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第6話 セックスリベンジ(6)★
「あっ、も、イくっ、イく……あ、あああぁッ――」
陽翔が一際強く打ちつけたところで、智也は全身を痙攣させながら欲望を爆ぜさせた。
次いで低い呻き声が聞こえ、体内でドクンッと脈打つ感覚。後を追うように陽翔も絶頂を迎えたらしく、ゴム越しに熱い飛沫が吐き出されたのを感じた。
二人して抱き合ったまま呼吸を整える。
しばらくしてから、陽翔がゆっくりと自身を引き抜いた。
「っ、あ」
その刺激にさえ反応してしまい、智也は小さく声を漏らす。
喪失感を覚えながらも視線を落とせば、コンドームには白濁液が大量に溜まっていて何とも言えない気分になった。
(ハル、俺でちゃんと気持ちよくなってくれたんだ……)
陽翔がコンドームを処理するところをぼんやりと見つめる。すると、彼は申し訳なさそうにして口を開いた。
「ごめんね、智也。その……無理させて」
「なんだよ、今日は謝ってばっかだな。こんなの無理のうちに入んねーよ……俺だって気持ちよかったし、さ」
智也はぶっきらぼうに答える。
実際、こんなにも気持ちのいいセックスは初めてだった。思い出しただけで、腹の奥が疼いて甘い痺れに襲われてしまう。
(やばい……ヤッたばっかなのにまたムラムラしてきた)
一度火のついた体はなかなか落ち着いてくれない。鎮まったはずの情欲が再び湧き上がってきて――、
「あのさ」そう声を発したのは、どちらが先だったか。見事に二人の声が重なった。
「あー智也、先いいよ」
「いやお前からで」
譲り合いの末、陽翔が躊躇いがちに口を開く。
「えっと、もう一回……しちゃ駄目かな?」
どうやら相手も同じことを考えていたらしい。が、赤くなった顔を隠すように手で抑える姿に、智也は思わず吹き出してしまった。
「ちょっ、なんで笑うのさ!」
「だってハル、顔真っ赤じゃん。可愛いかよ……っ」
クスクス笑いながら指摘すると、陽翔はますます顔を赤くさせる。少しムッとしている様子がまた愛おしく、智也は頬にそっと手を伸ばした。
「そう拗ねんなって。いーよ、俺もシたいと思ってたから」
「……やっぱ、智也はズルいや」
そうして再びベッドが沈む。二人は時間の許す限り行為に耽り、深く互いを求め合ったのだった。
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