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第5話
それから二人は度々会って、どのタイミングで籍を入れるか、家はどうするのかを話し合った。
結果、もともとすぐに行動したい派だった二人は、『いつでもいいけどなるべく早く』を念頭に、早急に家を探し契約を済ませた。
二人で住むには少し広いマンションの一室。けれどこれは愛情があって結婚する訳では無い二人にとって、大切な距離感だった。
家が決まるとすぐに籍を入れ、晴れて二人は夫夫に。
「今更だけど、本当に良かったの?」
「うん。」
「俺と別れる時、バツがつくんだよ?」
「別れなきゃ良くない?」
悠大は真剣に考えるけれど、充は楽観的だ。なので悠大は『これから先に何か重大なことを決めなければならない時、俺がしっかり考えてあげないと。』と年上だからか、そんな考えが湧いてくる。
そんな時、充が「そういえば」と悠大に向かい言う。
「家具どうする?今使ってるの持ってきたりする?」
「まあ、使えるのは使うとして……。一応結婚したんだし、新しい物を揃えてもいいと思うけど。」
「それぞれの部屋はそれぞれでやるとして、リビングのは?テーブルとか、ソファーとか。」
「あー、確かに。二人用の買った方が良いかもね」
これから二人で食事を摂ることになるだろうし、ソファーにゆったり座ってテレビを見ることもあるだろう。
「悠大さんってさ、家具選んだりするの好き?」
「え、うん。こういうので揃えたらオシャレだろうなぁとか、よく考えるよ。」
「そうなんだ……。あのさ、俺そういうのあんまり興味なくてさ、家具選ぶの任せてもいい?」
悠大は「いいけど……」と返事をしつつ、『本当に俺好みの部屋になるけど』と、充が気に入らなかったら不安だな……と少し頭を悩ませた。
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