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離れ離れの夜に②

「葵……声出すなよ……」 「あ、あぁ……駄目ぇ……そこは……」  突然下着に手を差し込まれて、いつも成宮先生を受け入れている場所をいやらしい手つきで撫でられる。成宮先生の唾液で濡れぼそった長くて細い指は、クパッと孔を開いたりクルクルと擽ったりはするものの、中には入ってきてはくれない。  指で中を掻き回して欲しい……体が切なく疼き、無意識に腰を振り成宮先生の指を咥えこもうとするのに、もう少しの所で指はスルりと逃げて行ってしまう。 「なんで……指入れて……」 「だって、誰かに見られたら困るんだろ?もうこんなに蕩けた顔して……葵はエッチだなぁ」  あはははは!その瞬間、ナースステーションの方から笑い声が聞こえてくる。  何をやっているんだろうって、残された冷静な自分が警笛を鳴らしている。誰かに見つかったら、本当に洒落にならない。成宮先生も俺も、もうこの病院にはいられないなもしれない。  でも、でも……。 「お願い、千歳さん。声出さないから、指入れて?」 「葵……」 「俺、いい子に声出さないように頑張るから。気持ち良くして?いい子にするから……」 「お前……それは反則だろ……」 「お願い」  耳元で成宮先生の溜息が聞こえた瞬間、チュプンと後孔に指を差し込また。 「あぁ……!はぁ……あ、あッ!」  待ち侘びた刺激に、全身が歓喜にブルブルと打ちひがれる。体が大きく仰け反り、更なる快感を求める腰は無意識に上下に揺れてしまった。  俺が腰を動かす度に、クチュクチュという音が静かな室内に響き渡る。遠くではナースコールが鳴っていて、パタパタと忙しそうに走る足音も聞こえてきた。  こんな朝っぱらから、しかも職場で何やってんだよ……と本当に馬鹿らしくもなるけど、そんな背徳感が快感を助長して行く。  チュッチュッと貪るようなキスをして、隙間がないくらい抱き合って、俺達は成宮先生の呼び出しのPHSがなるまで、甘い時間を過ごした。 「エロい尻だったけど、浮気はしてなかったみたいだな」  トロトロに蕩けた俺をみて、成宮先生が満足そうに微笑んだ。

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