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名前を呼んで・・・④

 朝の眩しい日差しに目を覚ます。夏の日の出は早くて、5時だっていうのにもう昼間みたいに明るい。  体は凄く怠くて、散々喘いだせいか喉がヒリヒリする。今日が休みで良かった……と心の底から安堵した。  隣を見れば、穏やかな寝息をたてて眠っている成宮先生がいる。俺はギュッと抱き締められたまま眠っていたらしい。ずっと抱き締めくれてたんだ……そう思えば擽ったくなった。 「千歳……」  そっとサラサラの前髪を触る。 「千歳、大好き」  ポツリ呟けば、目の前で寝ていた男の瞳がパチッと開かれた。あ、また狸寝入りだったんだ……そう思った俺は眉を顰める。 「呼び捨てなんて、随分出世したじゃん?」 「え?」  成宮先生の髪を撫でていた手をギュッと握られて、意図も簡単に組み敷かれてしまった。 「だ、だって昨日は……」 「昨日は昨日。セックスしてるときは特別なの」 「そんなぁ。ご、ごめんなさい」 「駄目だ、許さねぇよ」  耳元で囁かれるだけで、昨夜の余韻が残る体は簡単に火照って行った。 「ごめんなさい」  ギュッと目を瞑って謝ることしかできない。  所詮俺は、あなたのお気に召すままに動くしか手段なんてないのだから……。 「じゃあ、またねだってみろよ?ここ、まだ柔らかいんだろ?」 「あぅ、はぁ……」  触れられるだけで、トロトロと愛液が溢れ出す後孔をキュッと押される。それだけなのに、俺の体はもう目の前の恋人を求めてしまった。  昨夜、あんなにしたばっかなのに……。 「『千歳、また抱いてって』言ってみろよ?」 「そんなぁ……」 「ほら、葵……」 「ふぇ……意地が悪い……」  あまりにも意地の悪い成宮先生に涙が出てくる。  本当にあなたは、どこまでまも自分勝手でワガママで……俺のことを玩具くらいにしか考えていないはずだ。  なのに、俺を見下ろす成宮先生は悔しいくらいにかっこいい。 「葵……お前、本当に可愛いな。愛してる」  俺の涙を唇で掬いながら囁かれても、成宮先生の腕の中から必死に逃げ出そうとしていた俺には、そんな言葉は届くはずなんてない。 「可愛い」  もう一度、今度は聞こえるように囁かれて、俺は成宮先生を見上げる。その表情は本当に幸せそうで、なんでだろう……胸が締め付けられる。 「千歳……もっと言って?」 「ん?」 「千歳……可愛いって、もっと言って?」 「はいはい。葵のお気に召すままに」  そのままフワリと抱き締められて、優しく唇が重なる。昨夜キスし過ぎた唇は、ヒリヒリとして腫れぼったかった。  そんな成宮先生に、朝から美味しく召し上がってもらったなんて……言うまでもないでしょ? 【名前を呼んで・・・ END】

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