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第7話

「サッカー部、もちろんサッカー部入るよね?」 「お~。できれば編入前に見学できっかなって、今確認してもらってるとこ」 「そ、そっか、そっか~……すごい、翔護のサッカー見られるんだね」  大会のなか、ひと目でもその勇姿を見られたらと思っていたのが、同じチームで間近に感じることが出来るなんて。感動で、じんと胸が熱くなる。 「大げさなやつ」 「だって、翔護と一緒のチームに入るの夢だったもん」  照れくさそうにした翔護が「……俺も」と呟いた小さな声も、千聖には十分聞こえていた。ふふ、と喜びが吐息になってこぼれ落ちる。 「毎日一緒に登下校しようね。朝練もおいて行っちゃうのなしだよ。ぼくが起きなかったら起こしに来てね。あと、お昼休みは一緒にお弁当食べたいし、部活が休みの日は寄り道もして帰りたいな。それからーー」  あれもこれもと翔護と一緒にやりたいことを指折り数えていく。苦笑した翔護が「全部ノートにまとめとけよ」というので、千聖は明日の帰りにでも駅ビルに入っているバラエティショップへ寄って帰ろうと思った。  来週までに、ノートはいっぱいになってしまうかもしれない。それを見せた翔護がどんな反応をするのか、想像しただけで胸の奥がくすぐったくなる。 「あ。そしたら、キャプテンにも話しておくね。見学の日決まったら連絡してね」  城華の現キャプテンは三年生で、二年生からキャプテンを務めている実力派だ。もともと明るい茶色に染めた髪が、長時間外にいるせいで日焼けして、さらに明るくなっているのが遊んでいるような印象を与えるけれど、マネージャー経験のない初心者の自分を気に掛けていろいろと教えてくれるので、千聖はとても懐いていた。  兄弟のいない千聖にとって、兄のような存在。  気を許しすぎて、この間ついうっかり幼馴染みが好きなのだと口を滑らせてしまったばかりだ。  翔護が編入してくると知り、それが幼馴染みだと言えば、聡い彼は千聖の想い人が翔護なのだとすぐに気がつくだろう。  絶対にからかわれる。  そう思いつつも、それすら楽しみにしている自分に、これは相当舞い上がっているなと苦笑した。

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