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第26話 カレー
自分がヴィーガン食をやっているので、そういうのを集めたサイトがあるのは知っていた。すぐにサイトにはアクセスできたが店は近くにない。浮かれている場合ではなかった。とりあえず携帯のマップを開いてランチで検索してみるがよさそうなものはない。一見動物性のものが入ってなさそうな、たとえばうどんでも、出汁で鰹節が使われてたり、てんぷらには卵がはいってるするからヴィーガン食はなかなかない。
画像をつぎつぎにスクロールさせていくとカレーの写真があった。
「カレー好きですか?」
「久しく食べてないけど、好きかな?」
内心でガッツポーズしてカレーの店の詳細をみると異国風のカレー店で、メニューを見るとベジタブルの文字があった。
「じゃあ、カレーにきまりで。インドとかネパール系のカレー屋さんはだいたいベジタブルやってるので、外で食べるときはおすすめですよ。意外とどこにでもあって、しかもまずはずれがない。デートとかだと雰囲気はちょっといまいちですけど」
今日、俺はデートのつもりだけど、いい年の男二人でいかにもな店は気恥ずかしい。どういう面でもカレー屋はちょうどいい気がする。雰囲気は決まらなくても、無理なくおいしく食べられるならベストチョイスだろう。
歩いて十分ほどみたいなので、マップを見ながら足を進める。
「わざわざ探させてすまない」
「ぜんぜん、俺、カレー好きですし」
「カレーはよく行くの?」
「そうですね、一人で入りやすしいし」
「ひとりって、本当に友達いないんだね。こんなに気のいい子なのに不思議だ」
「だから、こうして映画とか見に来れて嬉しいです」
「俺も嬉しいよ」
にこっとわらいかけてくれる。たらしだ。直哉さんこそ社交的な性格だし、たくさん知り合いがいそうなのに俺につきあってくれて、年下で友達いなくて本当によかった。
話しているとあっという間に黄色い看板にザ・インドというテイストの看板が見つかった。中にはいると、中も異国調で香辛料の匂いがする。店の人もしっかり異国のアジア系だった。
店についてメニューを開ける。ベジタブルカレーの中にも種類がいくつかあったけど、名前だけじゃなんのカレーかわからず二人でおすすめと書かれた同じものを選んだ。
「俺たまにこういうカレー屋いくんですけど、メニューぜんぜん覚えられないんですよね」
「わかるわかる。横文字ってむずかしいよ。そういえば、知花くんの店もカレーあったね」
「あっ、はい。あれも動物性由来不使用なので、今度よければ食べてみてください」
「うん、食べてみるよ」
とりとめのない話をしているとカレーがきた。ほうれん草系のカレーだったようで緑色だ。
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