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6.※前戯
解してあげるからと、ベッド上に四つん這いとなり、臀部を紫音に晒す形となったが、肌の露出が増えたことにより、小さく震えた。
萎みを紫音の指で拡げられているのもあるかもしれないが。
「あ······っ、ふ、···ん······っ」
「苦しい···⋯よね。もっと解さないと、朱音が後々痛い思いをするから、ちゃとしたいのだけど······。やっぱり、止める?」
「やだ」
引き抜こうとする指を引き止める声を上げた。
「だって······ずっと、こうしたかった。だから、早く」
「うん。······けど、無理しないでね」
案じる声で言った後、紫音の指が挿 るのを感じ、呻くような声を上げた。
紫音のことを想像しながら、自身の指を挿 れたことがあったが、それでもまだきつく感じる。
これで音を上げてしまったら、脳裏に浮かぶ文化祭の時に見た紫音の熱なんて、先しか挿 らない。
「······あ、は···ぁ。しお······っ」
ぐちゅ、くちゅと、ローションを絡めた指が出し入れされる度に淫らに奏でられ、それも相まって、萎えていた熱が再び灯る。
が、紫音に履かされた布地の少ない下着に阻まれ、窮屈に感じ、今にも脱ぎたくなった。
同時に、このような格好を後ろから見られていると思うと、紫音の指を挿 れている箇所に力が入った。
「朱音、急にどうしたの。何だか欲しがっているみたい」
「······っ、今さら、恥ずかしい格好を、紫音に見せていると思って······」
「色んな姿を僕に晒して」
そう言うのと同時に、撮る音が聞こえ、ハッと紫音の方を向くと、携帯端末を向けていた紫音が再び撮ってきた。
「しお······っ、んッ!」
突如、さっきよりも深く挿 れられて、さらに出し入れがやや激しくなり、連写してくる。
「あっ、あっ! んッ、しっ、しおっ、はぁ、はげしっ! んんッ!」
ビクッと、大きく体が跳ねた時、達した。
すぐには気づけなくて、ややあって漏らしたような感覚で、どことなく射精 したのだと、理解した。
「指でも乱れるかと思って、つい······」
ベッドに身を預け、呼吸を整えていると、ぽろりと流れた涙を紫音が指先で受け止めた。
「······きもち、よかった···っ」
頬を触る紫音の指に擦り寄せた。
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