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第7話 欲求不満な二人(4)★
「ハルのチンコ……さっさと、挿れろよ」
懇願するように言うと、陽翔が喉仏を上下させたのがわかった。そっと体内から指を引き抜かれて、智也の胸が期待に震える。
「コンドーム、もう一個使わせてもらうね」
コンドームをこちらのものへと被せてきたと思うと、また新しくパッケージを破いて、今度は自身のそれに装着する。
そうして、準備を終えたらしい陽翔は腰を掴んできた。昂ぶった雄の先端が秘部に押し当てられ、ゆっくりと内部へ潜り込んでくる。
「っあ、ああぁ……」
圧倒的な質量。待ち望んでいたそれに、智也は思わず声を漏らしてしまう。
「智也、声抑えて」
「んっ、く……」
指摘されて口元を手で覆ったけれど、どうしても鼻にかかったような甘い吐息が出てしまう。
陽翔は根元まで挿入しきると、馴染ませるかのように動きを止めた。
しかし、それも束の間。緩やかに抽送が始まれば、徐々に抑えが効かなくなっていく。
「後ろからだと、もっと奥――入っちゃいそう」
陽翔がより深くへと腰を押し付けてきてハッとする。途端、今までに感じたことのない感覚に襲われ、智也の体が弓なりにしなった。
「ん、ンンッ!?」
最奥だと思っていたそこを抜けて、亀頭で結腸の入り口をぐりぐりと刺激される。
つま先から脳天にかけて電流のような衝撃が走り抜け、あまりの快楽に目の前がチカチカとした。
「ハル、そこ……っ」
駄目、と言おうとしたけれど、すぐさま陽翔に腰を押さえつけられて、今度は突き上げられてしまう。どうにか逃げようと身を捩るも、陽翔はクスクスと笑うばかりだった。
「智也の奥、ちゅっちゅって吸い付いてきて可愛い」
「っ、バカッ……深すぎ、だからあっ」
「でも、気持ちいいでしょ?」
耳を舐められながら囁かれて、体がゾクゾクと震える。
正直、頭がおかしくなるんじゃないかというくらい気持ちよかった。けれど、これ以上されると本当にまずい気がする――。
「んっ、んん……」
智也は必死になって首を横に振ってみせた。
それを見た陽翔は困ったように眉根を寄せたものの、やはり思ったとおりにはいかず、
「智也ってば可愛すぎ――ごめん、今日あんまもたないかも……っ」
熱っぽく呟いて、いっそう強く腰を打ち付けてくる。
もはや智也は、全身が総毛立つ感覚を味わいながら喘ぐことしかできなかった。
「ン、ん……んっ、んッ!」
陽翔の律動はさらに激しさを増していく。
荒っぽく肌がぶつかる音と、結合部の卑猥な水音。そして、押し殺した二人の吐息が狭い個室の中で反響して、意識が遠のきそうになる。
「っ、智也……」
もう限界だと思ったとき、陽翔が大きく腰を引いて、それから一気に貫いてきた。
体内のものがドクンッと脈打つ。その刹那、目の前が真っ白になって、智也もまた達するのだった。
「ん……んんっ――!」
繰り返し精液が吐き出され、コンドームの中にたっぷりと溜まっていく。
ズルズルと座り込んでしまいそうになるのを陽翔に支えてもらい、しばらくしてようやく息をつくことができた。
「やべ、ケツでイッちまった……」
射精後の余韻に浸りながら呟く。すると陽翔の手が、あろうことか智也の装着していたコンドームへと伸びてきた。
「ほんとだ。今日、結構出たね?」
「お、おいっ」
流れるような動作でコンドームを勝手に外される。口の部分を縛ってから、トイレットペーパーでくるくると包んで――と、生々しい後処理を見せつけられてしまった。
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