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第52話 もっと

「もう駄目かもしんない、明日死ぬかもです」 「そんな、大げさな」 「ちょっと、直哉さん、もっとその、触らせていいただいてもいいですか?」 「だから、どうぞって、知花君にあげた身体だから好きにすればいいよ」 「あげた身体、好きに……」 破壊力高いワードが立て続けに来た。それだけで血がさっき暴発したばかりのとこに流れていく。 「すみません」 直哉さんにうつ伏せになって尻だけあげてもらった。買ってきたローションを手であたためてから、アナル周辺をマッサージする。緊張で引き締まっていたのがほどけてきたのをかんじて人差し指を滑り込ませた 「どうですか」 「うーん、ふつうに恥ずかしい」 「まぁ、そうですよね」 「あと背徳感かな、十も下の子に、下の世話さてるみたいな?」 「背徳感って、俺、もうすぐ三十ですけど」 「わかってるんだけど、知花君、弟よりも断然下だしね?」  しゃべりながら、指をニ本をいれてみる。リラックスしていたからかそこまできつくなくはいったけど、直哉さんの額には汗がにじんでいる。ふっと出す息はしんどそうだ。今日、無理に最後までしなくてもいいとは思ってるけど、触れる限り触りたい。 そのままぐりぐりと腹側をマッサージしていく。 「どうです?」 「なんか変な、ちょっと気持ち悪いような、いいような? あとなんか漏らしそう。これ大丈夫かな? 漏らしたら本当におじいちゃんなんだけど」 「萎えそうなこと言わないでください。ここ最初はもらしそうな感じする人もいるんで、大丈夫です」 「じゃあ、信じる」  手で呼ばれて顔を寄せると頭をかかえこまれキスされた。しっかり深いキスで、口の中が熱くて舌が絡み合う。その間、指はぬかるんだ中の圧をかんじていて、自分の下腹が痛い。  口が離れると直哉さんは俺の頬っぺたにキスをする。 「直哉さんキスするの好きですね」 「普通だと思うけど。知花君は嫌い?」 キスをするのが好きな人なんだと思ったけど、違うかもしれない。今までの男は遊びか同情だったからあんまりキスされなかったんだ。 「好き、もっとして」  キスをしながら、直哉さんのをいじる。直哉さんもキスが気持ちいいのか、身体がゆるんでいるようで、指は三本が入った。どうだろうか、いれられるだろうか。中はあったかくて、柔らかくて、できるならしたい。 「直哉さん、どう、きつい? もうやめときます?」 「まだ大丈夫、はいりそうならいれていいよ。俺は君が気持ちよくなってくれたら嬉しい」 直哉さんはそういうと、俺のをそっと触ってくれる。それは腹につきそうなぐらいたちあがっている。 「ありがとうございます。もうちょっとだけさわって様子見ます」  直哉さんの上に乗っかって、彼の背中を撫でたり、なめたりしながら、中をさぐる。気持ちよくなるのは難しいとしても、痛いとかしんどいと思われるのは嫌だ。いやすこしでも気持ちいと思ってくれたら、お尻の性感は向き不向きがあるし、せめて前がたてばそっちの性感でごまかせるのだけど。  そう思いながら指でまさぐっていると、なにか違和感があった。 「んっ」 直哉さん側でもなにかあったのか興奮の声が聞こえた。  わずかに固さを感じる部分を逃すまいといじり、前も触ってみた。前にも違和感がある。

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