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第4話

 それからは、翔護が遊びに来るのが楽しみでしかたなくなった。休みのたびに翔護は来ないのかと両親にしつこく聞いて回り、来ると知れば大はしゃぎで、前日の夜は眠れずに翌朝寝坊をしてしまうくらい。あきれた翔護が起こしに来て、寝癖をからかわれるのも嬉しかった。  地元のサッカークラブに入ったらしい翔護はますますサッカーに熱中して、遊びに来るたびに新しく習った技を見せてくれた。  何をしても千聖が喜んで褒めるので、翔護もまんざらではなく嬉しそうにしていて、二人の関係は友達として順調に育まれていったけれど、歳を重ねるにつれ、千聖の中には友情以外の感情が芽生えるようになっていた。  翔護と一緒にいるとドキドキする。楽しくて、もっとずっと一緒にいたい。  そんな想いもあって、千聖は中等部へあがるとすぐにサッカー部へ加入しマネージャーになった。  メンバーとして太陽の下を駆け回ることは難しかったけれど、この頃には千聖の体も随分と丈夫になっていて、しっかり対策をしさえすれば、太陽の光に昔のように過分に神経質になることもなく日常生活を送ることが出来ていた。  翔護が好きなものをもっと知りたい。  コートの中を走り回ることは出来なくても、マネージャーだってチームの一員で、学べることは多いはず。  動機はひどく不純だったけれど、入部してみればそれはとても奥が深く面白くて、千聖もすぐにのめり込んだ。  翔護が好きなものにかかわれるのも、同じ話題で盛り上がれるのも嬉しくてしかたない。  日陰でじっとしていた千聖が自ら太陽の下へ飛び出せたのは、全部翔護のおかげだ。恥ずかしいから本人には言えなかったけれど、ほとんど日課になった夜の電話で千聖がサッカー部へ入部してマネージャーになったのを伝えると翔護もとても喜んでくれていた。

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