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ふたり占め#3 ⑤

「奏…可愛いの、どうして欲しい?」 「え…?」 「触って欲しい? 舐めるのがいい?」 「っ…」 流風の指が昂りをすっとなぞり、腰が震える。 「それとも、…ここのほうがいい?」 藍流の指が足の間を滑って、奥の蕾へ触れる。 ゾクゾクして俺は自分から足を大きく開く。 「…触って、舐めながら…うしろもして…」 触られたくて刺激が欲しくて、身体中が疼いて仕方ない。 俺の答えに藍流と流風が微笑み、ふたりで俺の昂りに触れる。 それだけでもう達してしまいそうになるのに、ふたりの舌が同時に這い、二本の指が蕾をなぞる。 扱かれ舐められ交互に咥えられ、指がナカへと滑り込めば、あとはおかしくなるだけ。 「あ、んぁ…ん、っぅ…あ! あ、あっ!!」 手と舌と指でどんどん高められていき、限界まで昇り詰めて呆気なく快感が弾けた。 藍流と流風の唇が吐き出した白濁を受け止め、全て味わい尽くそうと先端をちゅっと吸う。 あまりに気持ちよくてくらくらするのに、まだ足りないと貪欲に求める俺を満たそうと、ふたりの愛撫が続く。 全身余すところなく藍流と流風の手が這い、唇が触れる。 ふたりの指がナカで弱い場所をいじり続け、また限界が近付いてきたところで刺激が止まり、指が抜かれた。 高鳴る心臓の音が全身に響く。 流風が俺の足の間に身体を入れて腰を進める。 待ち望んだ快感に俺が達すると、藍流が俺を膝に抱きかかえてキスをくれる。 流風の律動も藍流のキスも初めから激しくて、頭の中が真っ白になっていく。 「んっ! あっ、あ、あぅ、ん、んぅ…っ!」 藍流の唇が離れたと思ったら、すぐにまた重なる。 流風の動きに余裕がなくて、それがすごく嬉しい。 ふたりとも、もっと俺に夢中になって欲しい。 俺が藍流と流風なしじゃだめなように、藍流と流風にも、いつでも俺を求めてもらいたい。 「んっ、あいる、るか…すき…っ、あっ! あ、んっ!」 俺がふたりの手を握ると、ぎゅっと握り返されて、律動もキスも更に深くなった。 「今日の奏、可愛過ぎる…」 「もっと好きって言って?」 藍流と流風の低い声が甘く脳に響き、骨が蕩ける。 「あっ! すき…すき……あ、あ! イく、イッちゃう…!」 「うん、イこう?」 「っん、…っ! あ、ああっ!!」 限界に仰け反る俺の喉に藍流が舌を這わせる。 流風がナカで達したのを感じる。 俺をぎゅっと抱き締めてから、流風と藍流が場所をかわった。 「奏、いい?」 「ん…」 藍流が聞くので頷く。 すぐに昂りが滑り込んできて奥までいっぱいになる。 藍流の動きも流風のキスもやっぱり余裕がなくて、俺は嬉しさにふわふわしてくる。 ふたりはそっくりだけど、抱き方とかキスの仕方とかはやっぱり少し違って。 その小さな違いを知れるのは俺だけだって思うと幸せ過ぎてどうしたらいいかわからなくなる。 流風が胸の突起をいじる。 爪で弾かれて引っかかれれば腰が震えて、同時に藍流が顔を歪める。 「っ…奏、乳首いじられるとナカ締まっちゃうね…」 「んぁ…っ、あっ! あ…や、っ…」 藍流が耳元で囁くから、熱い吐息が耳に触れる。 舌で耳の縁をなぞられ、わざと音をたてて舐められる。 反対側の耳も流風が同じようにするから、濡れた音に身体がどんどん燃えていき、熱が暴走する。 またイッた俺をふたりがぎゅっと抱き締めて、そっとキスをくれた。 「ん…」 俺はチョコじゃないのに、ふたりは俺の唇を繰り返し甘噛みする。 その小さい刺激が心地好くて、俺もチョコだったらふたりに食べてもらえたのにな、と少し残念になってくる。 ふたりに食べられて、ふたりの身体の一部になってしまいたい。 「…藍流、流風…、」 「ん?」 「なに?」 名前を呼ぶと、ふたりは俺の顔を覗き込む。 真っ黒な瞳に俺だけが映っている。 「……俺、チョコじゃないけど、………食べてくれる…?」 俺からキスをして聞くと、ふたりは軽く目を瞠って、それから柔らかく微笑む。 「「…いただきます」」 妖しい色を紡ぎ出す、甘く低い声の重なりに恍惚として聞き入る。 藍流がまた動き始め、俺を追い詰める。 ふたりが俺を貪るように求めてくれる事が嬉しくて、俺は素直に快感に溺れる。 藍流も流風も、俺を食べ尽くすようなキスをたくさんくれるから、俺はどんどん溶けていく。 口の端から唾液が零れるのも気にせず、とろとろになりながらキスを受け止める。 流風にしがみ付きながら、藍流と一緒に達した。

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