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第4話

なので悠大はしっかりと自分の気持ちを伝え、もしもそんな自分を充が受け入れられないのならば、この話は無かったことにしてもらおうと思った。 一度深呼吸をして充を見つめる。 「正直なことを言うと、今日のお見合いに私の意思は無いです。両親が勝手に決めたことで、私はそもそも結婚する気がありませんでした。」 「……そうですか」 落胆したようにも、怒っているようにも見えない。 悠大は『何を感じているのだろう』と思いながらも言葉を続ける。 「ただ、両親からの『結婚しろ』って圧が強くて……。だから貴方と結婚しても、申し訳ないですがそこに愛はありません。なので……貴方がそれを許せないようであれば、この話は無かったことにしましょう。貴方にはきっともっといい人が居るから。」 はっきりと包み隠さず本音を言えば、充は少し驚いた後に小さく微笑んだ。 「いえ。正直に言えば俺も、親に言われただけなので。」 実は充の方も、両親からの『早く結婚しなさい』攻撃が鬱陶しくてお見合いをしただけ。 形だけ結婚しておけば、うるさくないだろうと思った。 悠大は目をぱちぱちさせる。 「えっと……じゃあ……?」 「とりあえず、両親からのそれから逃げる為に手を組みますか?」 充からの提案は悠大にとってありがたいものでしかなくて。 ──なので。 『籍は入れるが番にはならない。』 『干渉はしない。詮索もしない。』 『恋人は勝手に作ってどうぞ。』 そんな条件を二人で考えた。 「「契約成立で」」 そして、お互い来た時とは違うスッキリした笑顔で握手を交わした。

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