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第21話 蓉※

水たまりの中をバシャバシャと走り、蓉を見つけ、捕まえた後は腕からするりと逃げ出さないようにと、合鍵をまた渡し合い、海斗とはあれから毎日一緒に過ごしている。 「セックスはまだしないよ?恥ずかしいことをしようね」と、海斗から堂々と宣言された通り、息が止まるくらいの甘ったるく、熱い日を二人で数日過ごしている。 海斗がいう『恥ずかしいこと』とは、今まで蓉がしてこなかったことであった。 性欲が人よりも強いため、バイブを使ったオナニーまで蓉はひとりでしていた。偶然にも、その遊びを海斗に知られてしまったことで、蓉の性欲を満たすためにと、海斗からセックスを提案され受け入れていた。 その海斗とのセックスは相性が良く、最高に気持ちがいい。性欲は十分満たされていた。 だが、キスやハグといったものは必要なかったため、蓉は海斗に「キスや抱き合うことはするな!」と常にセックス中は伝えていた。 だから海斗から言われた『恥ずかしいこと』とは、今まで避けていたキスと素肌で抱き合うことだった。 今までの性生活とは逆転した。あの水たまりの水を全身で浴びた日から、ここ数日間はお互い服を脱ぎ捨て、裸になり、二人一緒にベッドに入り、セックスはせず、抱き合いキスだけをして過ごしている。 海斗は唇から首筋、腕、胸、腹、尻、最後は足までと、蓉の全身にキスをしてくる。キスをしながら嬉しそうに「好きだよ」と何度も呟いている。 初めて受けた海斗からの愛撫は気持ちがよかった。だけど蓉は、気が狂うような甘ったるい愛撫と優しく扱われることは初めてであり、どう対応していいのか困ってしまう。気持ちがいいが、慣れていない行為は、蓉にとっては気恥ずかしく感じてしまう。 キスをして抱きしめられることは気持ちがいいが、それと同時に酷い仕打ちだと感じてもいる。生殺しとはこのことだろう。 優しく身体や髪を撫でられ「好きだよ」と延々と伝えられる。キスを繰り返すと、気持ちが昂り、身体の火照りが止まらない。 気持ちのいい愛撫を海斗はしてくれるが、セックスとは違い、達くことを許されていなかった。 毎日ありったけのキスを全身に受けているので、最後はグッタリとし、疲れて寝てしまう。気持ちと身体の両方に、熱がこもり続けている。 それに、毎朝シャワーを浴びたあと、キスマークが身体に増えていくのを鏡で確認していた。 首筋や手首などにつけられたキスマークは、スーパーで働いている間も見えてしまうのではないかと、ヒヤヒヤする程だった。 乳首にキスをされたり、足の付け根にキツくキスをされると、気持ちがよくて、それだけで勃起してしまう。二人でベッドの中にいる間、蓉はずっと勃起しっぱなしの日が続いている。 だけど海斗は勃起した蓉のペニスを触ってくれない。触られない勃起した蓉のペニスからは、たらたらと先走りだけが、少しずつずっと出るのが続いている。 海斗のペニスも、もちろん勃起していた。大きな身体の海斗はペニスも大きい。それを見せつけるように、先端からダラダラと流れる海斗の先走りは、蓉の腹の上にボトボトと落としてくる。 蓉は堪え切れず、ペニスを後ろに入れて欲しいと海斗にお願いするも「まだダメ…もうちょっと」と笑いながら、蓉のお願いを却下する。 「ベッド中でセックスしないで、こんなことばっかりされるの恥ずかしいでしょ?お仕置きだからね。もう俺から離れないでよ?」 そう海斗は言い、飽きることなく楽しそうに蓉の全身にキスをし続けている。 そんな『恥ずかしいこと』が続き、少しの刺激でも蓉の身体は敏感になっていった。たった数日だが、海斗によって蓉の身体は変えられてしまったように感じる。 今では、海斗の唇で触れられた場所の肌が泡立ち、自分でも恥ずかしいくらいの声を上げてしまうようになった。 あれからずっとこんな日を過ごしている。 「か、海斗…?もう、ダメ?こんなに何日もされて…頭がおかしくなる…」 ペニスに手を伸ばし、扱き上げて射精したいが、海斗がそれを許してくれない。お願いをしても、笑って却下され、またキスをされてしまう。 仕事をして、家に帰り、食事をする時間以外はずっとベッドの中で焦らされ続けているから、火照ったままの顔で仕事に行き、スーパーの従業員の人たちからは「蓉くん、熱がある?」と心配されることもあった。 「うーん…わかった?もう、絶対変なこと考えないで?またやったら、同じようにするよ?お仕置きするよ?」 お仕置きと海斗は言う。恥ずかしいことがお仕置きになるなんて。気持ちいいのがずっと続いているのがお仕置きだなんて、そんなの聞いていない。でも、お仕置きという名前がピッタリだとも思う。 明日は土曜日だ。 週末は二人共休みだ。週明けの月曜日から蓉は本社に出勤となる。 このままの状態で本社に行くのは難しい。身体の火照りが日に日に強くなっているのがわかる。 「先輩、好きだよ…ずっと好きだった。やっと、俺のところにきてくれた。絶対、離さないからね」 「はあっ、ああ…っ、ううんっ、はあ…」 乳首にキスをされ、舌で押しつぶされる。気持ちがよくて、蓉は吐息や喘ぎ声だけを上げていた。 「先輩のここ、かわいいよね…ここ好き?毎日舐めてたからちょっと大きくなっちゃったかな…ねぇ、教えて?気持ちいい?」 キュッと両方の乳首を引っ張り上げられる。さっきまでキスをし、舌で舐め回わされていた乳首を、今は少し乱暴に指で摘み、海斗はグリグリと引っ張っている。 舐め回された乳首はヒリヒリと少し痛いのに、いつの間にか性感帯になっていたのか、痛いのに気持ちがよく、急に射精感が強まってしまった。 「やぁぁっ、イク…ああ、っっん、」 タラタラと先走りだけを溢し、何日も張り詰めていたペニスからビュッと精子が溢れてしまった。海斗に乳首を引っ張り上げられた刺激で、ペニスを触ることなく蓉は射精してしまった。 「先輩?ごめん!やり過ぎた?」 「はあ、はあ…はぁ、お前が…いじわるするから…もう堪えられなかった…バカ」 腹の上にかかった蓉の精子の後始末をしている海斗を、蓉は睨んで言った。 ペニスを触らずに達ったのは初めてだった。後ろも触らず、ひとりですることもなく出してしまったのには驚く。乳首を触っただけで射精してしまうなんて、恥ずかしい。何日も出していなかったから、あっという間に射精してしまった。 やっと射精できたが、なんだかまだムズムズとしていて物足りない。この後もお仕置きを続けられたら、本当に身体がおかしくなってしまう。 海斗の方を見ると、ベッドの下からゴソゴソとローションとコンドームを出しているのがわかる。 「俺も限界だよ…先輩にお仕置きしてたけど、エロい顔をずっと見せられてるから、会社で思い出すこともあった。抑えるのが大変だった」 海斗はローションを手に取り、蓉の後ろに塗りつけ始めた。この行為は知っている。 ずっと前は毎日やっていたことだ。 期待をしてしまう。胸がドキドキとし、蓉のペニスはまた勃ち始めていた。 「海斗…?もう入れてくれるのか?もう、お仕置きしない?」 「ゔっ…そんなかわいい顔で言わないでよ。俺、ヤバいかも…久しぶりだからゆっくり解したいんだけど」 ゆっくりと、海斗の指が蓉のうしろに入ってくる。 久しぶりだ。 好きな人とするのは初めてだ。

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