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プロローグ(9)

「古都!!」  オレを呼ぶ残忍な声が少しずつ近づいてくる。  オレはできるだけ身を低くして追いかけてくる神楽から身を隠した。だけど、あまりにも血を流しすぎたオレの意識はそう長くは続かなかった。  意識は朦朧としてくるし、目は霞む。  真っ白の世界はやがて闇へと変わっていく……。 ――そんな中だった。 「誰だ? 誰かそこにいるのか?」  鈍い痛みを発するオレの心に染み渡るような、優しい声が聞こえた。  オレの身体がふわりと浮いたような気がしたんだ。

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