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第2話・癒えない傷。(2)

   ほんわかした足場が途切れたところまで来ると、そこで足場は終わっている。  ゆっくり見下ろせば、固そうなツルンとした地面は遥か先にあった。  仮にここから飛び降りたとして、足はすごく痛いだろう。  だけど、このまま大人しくココに居ても仕方がない。  だって、ココがどこかわからないんだ。  まずは敵の縄張りがどういう場所なのかを知らなきゃいけない。  逃げる時のために必要になるしな。  だからオレはゴクリと唾を飲みこんで前かがみになると、勢いよく足場を蹴った。  ぴっきーーーーん。  いってぇっ!!!!!  足が地面に着いた瞬間、やっぱりというか、案の定というか、足が痛みを訴えた。  ドサリと無様な音を立てて顔から地面へと落っこちた。  痛てえっ!  ものすげぇ痛てぇっ!  いや、痛いっていうどころじゃない。もう、ほんとに死んじゃうんじゃないかっていうくらいの激痛がオレを襲う。  傷ついた足を見ると、あんなに真っ白だった包帯が赤く染まっている。  せっかく止まっていた血がまた流れはじめたんだ。  とにかくすっげぇ痛い。 「えっ? あ、何やってるんだ!?」  地面の上でギャンギャンのた打ち回っていると、上の方で声が聞こえた。  幸が起きたんだ。  ――というより、起こした……が正しい表現だけどな。 「落ちちゃったんだね。痛かったね、ごめんね」  そう言うと、幸はオレをひょいっと抱え上げた。 「また傷口がひらいた……」  幸の表情は眉間に皺を寄せて、まるでオレと同じように痛がっているようだ。

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