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ふたり占め#2 ⑤

◇◆◇◆◇ 「ああっ…!!」 くたりと全身の力が抜ける。 俺が達しても、繋がってる流風は動きを止めないから、すぐにまた追い詰められる。 俺の上半身を膝の上に抱え上げた格好の藍流も、胸の突起をいじめるから、その刺激にも熱は高まる。 「出さないでイくとずっと気持ちいいってほんとなんだ…。奏、すごい」 「ずっとイきっぱなしだね」 流風と藍流の言葉がぼやっと聞こえる。 俺はたぶん、かなりおかしくなってる。 藍流と流風がもっと欲しくてどうしようもない。 「あいる…るか、キスして…」 キスをねだると藍流と流風が順番にキスをくれる。 交わる唾液が甘くて全身が蕩ける。 唇が離れるのが寂しくて何度もキスを欲しがる俺に、ふたりは求めるだけキスをくれる。 「あっ! あっ、ん…ぅぁ…!」 「奏、すごいとろとろ」 流風がまた動き始めて、俺は快感に酔う。 藍流も俺の胸の突起を爪で弾くから、俺は呼吸が乱れて止まらない。 「も、だめ、またイッ、ぅ…ぁ」 何度目の限界だろう。 数えるなんて絶対無理なほどふたりにイかされて、脳まで蕩けてしまった。 流風の動きが速くなって、また追い詰められる。 流風の限界の近さにもゾクゾクする。 「あっ、や…あ、あ! っあ…!!」 「っ…!」 流風の綺麗な顔が歪んで、ナカの昂りがどくんと精を吐き出す。 身体を離した流風と藍流が場所をかわった。 「…あいる、はやく」 「そんなに焦らないで」 流風の膝に抱えられて、熱いキスをもらいながら藍流に腰を擦り寄せる。 「奏、すごく可愛い」 「っ! あ…!」 藍流の昂りが奥へと滑り込んでくる。 それだけで仰け反って達する俺の肌の上を、ふたりの手が滑る。 「あ、は…っ、あっ! あ、あっ…!」 気持ちいい気持ちいい気持ちいい。 また藍流と流風にキスをねだる。 とろとろになって、唾液が口の端から零れるのも気にせず藍流のキスに夢中になっていたら、零れた唾液を流風が舐め取ってくれた。 全部気持ちいい。 「っ、イく…だめ、むり…イッ…!!」 「ほんとに可愛いね、奏…」 「もっと乱れていいよ」 藍流と流風に耳元で甘い声で囁かれて、快感にまた火がつく。 「っん、ぅ! …んふぁ…ぁ…!」 藍流に奥を突かれながら流風にキスをもらう。 流風の首に腕を回してキスを貪る。 「あぅ、あっ! っ…あ、あっ! るか、もっとキス…、あっ!」 舌を出して流風のキスを更に求めると、流風が困ったように微笑む。 「奏、なんでそんな可愛い事するの?」 「んぅ…」 望んだとおりのキスに頭がふわふわする。 流風の唇が離れると、藍流にキスをせがんで藍流の首に腕を回す。 そのまま抱き起こされ、藍流の腰の上に跨る体勢になった。 自分の体重がかかって、ぐっと奥に昂りが当たり、俺はまた達する。 「っは…ぁ、あ…」 流風が背中のあちこちをぢゅっと軽く吸い上げる度にチリッと小さな痛みが走る。 その刺激も俺を燃え上がらせて、限界へと昇らせる。 藍流が鎖骨に、流風が肩に噛み付くと、快感の強さに俺ははくはくと口を開けたり閉じたりしながら、呼吸の仕方もわからなくて身を震わせる。 ベッドにまた倒されて、足を持ち上げられた。 そのまま藍流が奥の深いところまで挿入ってくる。 「ひっ!! や、だめ…そんな奥だめ、あ、あ…!」 「っ奏…すごい」 「あ、あ…だめ、だめ…っ!!」 奥の先まで進まれ、イくのがほんとに止まらない。 ガクガクと何度も身体を震わせながら足を突っ張らせてイき続ける俺のつま先まで流風がキスを落とす。 全ての刺激が絶頂への梯子になり、キスをされるだけでイッてしまう。 「も、むり、むり…ぃ…あっ!」 流風に耳の形を舌でなぞられ、藍流が俺の昂りに触れる。 そのまま扱かれ、頭の中が真っ白になる。 流風のくれるやんわりとした刺激も、藍流の直接的な刺激も、俺をどんどんおかしくしていく。 鋭い快感に脳まで貫かれるのと同時に、扱かれていた昂りからぴしゃっとなにかが噴き出して、肌を濡らす。 「…あ、は…っ、っ…あ…」 狂うほどの快感。 藍流と流風だから気持ちいい。 藍流と流風じゃないとだめ。 「…奏は誰のもの?」 快楽に表情を歪ませた藍流が俺に聞く。 ぽーっとする頭でも、その問いの答えは間違えない。 「あ、おれ、は…あいると、るかの、もの…っあ! やんっ!!」 「よくできました」 「ご褒美にたくさん可愛がってあげるからね」 藍流と流風のくれる“ご褒美”に、蕩かされ、全身の骨が溶けていく。 全てが快感で俺は達し続ける。 藍流が果てて、また流風が挿入ってきて…。 もう指一本も動かせないくらいまでになっても、ふたりは俺を離さなかった。 ◇◆◇◆◇ 「……?」 瞼を上げると乱れたシーツの上で藍流と流風に抱き締められている。 俺、どうしたんだっけ。 「大丈夫?」 「…うん」 「奏、意識とばしちゃったんだよ」 「そう…」 すごくだるいのに幸せ。 ふたりが頬や額、顎、鼻の頭にキスをくれる。 でも唇にしてくれない。 「藍流、流風…キスして」 「してるよ?」 少し意地悪に微笑んで、ふたりは唇以外にキスをする。 唇へのキスが早く欲しくて、俺は藍流の首に腕を回して捕まえて自分からキスをする。 流風にうなじを舐められて、また背筋をゾクゾクが走り抜ける。 藍流の首に回していた腕を流風に伸ばして、今度は流風を捕まえてキスをする。 「キス好き?」 「うん…」 「可愛い…」 藍流と流風が肌に手を這わせていき、俺は腰が揺れてしまう。 カラダがふたりを求めてやまない。 ふたりと、もっとずっと繋がっていたい。 「ね、もっとしよ…?」 俺がねだると藍流も流風も目を瞠った。 「…もっと藍流と流風が欲しい…」 藍流と流風の昂りに触れると、ふたりの瞳の奥に熱が灯る。 その熱い視線だけでもゾクゾクが駆け抜ける。 まだ脳が蕩けているからか、大胆になっても恥ずかしくない。 藍流を求めて、流風を求めて、快楽のままにひたすら喘ぐ。 「奏が転校してきてくれてよかった」 「…?」 「空良さんに取られなくてよかったって…」 藍流の言葉にちょっとむっとして、唇を重ねて言葉を続けさせない。 「奏?」 「俺以外の名前、呼ばないで」 藍流にキスをして、流風にキスをする。 「藍流と流風は俺の名前以外、口にしちゃだめ…」 ナカにある流風の昂りが大きくなったのを感じる。 流風の動きが速まる。 強い快感に喘ぐ間もなく藍流に強引なキスを与えられた。 「んっ、ふ…ぁ」 唇が離れてふたりを見つめる。 「どうしようか、流風」 「うん。このまま部屋に閉じ込めたい」 藍流と流風の声を聞きながら、ぽーっと考える。 ふたりになら閉じ込められてもいいな、なんて思った。 「可愛い奏」 「大好きだよ」 藍流と流風の甘い囁きにゾクゾクしながら、ふたりの熱に酔い潰れた。

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