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暑中お見舞い申し上げます④

 帰りにスーパーへ寄れば、鰻が所狭しと並んでいた。 「夏と言えば鰻なんだなぁ」  そう考えれば鰻が食べたくなってしまい、買い物カゴに鰻を放り込む。 「へぇ、鰻か……」  ビールをカゴに入れながら、鰻を見つけた成宮先生がニヤリと笑った。 「葵、鰻なんか食って精力付けようって?」 「はぁ!?べ、別にそんなこと思ってないですけど」 「昨日もやったのに、葵はやらしい子だなぁ」  そんなことを言いながら、俺の手からカゴを取り上げると嬉しそうにレジへと向かって行った。  駐車場からマンションに着くまで、辺りが真っ暗だったからそっと手を繋ぐ。  マンションのエレベーターに乗り込んだ瞬間、 「葵」  名前を呼ばれてギュッと抱き締められた。 「ずっと葵に触れたかった」  成宮先生がふわりと微笑んだのを合図に俺は静かに目を閉じる。フニッと唇に温かくて柔らかいものが触れた。  待ちに待った成宮先生とのキスに心が甘く震える。 「やっぱり暑くて仕方ない……」  エレベーターが目的地に着くまで、秘密のキスは続いた。 「せっかく鰻を買ったんだからひつまぶしにするか」  夕飯は成宮先生が作ってくれるらしく、エプロンを付けてキッチンに立っている。その姿があまりにもかっこ良くて、俺は背中から成宮先生にしがみついた。  綺麗に括れた腰に腕を回して、ギュッと力を込める。 「ふふっ。甘えん坊の葵だ」 「だって、千歳さん……かっこ良過ぎる」 「すぐに夕飯にするから、それまでくっついてろ」 「はい」  成宮先生がリズミカルに包丁を使うのを、俺は横から覗き込む。早くできないかな……ってドキドキしながら。 「でも、やっぱり家も暑いじゃん」  大きな溜息をついてから、成宮先生の逞しい背中に顔を埋めた。  それから一緒にお風呂に入りながらイチャイチャして、ソファーに座りながらアイスを半分こする。  俺の膝を枕にしながらスマホを弄る成宮先生の髪を撫でながら、 「風呂上がりってなんで暑いんだろう……」  と、どっと疲れが込み上げてきたような気がした。

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