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第3話
「今日、天気が良くてよかったですよね。」
「ああ、そうですね。」
二人は庭に出ると、たわいない話をして相手の様子を伺っていた。
悠大にとって充という人間は、話していて嫌な感じはしないし、オメガだからと見下しているようにも見えなかった。
悠大は性別で判断する人達が苦手だった。
なぜなら、その人自身をよく知りもせずに、そもそも知ろうともしていないのに、!ただ罵声をあびせたりする馬鹿な人達だと思っているので。
だけれど、充はそんな人ではないと、たった少しの時間で分かった。
それ程しっかりと目を見て話してくれるし、自分の話も聞いてくれるので、こちらに安心を与えようとしてくれているのだ。
「あの……貴方はオメガ性について、どう思ってますか。」
「オメガ性について……?」
充はウーンと悩むと、悠大に向き直った。
「あんまり考えたことがないです。アルファは優秀だとか言われてますが、ほら、俺はアルファだけどそうでも無いし。逆に貴方はオメガですけど、自分で会社を立ち上げて、成長してるって聞きました。」
「は、はぁ……」
「オメガだからって特別に何かを思う訳では無いです。ただ……アルファにとっては番になれる唯一の存在だから、俺はできるなら一緒になりたいなって思います。……って、こんな返事でいいのかな……。」
悠大は充の言葉を聞いて、『この人を傷つけるようなことをしてはいけない』と思った。
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