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クリスマスに浮気をします【番外編】

 ⛄数時間後のお話⛄ 「兄貴はさ、葵さんと仲直りしたの?」 事後の気怠さを纏った成宮先生が誰かと電話している 。話す口調から、咄嗟に智彰かな……って思う。 「ん? 仲直りも何も、葵は全然悪くないよ。俺が全部悪い」  眠いのか、くはぁ……なんて大きな欠伸をしている。 「葵さんを放っとかにほうがいいぜ? 多分、すぐに浮気相手なんか見つかるから」  それを聞いた成宮先生がが一瞬反応を見せる。 「もしかして、あいつ、智彰んとこに『浮気しよ?』なんて来たりしたのか?」 「来たよ……抱いてって泣かれたわ」  それを聞いた成宮先生が目を丸くした。 「あっ、何もしてねーよ! でも、ぶっちゃけ心が揺れた……あの人に迫られて、断れる男はマジで貴重だよ」 「あったり前じゃん。俺の猫は可愛いんだから。抱いてみろよ? 癖になるぜ?」 「止めろよ、照れるだろうが……」 「嘘だよ。貸してなんかやらねーよ? 誘われたとしても、絶対手を出すなよ」 本気で照れているであろう智彰に、成宮先生が悪戯っぽく笑いかける。 「俺さ、やっぱり葵がメチャクチャ好きだわ」 「そんなに大事なら、ずっと離さないで傍に置いとけよな!」 「あぁ。もう絶対離すもんか……これからは、あいつをメチャクチャ大切にする」 「はいはい、ご馳走さまです。でも、俺も今年は楽しいクリスマスになったよ」 「へぇ、そっか」 「うん。悪くなかった……かな?  智彰の幸せそうな声が聞こえてくる。 「智彰も、メリークリスマス」 成宮先生がいつもみたいに、優しい優しい笑顔を見せた。

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