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12.
「しおんにぃ⋯⋯」
褒められ、撫でられた嬉しさで、こそばゆくて、違った気持ちよさが芽生え、紫音の首筋辺りに顔をぐりぐりと押しつける。
「ふふっ、くすぐったいよ、朱音」
全身揺らしながら、それでも頭を撫で続けてくれる。
好き。大好き。だから、もっと繋がっていたい。
「······ねぇ、しおんにぃ。やって欲しいことがあるんだ」
「ん? 何をして欲しいの?」
小首を傾げて、にこやかな笑みをし、言いやすい状況を作ってくれる。
そういう紫音のちょっとした気遣いも好きで、堪らなく体が震えそうなほどに悶えそうになるのを必死に堪えながら、腰を浮かせた。
「······ケ、ケツの中に······しおんにぃの······いれて······?」
スカートを捲り、紫音に手伝ってもらっていた手で下着をずらして言った。
ドクドクと心臓が痛いぐらい鳴っている。
こんな至近距離だから、紫音に聞こえているかもしれない、というよりも、微笑したまま固まっている紫音に、なんていうお願いを言ってしまったのかと、正気に戻った頭の中で、自分をもう一人の自分が頬を思いきり殴っていた。
「あ! やっぱ、何も言ってない! しおんにぃの服汚しちゃうから、俺──」
「──⋯⋯朱音。それは本当に言ってる? 本当にやってもいいの?」
「⋯⋯ぇ」
小さい子に問いかけるような、けれども、心配そうな声音で訊いてきた。
どうしてそのような言い方をするのかと、瞬きする紫音に倣って瞬きした直後、腕を掴まられた。
「だって、朱音。朱音はこういうことをするのは初めてでしょう? ······と言っても、僕も初めてだけど······。本当は挿 れるところじゃないから、朱音が想像している以上に痛いと思うんだ。もしも、僕のせいで本来の目的として使えなくなったら、朱音のご両親に顔向けが──」
「まっ、待った! しおんにぃ!」
肩をガシッと掴んだ。
自分の手で紫音の服が汚れるとかこの際気にしていられない。
「すげぇリスクを考えてくれて、俺のことを気にかけてくれて本当に嬉しいけど、多分、きっと大丈夫だと思うんだ。······その、しおんにぃの······うけ······うけ······」
「······うけ?」
「······っ受け入れる準備が出来ているからっ!」
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