているのだが、今日は白地に、谷間に沿って天使の羽根のような刺繍が施されているのだが、乳房辺りは細かい網目状となっており、つまり胸全体が透けて見えている上に、乳首部分はスリットが入り、そこを割り開かれればいとも簡単に露出されるという物。
「こんな下着、今まで付けたことなくね? これじゃあ、元から俺のこと誘おうとしていたのか?」
「あ、いや⋯⋯っ、そうとも言えるけどっ! 浴衣の生地が白だから、透けるんじゃないかって、浴衣と一緒に用意されていたから、仕方なく⋯⋯!」
本当は図星だった。
発情した時以外、自分から誘ったことはなく、これでは見放されるのではと日々そう思えば思うほど、不安や焦りが募り、祭りで高揚した勢いで誘えばいいのだと思い至り、今日という日の為に、特に仲良くしている女中の人らとどの下着がいいかと念に念を重ねていたのだ。
慌てて言い訳をしているのが、よりそうなのだと思われはしないかと内心ヒヤヒヤしつつも、じっくりと見ている碧衣のことをじっと待った。
「──えっろ」
そう言った後、スリットを指で割り開き、外気に晒され、キスで反応し、ぷっくりと膨らんだ乳首を口に含み、舌で転がされる。
「⋯あぁ! んっ、あ、そんなに、舌で⋯⋯転がさない⋯⋯で⋯⋯っ」
そう言えば言うほど、舌先で飴を舐めるように執拗に舐め回される。
「んんっ! や、やだ⋯⋯っ、きもち、い⋯⋯っ」
顔が赤くなっていた葵人は腰が蕩けて崩れ落ちそうになるのを耐えつつも、その甘い痺れに酔いしれていた。
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