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紫音から初めてメッセージが送られた。 ⋯⋯え? いや、は? え?? しおんにぃから送られたメッセージどういうこと? しおんにぃから話題を振ってくれて嬉しいとか、そう思っているのが場違いだ。しおんにぃがこんな弱音を吐くだなんて、初めてなレベルなのでは? てか、どういうこと? 疑問符が頭の上に溢れんばかりに湧いてきていたが、気づけば、「行ってくる!」と親に告げて、家を飛び出していた。 ああ、玄関を開けたらすぐにしおんにぃのいる部屋に繋がっていたらいいのに! 苛立ちを覚えながら、家から駅までの道を駆け抜けていき、閉まりかけている電車へと滑り込んだ。 紫音が住んでいる場所の最寄り駅も、ここからそこそこの距離がある。 一旦、紫音の状況を知ろうと朱音は、『しおんにぃ、どうしたの。大丈夫?』と返す。 いつもなら、タイミングを見計らったかのようにすぐに既読がつくはずなのに、数分経ってもつくことがなかった。 一体、どうしたものか。 『しおんにぃ、何かあったの』と打とうとした時、あることが思いついた。 もしかして、次にやるドラマの役になりきっているのだろうか。 いくら恋仲といえども、公式ですら発表されてないうちに個人に教えるのはご法度であるため、その可能性はなさそうだが、生真面目な面もある紫音のことだ。今までにやったことがない役を演じているのかもしれない。 その可能性があると思った瞬間、いつの間にか張っていた気が抜け、思わず声が漏らすほどの安堵の息を吐いた。 紫音は朱音のことになると、血相を変えて、大げさだと言ってしまうぐらい心配をするが、朱音も大概だ。 性格まで似てしまうだなんて、本当に俺達は仲がいいなと苦笑を漏らしつつ、せっかく電車を飛び乗ったのだから、このまま紫音に会いに行くかと、『今からそっちに行く』と未だにつかない既読を気にしながらも、そう送り、に会いに行くのを楽しみに心を踊らせていた。

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