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暑中お見舞い申し上げます①
暑中お見舞い申し上げます。
炎暑ことのほかきびしい中、皆様お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますか?
日頃よりいろいろとお世話になりながらも、ご無沙汰してしまうことが多く申し訳ございません。
おかげさまで僕と成宮先生は、相変わらず元気に暮らしておりますのでご安心ください。
この暑さはまだしばらく続きそうです。皆様くれぐれもご自愛くださいませ。
「暑いーーー!!」
朝目が覚めた瞬間、まず呟いた言葉がこれだ。
昨日は命に関わる位の猛暑で、熱帯夜になるって巨乳のお天気お姉さんが言ってた。
病院は室温のコントロールされているものの、赤ちゃんがいる小児科病棟は設定温度その物が高い。動いていると汗が吹き出してくる。
加えて、夏は感染症がやたら流行るし、夏休み目掛けて検査入院をしてくる子も多いから病棟は満員状態だ。忙しくて、休む暇さえない。
隣の熱い物体に視線を移せば、汗をかきながら俺にしがみついて寝ている、一糸纏わぬ成宮先生だった。
「んん……暑い……」
暑いと言いながらも更に俺にくっついてくる。
イケメンは汗をかかないのだろうか?というくらい成宮先生は汗をかかない。俺が汗にまみれ臭くなったとしても、成宮先生の周りはいつも高原を駆け抜ける爽やかな風が吹き、ミントの香りで包まれている。
そのくせ、セックスの時だけ汗をびっしょりかいて……一生懸命抱いてくれてるんだなって思えば、異常に興奮してしまう自分がいた。
成宮先生はエアコンが苦手らしく、室内はいつもぬるーい空気が漂っている。だから暑くて仕方ない。
そんな俺を見た成宮先生は、
「暑いなら洋服脱いじまえよ?」
とニヤニヤしながら俺を裸にしてしまう。
そしたら、もう大人しく食われるしか俺には残されていない……昨夜だって。
「千歳さん、もう起きますよ」
先程から鳴り続けているスマホのアラームを止めながら、成宮先生の体を揺する。
「ん、んん……」
昨日、夜遅くに帰ってきたから疲れているんだろう(その後散々エロいことしたし)。駄々っ子のように顔を顰めた。
腰に回された腕から何とかすり抜け、散乱した洋服を身につける。今日は俺が朝ご飯を作ろう。
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