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ふたり占め#7 ②

◇◆◇◆◇ 「奏、枕のにおい嗅いでいい?」 !? 「クローゼットの中に入りたい」 !?!? お昼を食べて緊張が解けたのか、ふたりはおかしな事を言い出した。 「だめ!!」 だめって言ってるのに藍流は枕を抱き締めてるし流風はクローゼット開けてる。 もう…。 一段ずつ引き出しを開けてはふたりで声を上げてる。 「奏のパジャマ!」 「これ、前に着てたパーカーだ!」 「……」 流風も藍流も、なにがそんなに楽しいんだかわかんない。 でもふたりは宝箱を開けるみたいにわくわくして声を弾ませてる。 出てくるものなんてたいしたものじゃないのに、すごい宝物が出てきたような反応。 不思議なふたり。 「「あ…」」 今度はなにを見つけたんだろう。 うしろから覗き込むと。 「!!」 ふたりの手には俺の下着が!! 「なんで出してんの!」 「だって…」 「つい…」 頬を赤らめて、それでも下着を離さない藍流と流風。 下着を取り上げて引き出しに戻すと、ふたりはがっかりした顔をする。 「そんな顔してもだめ」 ―――ていうか俺の下着なんて見慣れてるじゃん。 って言葉が続けてするっと出そうになって焦った。 あぶない。 そんな恥ずかしい事言ったら大変。 顔が熱くなるどころか燃えてしまう。 「ねえ、奏」 「なっ、に?」 声がひっくり返ってしまった。 呼びかけた流風が不思議そうに俺を見てる。 「どうしたの?」 「ううん…」 どきどきしてたら背中から藍流の腕が回ってきて俺をきゅっと抱き締めた。 「奏はえっちな事を考えてたんだよね?」 「っ!?」 「そうなの?」 「ちがっ…!」 顔がどんどん熱くなってくる。 これじゃ『そうです』って言ってるようなものだ。 どうしよう……逃げよう。 藍流の腕の中から逃れようとするけど、がっちり捕まっていて逃げられない。 更に流風も腕を伸ばしてきて、藍流とふたりでサンドイッチするみたいに俺を抱き締めるから逃げるなんて絶対無理な状態になる。 「……離して…」 「どうして? 藍流が言ったような事、もっと考えちゃう?」 「……」 …考えちゃう。 でも正直には言いたくない。 黙ったままでいたら、上を向かされて流風の唇が重なった。 甘い…。 唇が離れて、今度は藍流のキス。 それだけでもうくらくらし始める。 寝かされるベッドが俺のベッドなのが変な感じ。 いつもひとりで寝るベッドで、藍流と流風に見下ろされてる。 ふたりの唇が首に触れる。 「んぁ…っ」 「…どうしよう、奏のにおいがいっぱいで止まらなくなりそう…」 「俺も…すごいどきどきする…」 藍流と流風だけじゃない。 俺だってどきどきしてる。 優しい手つきで制服を脱がされて、俺もふたりのネクタイを緩めてシャツのボタンを外す。 いつ見ても綺麗な身体…。 ぽーっと見入っていたら流風に頬を軽く抓られた。 「そんな目で見てるとひどくされちゃうよ?」 「……」 そういう事言われると、ひどくされたくなっちゃうんだよ? でもそれは言えなかった。 ふたりのキスが唇を塞いで言わせてくれなかった。 いつもより貪欲に求められて、奥をほぐす指の動きも性急に感じる。 興奮してるのは俺だけじゃないみたい。 ずっとキスが続いてふたりの吐息が身体の隅々まで入ってくる。 「あ…っ、…っあ…!」 流風が挿入ってきて奥をすぐに突く。 …もうおかしくなりそう。 口の端から唾液が零れていくのを感じる。 暴れる快感に涙も溢れる。 藍流がキスをしながら膝に抱きかかえてくれるけど、すぐにずり落ちてしまう。 「奏、すごいね…可愛い」 「ナカもすごい…すぐイきそう」 藍流と流風の熱い声。 ガクガクと身体を震わせれば流風の表情が歪む。 達した俺を更に追い詰める動きに俺は喘いで仰け反る。 「ああっ! あ…んっ、また…っ! だ、め…っ!!」 ふわふわする。 奥の奥まで流風でいっぱいになって、なにもわからない。 藍流も流風もキスをくれて必死に応えるけど、だんだん舌も動かせなくなってただされるままになっていく。 「ん、ふっ…んぅっ…!!」 「…っ!」 流風が気持ちよくなってくれたの、嬉しい。 イッてぼんやりする頭でそんな事を考えるけど、藍流がすぐに挿入ってきてまた簡単に思考もカラダも乱れる。 藍流も流風もすごく余裕のない瞳してるから、俺も熱が溢れて止まらない。 「あ…ぅっ!! …あっ!?」 藍流の生み出す律動でおかしくされてるのに、流風が俺の昂りを扱くから腰がガクガクし始める。 「あ…あ、だめ…それ、だめ…っ!!」 次の瞬間にはふわふわしてた。 肌を濡らすものが脇腹を伝い落ちる感覚にぽーっとする。 このまま本当に頭がおかしくなっちゃうかもしれない。 だって気持ちよ過ぎる。 「や、もうむり…だめ…! ああっ!!」 胸の突起を流風に弄られながら、藍流に奥の先を突かれる。 このまま溶けてしまうんじゃないかってくらいどろどろに甘いキスをくれる藍流と流風の腕の中で俺は乱れ続けた。 ◇◆◇◆◇ 「…うう」 「奏、真っ赤で可愛いね」 「また食べたくなる」 藍流と流風の声が弾んでる。 ぐちゃぐちゃにしてしまったシーツを三人で洗ってるところ。 こういうの、恥ずかしい…。 手洗いしたあとに洗濯機に入れてスイッチを押す。 もう暗くなってるのにお母さんは本当に帰ってこない。 お父さんはいつももっと遅いから帰ってこなくてもおかしくないんだけど。 藍流と流風は俺のパジャマじゃ小さいからお父さんにメッセージで聞いてOKもらったからお父さんのスウェットを出して貸した。 それでもちょっと小さいかな…俺のよりマシだけど。 ご飯を作って食べて、順番にお風呂に入って。 洗い終わったシーツは室内干しする時用の物干しスペースに干した。 なんで洗ったのか聞かれたら、ジュースを零したからと答える事にする。 客間から布団を二組、俺の部屋に持ってきて並べて敷いて、三人で布団に横になる。 お父さんもお母さんもまだ帰ってこないなと思っていたらスマホの通知音が鳴って、見たらお母さんから。 『お父さんとデート中。帰っていい?』 ……。 『どうぞ』と返して藍流と流風にくっつく。 「どうしたの、奏」 「眠い?」 藍流と流風に抱き締めてもらって頭を撫でられて、そんなに眠くなかったのに本当にうとうとしてくる。 でも寝るのがもったいない。 「キスして…」 「うん」 「甘えんぼな奏も可愛いね」 流風と藍流が順番にキスをくれて、瞼が下りてしまう。 ふたりの腕に抱き締められて深い眠りに落ちていった。

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