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第15話

   ゆらゆら、ゆらゆら。気持ちが良くて腰が動いて。  暖かい何かに包まれて安心して眠りについた。     「おおっ!」  これは…何というか…生理現象というか… 「…クレイグ、ごめんなさい。起きて、どうしよう。」 「ん…まだ薄暗い。っ!涙ぐんでどうした?」 「ごめんなさい。粗相した…これ…精液だよね?」 「ん?あー、夢精したのか。大丈夫、良くあることだ。」  良くある事なの? 「クレイグもする?」 「今はないな。溜まってる時とか思春期のときとかだな?」 「………」  とりあえず着替えるか、と寝巻きを引き下ろされる。自分で出来るのに…  でも、僕溜まってないよ?クレイグと出してるもの。 「…何か夢とかみなかったか?」 「クレイグに抱っこされてる夢みたかも。夢の中でも何だか気持ちよかったんだよ?」 「ぐるるるッ」 「えっ!」  そこには漆黒の狼さん。格好いいし可愛い。でもどうして狼さんに?そんなことを考えているうちに狼さんの大きな顔でころりと寝転ばされる。 「ええっ?ちょ、クレイグ?」  狼さんのクレイグの瞳はギラギラしていて、思わず後ずさる。  そんな様子を見て頬を舐められきょとんとしてしまう。  普段はウェーブがかっている髪が狼さんだとサラサラフワフワで、それが顔にかかって気持ちいい。  思わず太い首に抱きついて頬擦りすれば鼻先で押しやられる。  フンフンと匂いを嗅ぎながら顔が下がってそのままおちんちんへ。  鼻先で何度かぐりぐりと押してから大きな舌で精液舐めとられた。 「ひあッ、もう、だしたから、やめてっ!」  また勃っちゃうっ。 「アンッ、アッ、やッ、」  前足で上手く僕の足を押さえると丸見えになった僕のお尻にも長い舌が届いてしまう。 「んーッ!アッ、アアッ、やだあっ、そこはきたないよお。」  ぴちゃぴちゃと舐めていただけだったのに舌がゆっくりと捩じ込まれた。 「あっ、クレイグ!おしり、だめ。へんだよおッ」  ぐっ、ぐちっと時折引き出されてまた押し込まれる。  どこまで入るのか、どこまであるのか、 「アアアアッ」  狼さんの舌がある一点をかすめた時、足が勝手にピンと張って寝ながら出したはずの精液をまた飛ばしていた。  胸にまで飛んだその白濁を舐める為に後ろから舌を出して、胸に向かってくる狼さんの立派な胸毛を引っ張る。 「クゥン、クゥン」 「もー、そんな可愛い声出してもだめだよ。急にはビックリしちゃう。」 「クゥン」 「もー!狼さんからクレイグに戻ってお風呂いこ?」  可愛い狼さんには怒れない。 「…っていうことが朝からあってね?」 「ばかっ!」  朝食の時間を大幅に過ぎたからタカギに怒られるのはわかってた。だからクレイグに後ろから抱きついて顔だけだしてタカギに遅くなってしまった言い訳をする。 「でもね、お風呂に行ったらクレイグのが凄くてね?大変だと思って僕も頑張ったの。そしたら何だか僕もまた大きくなっちゃってね?不思議だね?僕性欲ほとんどなかったのに…」 「ばかっ!そういう話は人前でするな!」  一応直接的な言い方はしなかったのに怒られた…しょんぼりしているとライさんから助け船が入る。 「ユーシ、そんなに怒らなくて大丈夫だよ。我々獣人は番にしか興味がないからその辺は割とオープンなんだよ。そもそも鼻が良いからナニかしたら気づいちゃうし。」 「は?」 「だから浮気とか絶対できないからね?」 「は?え?筒抜け…?」 「まぁ、一言で言うと筒抜けだね!あと、スミレ君。昨日三歳くらいからって言ってたのにもう夢精なんて凄いよ!おめでとう。精子はたんぱく質だから沢山出すなら沢山食べないとね?鶏肉とかお豆とか食べようね?クレイグからたんぱく質貰っても良いかもね!」  あ、ライさんまたタカギに頭スパーンってされてる。  でも嬉しそう… 「ライさんありがとう。沢山たんぱく質?とるね!」 「ばかっ!本気にするな!」  今日も賑やかに朝食を取った。今朝はハムとゆで野菜のサラダを食べてみた。料理長さんの料理はどれも美味しくて、お礼を伝えると、今日のおやつも楽しみにしていてくださいね、と。今から楽しみで笑顔でお仕事へ行くクレイグとライさんを見送った。 「さて!今日は何する?」 「んっとね、お散歩もしたいし本も読みたいしタカギの髪も編み編みしたい!」  やりたいことが沢山なのだ。 「おー。一日は長いから、全部やろーぜ。でも先ずは座学だ。」 「お勉強?何の?」 「今のスミレに一番必要なのは性教育だと痛感した。あとライオネルの話は半分は聞き流せ。」  侍女さんたちもうんうんと頷いている。あ、マイリィさんだけおめめキラキラで前のめり。何で?  レイラさんがお茶を入れてくれて、ココさんが何冊か本を持ってきてくれた。性交の仕方の本らしい。 「色々な本があるんだね?」 「ん。そもそもスミレはクレイグと最後までしたいと思ってる?流されてない?」  流されていないと言ったら嘘になるかもしれない…でも、 「したいなって思うよ。」 「本当?」 「うん。クレイグとずっと一緒にいたいって思うの。タカギの事は大好きだけど、その好きとはちょっと違うってわかってるよ。」 「そっか。ならいい。」 「でもね…無理だと思うの…」 「ん?やなの?」  そうじゃなくて… 「僕のお尻にクレイグの入らないと思う…」  あ、マイリィさん鼻血?尊い?何がどうしたの?  急いで治癒をかけようとしたけどココさんが微笑みながら部屋の外へ出した。ちょっと逆上せたみたいですって…大丈夫かな? 「スミレ、それは大丈夫だと思う。何とかなる。」 「そうなの?どうやって?」 「直ぐには無理かもしれないからクレイグに頑張って貰いな。はい!んじゃ普通に保健体育の勉強なー?」  挿し絵を見ながら、人体の仕組みや性交の仕方、子供の授かり方を教わる。僕が今日気持ち良くなっちゃったところは前立腺と言うらしい。気持ちいいけど気持ちよすぎて変になるって言ったら戻ってきていたマイリィさんがまた退場した。  そうやってタカギと過ごしたりお勉強をしたり、もちろんクレイグといれる時間はくっついて、毎日が楽しくてびっくりすることも多くて。  一日一日を大切に過ごす。  クレイグは、タカギの性教育を受けた日にタカギから僕の意思を伝えられたのか、お尻の穴を解す事を日課にした。  毎晩お風呂やベッドでお尻をくちゅくちゅと解す。  基本はクレイグだけどたまに狼さんで。その時は長い舌を使うから僕はやっぱりおかしくなってしまうのだ。 「あんッ、ひ、あッ、もう、だめえっ」  今日はヒトのクレイグの舌でペロペロされて、その後は指を使って。香油と、僕が出したものでびちょびちょなそこにクレイグの太くて硬い指が三本も入っている。三本のうちの二本は前立腺を挟んで擦るように動く。 「ひゃ、あァァァァッ!」  パタパタっと随分と薄くなった精液が飛ぶ。 「…も、だめ」 「スミレ、今日も可愛かった。」 「ふぁ、ちゅーして?」  目尻を僅かに下げたクレイグの唇を、受け入れる自分の口が半開きになってしまうのは舌を入れられるのを望んでいるから。 「はぁ、んむッ、んん。」 「あぁ、可愛いな。」 「もうクレイグの入る?」 「もう少しだな。次は、挿れてもいいか?」  窺うようなその言葉に思わず満面の笑みを向けてしまう。だって、ずっと最後までしたかった。クレイグとひとつになりたかった。  そう伝えればぐるると喉がなる。 「クレイグ、大好き。」 「俺も愛している。」  クレイグといるのが嬉しくて幸せ。  大変なことになっているクレイグのおちんちんに舌を這わせるのにも少しずつ慣れてきた。  普段はあまり表情が動かないクレイグが射精するときの顔は本当に色っぽい。  顔に飛んだ白濁や僕が出してベトベトになった体をクレイグにお風呂で流して貰って、ベッドの中で抱き締められる。  もうすぐこの国に来て一月。  そしてその日はいきなりやってきた。

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