88 / 113
6-17※兜合わせ
「⋯⋯しおんにぃ、今から何をしようとしているんだ⋯⋯」
「これなら、一緒に慰められる」
「一緒に、って⋯⋯あぅ⋯⋯っ」
ゆっくりと、紫音は手を動かし始める。
それだけでも、熱を帯びた紫音のが密着しているのもあり、興奮が冷めなく、その証拠に先から蜜が溢れ、ぬちぬちといやらしい水音が、二人の乱れた息と混ざり合う。
「はぁ⋯⋯ふっ⋯⋯あ、しおん、にぃ⋯⋯っ、変なっ、変な⋯⋯感じが⋯⋯っ!」
「⋯⋯気持ちいい、のか⋯⋯っ?」
「気持ち⋯⋯いい⋯⋯? きもちいいっ! きもちいい、のかも⋯⋯! 一人で⋯⋯あっ⋯⋯する、よりも⋯⋯っ! ⋯⋯もっと、触って! 」
「一人で⋯⋯っ! そんなことを言われたら⋯⋯っ、してあげるに決まってるだろっ!」
「あぁッ!」
紫音の大きな手が激しく上下に動かされ、自分の意思とは裏腹に嬌声を上げてしまう。
こんなにも大きな声を上げ続けていたら、今度こそ誰かに気づかれてしまうのに、気持ちよすぎて声が我慢出来ない。
だったら、せめてもと紫音のブレザーの袖辺りで口を塞ぐ。
その時、ふんわりと匂いが漂った。
紫音の匂いだ。それが鼻腔をくすぐる。
普段であれば安心するだけの匂いのはずなのだが、状況が状況であるからか、興奮する材料となり、そして、腹の奥から波が来るのを感じた。
「あぁ⋯⋯っ! ん! イッ、ちゃい⋯⋯そ⋯⋯! しおん、に⋯⋯っ!」
「はぁ⋯⋯あぁ、⋯⋯俺もそろそろ⋯⋯っ! イッ⋯⋯くぅ⋯⋯っ!」
「あっ、そのまま⋯⋯射精し、た⋯⋯らっ、イくっ!」
汚れてしまう。
そう思った直後、紫音が着ていたカーディガンが二人の震えている自身を覆い被さる。
ダメ、そんなことをしたら…⋯!
しかし、そう思っている時はもうすでに遅く、放たれた精をカーディガンが受け止めた。
ともだちにシェアしよう!