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意地悪なのに、優しい人①
「くっ……あ……はぁはぁ……」
「あ、あぁ!!」
成宮先生の熱い果実が、自分の中で弾けたのを感じる。
俺の中で成宮先生から熱い精が放たれる度に、彼の体がビクンビクンと体が大きく跳ね上がる。
その刺激で、思わず俺は成宮先生自身をキュッと咥え込んだ。
「はぁはぁ……葵……」
「ん?」
「可愛い……可愛い……」
荒い呼吸を整えながら、成宮先生がフワリと微笑む。
久しぶりに見るその笑顔に、俺の胸はキュンと締め付けられた。
先生と付き合ってまだ一年もたってないのに、一体何度体を重ね合わせたんだろう……ってくらいの頻度で、成宮先生は俺を求めてくる。
医師の勤務はとてもハードだ。よくそんな体力あるなぁ……って、感心してしまうくらいだ。
「もう、駄目だ。眠たい」
「え?ちょっと!?」
俺に覆いかぶさっていた体がバランスを失い、そのまま倒れ込んできたから、必死に成宮先生の体を受け止める。
耳元からは、スースーという規則正しい寝息が聞こえたきた。
「ちょ、ち、千歳さん!!寝るなら、お願い抜いてからにして……!!」
俺の中には、まだ強度を保ったままの成宮先生が入っていて、成宮先生が無意識に体を動かす度に、敏感になった体がピクンピクンと反応してしまう。
「あ、んぁ……はぁ……千歳さん、抜いて……」
俺は息も絶え絶えに成宮先生の体を退かし、チュプンと成宮先生を抜き去った。
「ッあ!あぁ……!」
その刺激に、つい甘い声が漏れた。
「千歳さん……?」
そっと顔を覗き込めば、とても気持ち良さそうな顔をして眠っている。その寝顔が本当に安心しきった顔をしているものだから、思わずその髪を優しく撫でた。
きっと、この人がこんな無防備な姿を晒すのは、きっと俺だけだ。
そう思うと愛しくなってくる。
あの小児科病棟の若きエースが、今、俺の腕の中にいる……こんな何の取り柄もない俺が、成宮千歳を独占してるんだ。
それは、何ヶ月成宮先生と一緒にいても不思議に感じるし、いくら考えても答えなんて出るはずもない。
ただ、俺はこの人に愛されている。
それは紛れもない事実だ。
俺は、そんな幸せに小さく身震いをする。
いつもは先生が俺を抱き締めてくれてるんだけど、今日は俺が成宮先生を抱き締めた。
フワリと顔をくすぐった成宮先生の髪からは、甘いシャンプーの香りがした。
「先生の経験人数って、何人くらいなんだろう」
成宮先生の頭をギュッと抱き締めながら呟く。
「100人とかだったらどうしよう」
俺は一人で想像して、勝手に身悶えた。
「なんでこんなにハイスペックな人が、こんな俺なんかを好きになったんだろう」
小さく欠伸をしながら、成宮先生の髪に顔を埋める。
疲れて寝てしまうくらいなのに、俺を抱きたがるなんて意味がわからないし。
「なんでだろう……」
少しずつ睡魔に襲われて、俺は目を閉じる。
ただ、この意地悪なのに優しい腕が、俺は大好きだった。
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