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第9話

  「本当は全部洗ってやりたいが、俺が居ないときに一人で風呂に入る事もあるだろうからな。自分で洗えるようになろうな。」  石鹸を柔らかい布を使って泡立てて、体を洗う。クレイグは硬めが好き、との事でブラシでゴシゴシ体を洗っているけど、痛くないのだろうか。試しに余っていたブラシで左腕を何度か擦ってみたら直ぐに肌が赤くなって慌てたクレイグに取り上げられてしまった。  洗う順番は真似すれば良いと言われて真似っこしているけど体を綺麗にするというのはこんなに大変だったのかとしみじみ思う。  綺麗にしている筈なのに腕を上げ下げしているだけで汗が滲んできてる気がする  魔法だと楽なんだけどなぁ…  もこもこと泡だらけになりながら隣のクレイグを見ればぼっこりと小さなボールを入れたような二の腕を泡が滑り落ちる。  うーん。やっぱりお風呂も良いかもしれないとごくりと喉がなる。  ジッと見つめすぎたのか、クレイグが此方を向きその顔は「どうした?」と疑問顔。何でもないと首を振れば「ここ洗えてないぞ。」と首裏をそっと撫でる。  腰裏や膝裏までするすると撫でながら指摘される。 「後ろは難しいよ。」  答えながらも「ふふ」とくすぐったくて声が洩れ出る。  洗えていないところを教えて貰いながらやっとの思いで体を洗い終わり、暖かいお湯であわあわを流されると「ふあ~」と思いがけず声が出てしまう。  さっぱりして気持ちいい。そう伝えれば頭をくしゃっと撫でられる。 「次は髪だな…取り敢えず見ててくれるか?」  そう言って僕の体を優しくお湯で流した手つきとは違って豪快にお湯をかぶって髪用の石鹸でガシガシと頭を洗ってざぱーっと流す。 「石鹸が目にはいると沁みるから、目は瞑った方がいい。」 「はぁい。」  えと、お湯を汲んで目を瞑ってかぶる。石鹸を泡立てて髪につける。石鹸・・・石鹸どこだろ。手をのばして探ると石鹸の方から手に当たってきてくれた?まぁ、いっか。泡立てて髪につける。  うーん。泡が直ぐになくなってなかなかあわあわにならない。  髪が長すぎて纏まらないしごしごししてると絡まって痛い。クレイグはちゃんと出来てたのに。何でだろ?と考えて閃き目をぎゅっとしたまま問いかける。 「クレイグ、ここはさみある?」 「鋏?どうしたんだ?」  何だか声が焦っている。 「あのね、髪切ろうと思って。そしたらクレイグみたいにちゃんと洗えると思うの。」 「あー、鋏はないな。そういえば髪の長い者は人に洗って貰う事が多かったな。失念していた。俺が洗おう。」  一度流すぞ、と優しく優しくお湯で髪を流されてクレイグの大きな手が頭皮をマッサージするように洗ってくれる。耳の裏や首なんかも一緒にマッサージしてくれて、とっても気持ちがいい。 「うぁ、あー、クレイグ、そこ、気持ちいい。」 「ここか?」  髪の生え際辺りをグッと押される。 「んっ、グリグリってしてぇ。」  この絶妙な力加減、癖になりそうだ。  無言のクレイグが泡を流して水気をぎゅっと絞ってくれる。  くるくると高い位置で一纏めにしてパチンと何かで留められると髪が落ちてこない。 「クレイグ凄い!ありがとう。」  振り返りながらお礼を言うと、何故か狼さんみたいにギラついた瞳のクレイグに唇を塞がれた。 「んゆッ、ん、はぁっ」  唇を食んで出来た隙間から舌が入ってくる。歯列をなぞりながら逃げる事も出来ない僕の舌へ辿り着くと絡め取られて、くちゅぐちゅと音がなる。 「んッ、んー!」  息が出来なくて苦しい。体が熱い。口が閉じれないから溜まっていく唾液をコクリと飲み込めば満足気に離れていく気配がして、思わず手を伸ばした。 「んぁ、からだあっつい。でも離れちゃいや。」 「くっついてるか?」  クレイグの声が笑っている。でも、 「ん。くっついてて。」  ぴったりくっついていたい。 「あー、可愛い。これは我慢するのが大変だな。」  そう言ってぎゅっとしたまま頭をぽんぽんと撫でられる。  大変…タカギも言ってたしライさんも言ってた。  下半身が大変…ちらりと目線を下に向ける。 「これは…大変だね…」  元々大きかったクレイグのおちんちんが更に大きくなっている。 「大き過ぎて痛そう…僕、頑張るね!」  そっと触れただけなのにビクリと脈打つそれを握って上下に動かそうとしたところで手首を捕まれる。 「スミレ、何をしている?」  苦しそうな顔のクレイグ。直ぐに楽になるよ。 「?、大きくなったら小さくしないと。一回射精すれば小さくなるでしょう?」 「その知識は何処から得たんだ…」 「タカギの性教育だよ!」  ハァっと大きく息をつきながら掴んでいた手首を外してくれる。 「よろしく頼む。後悔するなよ?」  にやりと笑った顔に胸がきゅっとして、それを誤魔化すようにもう一度手を伸ばした。 「あッ、んあぁッ」  おかしい。クレイグのおちんちんを小さくしてあげようとしていたのに。今僕はクレイグの膝の上で、胸を吸われて喘いでいる。 「スミレ、手が止まっている。」  そう言って存在を主張するようにぷっくりと腫れた僕の乳首を舌先でぐりぐりとこね潰す。 「んんッ、ね、ほんとに、ひぁっ、僕のちくび、舐めてた方が気持ちいいの?」 「あぁ。それにスミレも気持ちいいだろう?スミレのも立ち上がって涎垂らしているぞ。」  ほら、と人差し指でクレイグと比べてしまうと幾分と小さなそれに触れてくる。さきっぽをクリクリとされて、ぴくんぴくんと動く僕のおちんちん。 「や、あッ、クレ、イグ。ぼくがっ、ぼくがする、からぁっ。」 「ん。一緒にしような。」  大きさの違い過ぎるそれらを一纏めにして、クレイグの大きな手が僕の手ごと上下に擦ると気持ちが良すぎて何も考えられなくなる。  溢れた生理的な涙をぺろりと舐めて、胸に戻ったクレイグの唇がヂュッと音を立てて乳首を吸った瞬間、快感が弾けて射精する。そのタイミングで強く握ってしまい、少し苦しそうにクレイグも射精したのがわかる。  ハフハフと呼吸しながら下半身に目を向ける。二人分の精液がかかった手と、射精して柔らかくなりつつある僕のおちんちん。  そして、未だガチガチ、ビクビクとしているクレイグのおちんちん。 「えぇ、なんで?」  胸にまで飛んだ精液を舐めて此方を向いたクレイグの瞳は狼さんの瞳。 「後悔するなよと言っただろう?」 「もう二・三回、一緒に抜こうな?」  そう告げたクレイグの唇が近づいてくるのを目を瞑って受け入れた。

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