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第26話 海斗※

「…でね、お前は腹黒だもんなって言うんだよ?春さんが。俺さ、腹黒じゃないよね?ねえ、聞いてる?蓉さん」 「聞いてる。それより、上手くいったのか?仕事の方は」 春と居酒屋で食事をしてホテルに帰ってきた。風呂に入り、蓉にようやく電話ができると、張り切って電話をしたら、蓉も待っていてくれたようで嬉しくなり、ペラペラと浮かれて話し始めてしまっている。 「仕事?上手くいったよ。問題ないよ、大丈夫。契約も結んできたし」 「そうか、よかったな。お前、すげぇよな、やっぱり。陸翔のやり残しもスイスイってやっちゃうもんな」 「ねぇ…それさ、春さんにも言われた。だけど、本当は嬉しくないよ、それ。陸翔のやり残しっていうか、尻拭い?みたいなことでしょ。俺はそれだけやってるわけじゃないし、陸翔が絡まない仕事の方が、もちろん普通にスムーズだからね」 毎日一緒に暮らしているのに、少し離れただけで声が聞きたくなるくらい、どうしようもなく蓉のことが好きだ。 「あははは、知ってるよ、そんなこと。海斗が考えて仕事してることだって知ってる。あれもこれも出来るのは凄いことだろ」 蓉の声が聞こえる。電話だから耳元に蓉を感じる。ベッドで抱きしめているようだ。電話口から聞こえてくるのは笑い声なので、それも安心する。 「蓉さん、会いたい。早く明日にならないかなぁ…」 「…お前、何言ってんだ?変わらないな、毎日一緒に暮らしてるのに」 ちょっと照れたように言う蓉が可愛い。 姿は見えなくても、声でどんな感じで照れてるかわかるくらいに、相手のことを知るようになった。 「…勃ってきた。声聞いたら勃ってきちゃった」 「はああ?お前のスイッチはどこで入った?海斗は、性欲もバケモンだもんな。明日なっ!明日、週末だし。帰ってきたらな」 「やだ。今ちょっとだけいじってよ。ねぇ、蓉さん、」 えっええ……と、蓉が戸惑っている気配が伝わってくる。 蓉は三大欲求の全てが強いので、性欲も強い。初めて蓉の部屋に上がり込んだ時は、ベッドの上にバイブが転がっていて、ものすごくびっくりした。 誰か女性と一緒にいるのかと思い焦ったが、転がっているバイブは蓉の物で、蓉が使っているとわかった時、安心した。 「蓉さんがさ、ベッドの上で玩具使ってるって知った時、俺…めちゃくちゃ興奮したんだからね。俺の好きな人が、バイブ使ってオナニーしてるって…ああ、思い出したらもっと勃ってきた。扱いていい?」 もうこの話は何度もしているが、蓉のオナニーを知った時のことを話すると、電話口で蓉が慌てている。その様子がわかる。 「お前…バカ…もう、なに言ってんだよ」 「蓉さんだって勃ってるはず。わかるんだから。前は触っていいよ?だけど、うしろは触っちゃダメ。玩具も使っちゃダメだからね。明日、そこに俺が入るんだから、今日は手で前だけ触っていいよ」 知ってる。 戸惑いながらも海斗の言いなりになってくれる蓉のこと。 「…んっ、ふぅ…」 「電話だと小さな声も聞き漏らさないね。興奮しちゃうな、蓉さんの声。明日も仕事だからオナニーは一回だけだよ。だけど、明日の夜はいっぱいセックスしようね」 「うん…」 耳を澄まして電話からの音に集中すると、蓉の小さな喘ぎ声と、クチュクチュとペニスを扱いている音が聞こえてくる。 海斗も下着を脱ぎ捨て、反り返っているペニスを掴み扱き始めた。 「ああ、ヤバい。蓉さんの声聞いてるだけで、イキそう…俺の、ガチガチですごいことになってるよ。早く蓉さんの中に入りたいなぁ。明日、興奮して余裕なかったらごめんね?ああ…気持ちいい」 ワザと聞こえるように音を立てて海斗はペニスを扱く。蓉が興奮してきているのが電話口からエロく伝わる。 「あっ、っ、ああ…ああっ、んんっ」 「こら、()った?()っちゃったでしょ?ダメだよ…俺がまだなんだから。何を想像して達ったの?言って?」 電話でこんなことをするのは初めてだけど、これはこれで興奮するなと海斗は思っていた。 「えっ…それは…お前の、お仕置き…」 お仕置きをネタに射精したと素直に言う。本当に蓉はかわいい。 「あれか…焦らされるの好きだもんね、エロいなぁ。じゃあ、乳首いじって。左だよ、左の乳首を自分でいじって」 蓉はまた、戸惑いながらも海斗の言う通りにしているはずだ。蓉が左の乳首が好きなことは二人の中ではよく知られていること。 「蓉…声は我慢しないで聞かせて」 「はっ、ああ…ん、っんあ、」 蓉と、呼び捨てにしスイッチを入れてあげると声を出している。海斗のペニスからは、堪え性のない先走りがダラダラと溢れている。 「蓉、乳首いじりながら、俺におねだりして。何して欲しいか教えて。左の乳首好きだろ?俺も好きだよ、ちょっとプクって大きくなってきてるところとか。恥ずかしいからもう誰にも見せられないね。ほら、言って?おねだりしてみて」 海斗のペニスを扱く手も速くなってくる。グチャッグチャッとペニスを扱く音を出す。ひとりでするのは久しぶりだ。蓉と一緒にセックスをしているから、オナニーをすることはなかった。 「うしろから…挿れて欲しい」 「うしろからね…あとは?ああ…やべぇ、俺のすげぇダラダラになっちゃった。っ、イキそう…蓉、教えて、あとは何して欲しい?」 「…ゴム、つけないで欲しい」 「明日?いいよ。蓉は中に出されるの好きだな。だけど、ゴムつけないと気持ちよくてすぐ達っちゃうから、何回もしちゃうんだよなぁ。蓉?乳首いじってる?乳首だけでいける?」 「いけない…乳首だけじゃ、無理…」 「そうだよなぁ…中に挿れて乳首抓るとイけるけど。明日、蓉の中の浅いところを何度も擦ってあげるよ。好きだろ?浅いところ」 はあ、はあと蓉の息づかいがよく聞こえる。キスをしたいが、出来ないのがもどかしい。 「やだ…深いところがいい。深いところに…奥まで入れて欲しい。海斗…擦っていい?もう、堪えられない」 蓉は、言いつけを守り乳首だけをいじっているようだ。きっとペニスは硬く勃起させ、タラタラと先走りを垂らしているのだろう。想像がつく。 「いいよ、擦ってオナニーして。乳首は明日キスさせてよ。ああ…俺もイキそう。蓉が気持ちいいのに我慢してる声に興奮する。蓉の中に出したい」 ベッドの上にいるのがわかる。微かなベッドの軋む音、シーツの掠れた音、蓉の吐息が電話口から鮮明に聞こえる。 「海斗…イキそう。あっ、んん…ダメ。イってもいい?」 射精しそうだ、イってもいいかと素直に確認する蓉に、海斗は更に興奮してしまう。 「ああ…俺も…イキそう。あ、くっ…ヤバい、出すよ」 「んんっ、んっ、はあ、はあ…イクっ」 これは。こんな二人だけの秘密のようなことは。エロすぎる。 同時に果てたのがわかった。明日、会ったら抑えられないだろうなと確信する。 「気持ちいい…いっぱい出ちゃった。明日、めっちゃ盛ったらごめんね。こんなにエロいことされたら俺、止めるタイミングが見つからないと思うんだよね」 「お前は…もう。明日、帰ってくるの待ってるから」 蓉がデレてる。蓉は意地を張ったりはせず、素直に思ったことをいつも言う。 「蓉さん、好きだよ。俺、本当にあなたのそういうところ好き。俺もいつもそうありたいと思ってる。嘘がなく素直なところ」 「海斗…チンコ出して言うことじゃないだろ、それは。はやくしまえよ、チンコ。出しっぱなしだって、わかってるぞ?」 「もう、ムードないな!俺はもう一度シャワー浴びてくる。蓉さんはちゃんと寝てよ?じゃあ、明日ね。あっ、一度会社によるけど、帰りは別々だね」 「ああ、うん、わかった」 もう一度、大好きだよと蓉に伝えると、俺も好きだと答えてくれた。 電話を切ってもう一度シャワーを浴びる。ホテルの風呂は家の風呂より更に狭い。 はやく大きな風呂のある部屋に引っ越しをしなければと、海斗は考えている。

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