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ハイスペックな彼氏⑧

「おい、水瀬。まだ外来終わらないのか?トロイぞ?」 「あ、すみません。あと三人で終わりますから」 「外来の診察は丁寧にやればいいってもんじゃないからな?昼飯は?」 「ま、まだです」 「アホが。午後の外来がすぐ始まっちまうぞ?」 「すみません。急ぎますから」 「飯くらい食わないとぶっ倒れるぞ」 「はい。すみません」  また叱られてしまった……俺は大きく息を吐く。  つい、受診について来るお母さんの話をじっくり聞いてしまうから、診察が定時に終わらないんだ。隣の診察室の成宮先生なんて、とっくに午前中の外来診察が終わってしまっているのに。 「何で俺はこんなに駄目なんだろう」  机に突っ伏して頭を掻きむしる。  そんな俺は気付いてなどいなかった。  机の片隅に、缶コーヒーと、俺の大好きな焼きそばパンがそっと置かれていたことに。 【ハイスペックな彼氏 END】

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