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第31話 海斗※
「ちょ、ちょっと…まて、海斗!おい、待てって…」
「ダメ。待たない。なんで断らなかったの?また忙しくなるじゃん…」
会社の退勤時間が一緒になったから、買い物をして家まで蓉と帰ってきた。
今日はこっちだよと、蓉の部屋に直行する。合鍵は持っているので海斗が開けた後、玄関で蓉を後ろから抱きしめていた。
こっちだよと言ったんだから、どうなるかはわかっているはずなのに。
「な、なにが…何の話だよ」
「だから、レジのシステム改修の話。次のフェーズもやるの?兼務なんて忙しくなるじゃん。身体が心配だよ。それでなくても蓉さんは忙しいのに」
部屋に上がる前にキスをして、玄関のドアに蓉の身体を押し付けた。体格差があるから、蓉は身動きが取れなくなり、海斗に身体を預けるような格好になっている。
蓉のスーツのジャケットを脱がし、海斗も同じにジャケットを脱いで、放り投げる。
蓉の身体を抱きしめながらキスをしていると、下半身に熱も溜まってくる。勃起し始めた海斗の下半身をグリっと蓉に押し付けた。
「お、お前…ちょ、ベッド、ベッド行こうな。ここじゃダメだろ」
「だからダメ。もう待てない。こんなになっちゃったから、ここでする」
こんなに…と、言いながらグリグリとペニスを押し付けて硬く勃起していることを教えてあげた。蓉のペニスだって勃っているのがわかる。
蓉のシャツのボタンをポツポツと外し、胸を弄りながら、スラックスのベルトも外した。ズルッと蓉のスラックスが落ち、シャツに下着姿となる。
「後ろ向いて、解してあげるから。さっきドラッグストアでローション買ってきたから」
くるっと蓉を後ろ向きにさせ、バッグからローションとコンドームを取り出す。
蓉の下着を乱暴に引き下げ、双丘にローションを垂らした。左右の尻を揉みほぐすとローションがヌチヌチと音を立てているのがわかる。
尻を撫でながら、指を一本蓉の穴に入れてぐるぐるとかき混ぜていく。もう少しローションを継ぎ足して、穴に入れる指を増やしていった。
「か、海斗…あ、あ、」
「シーっ…ここ玄関だよ?そんな声出したら外に聞こえる。いくら一番端の部屋だって、そんないやらしい声は聞こえちゃうよ?」
耳にキスをし囁くように教えてあげた。強引にすると蓉は断れないのを知ってる。
「今朝もセックスしたから、ほら、すぐに孔が解れた。ここ気持ちいい?」
平日の朝はセックス禁止と言われているが、蓉の欲求に合わせては、朝からセックスをする時もあった。
今朝は早くから蓉に誘われていたから、ベッドで濃厚なセックスを一度している。その後、慌ただしく出勤したから、ベッドは朝のままになっているはずだ。
蓉は海斗に言われた通り、声を抑えている。耳元で囁いても頷くだけで答えてくれない。
「俺、今朝の一回だけじゃ足りない。このまま後ろからするよ?ドアにつかまってて」
自身のペニスにもローションを塗りつけ、後ろからズブズブと穴にペニスを入れていく。柔らかく、あったかい蓉のヒダが絡みついてきて気持ちがいい。
「ん、…ん、ん、ぅ、ふぅ、っっん」
必死に声を抑えているが、時折り漏れてくる蓉の声が色っぽい。
「蓉…気持ちいい。動いていい?」
聞いてすぐガツガツと動き出してしまった。声を抑えているから返事もできないだろうが、蓉の身体は震えて、お尻をグニグニと動かしているから、気持ちいいということがわかる。こんな時は、奥まで一気に突き上げてしまう。
グリグリと動かすからローションの糸を引く音が聞こえる。
「ヤバ…やらしい音立ててる…蓉、自分で前を扱いてみせて?オナニーしてよ。できる?」
玄関のドアに蓉の身体を押し付け、身動きできないようにさせた。そのまま、後ろにペニスを入れて下から上に突き上げていく。蓉も興奮してきたようで、後ろの孔が何度もキュッと締め付けて、海斗に言われた通りペニスを自分で扱き始めた。
「もっとお尻出せる?このカッコ、ヤバいね。スーツ姿の蓉とやってるなんて、たまんないよ」
「や、や、やめ、ろ…」
「シーって…ダメだよ、声出したら。聞こえちゃうから。ほら、お尻もっと突き出して、奥まで…届く?ああ、加減できない」
蓉の腰を引き、尻を突き出すポーズをさせた。蓉のいやらしい格好を見ると、海斗のペニスはグンっと大きくなり、また腰を激しく振るのが止まらなくなった。
グポグポと卑猥な音が出ている。ギリギリまで引いて一気に奥まで突き刺す。その度に、蓉の後ろはキュッと締め上げている。
「奥…あたる…」
「えっ?奥?奥にかけて欲しいって?」
「ち、ちが…あ、あ、いく…」
蓉の腰を掴み直して、後ろから追い上げる。蓉がペニスを抑えている。ドアにタラッと射精しているのが目に入った。
「蓉…エロい。ひとりで先にイったの?何に興奮した?ここでされたから?あっ、やべ…俺もいきそう…出すよ」
蓉がつかまっている玄関のドアが、ガタガタと音を立てている。海斗は蓉の腰を引きつけ奥の方にドンっと射精した。
「…っ、くっ…」
「はぁ…はぁ、はぁ…お前…バカ」
達ったんなら抜けと、蓉に小声で言われる。玄関で盛ってしまったなんて、最低かもしれない。
そのままベッドまで二人でズルズルと歩っていく。
蓉がドサっとベッドにうつ伏せで横になっている。慌てて海斗がタオルを持ってベッドに向かうと、うつ伏せになっている蓉が海斗の腕を掴みベッドに引き寄せた。
「お前は…何を拗ねてるんだ。まったく」
「ごめん…ごめんね、蓉さん」
蓉にぎゅっと抱きしめられている。それだけでなんだか泣きそうになってしまう。
「あっつい…おい、脱がしてくれ。あーあ、スーツはクリーニングだな、明日の朝クリーニング屋さん開いてるかな。会社行く前に持っていこうか」
全部脱ぎたいというので、蓉の服を脱がしていく。その後、タオルで身体を簡単に拭いてあげた。
「お前も全部脱げよ。お前のスーツも明日、クリーニングだな。明日はちょっと早く家を出ようぜ」
「うん…ごめん」
二人で全裸になりベッドに横になると、また蓉にぎゅっと抱きしめられる。
「だから、なんで拗ねてんだって」
「うっ…レジのシステム改修?また忙しくなるかなってさ、心配だなって…」
「嘘だな、違うだろ〜?なんか別のことで悩んでるんだろ?システム改修なんてそんなの気にするはずはないよな。しかも、仕事だし、普段のお前なら応援してくれるはずだ」
バレてる。
レジのシステム改修を蓉が手伝うことで拗ねてるわけではない。確かに忙しくなるので身体は心配だけど、蓉が言う通り、仕事のことで心配することなんてひとつもない。
蓉が誇りを持ってしている仕事に向かって、勝手に心配とか、忙しそうだから大変だなんて、そんなの言う方が失礼だということは知っている。
ましてや、蓉が楽しそうにしている仕事だ。そんなの応援するに決まってる。
そんなことじゃない。自分の問題だ。
自分の問題が片付かなくて、拗ねて、蓉に甘えてしまった。男として恥ずかしい。だけど、それを言うとまた年下扱いされてしまうかもしれない。
「ごめんね、蓉さん。子供みたいに駄々こねたって自覚ある…本当、ごめん」
「ふーん、まっ、いいか。じゃあ、次はちゃんとベッドの上でやろうぜ。ゆっくりだぞ。お前、さっき中出ししたろ。コンドーム買ってきたのに使わなかったな?」
蓉からチュッとキスをしてくれた。寛大な態度をとられると、嫌な自分の姿が跳ね返って見えるようだ。
「うん、ごめん、中で出しちゃった。次はゆっくりするから…蓉さん、好きだよ」
「あはは、お前は拗ねたり、駄々こねたり忙しいな。だけど、そんなお前も好きだ」
素肌で抱き合いキスを重ねた。
やっぱり、蓉には敵わないって、わかってる。
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