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第3話

「お待たせ。ご両親にも話してきたけど、心配してたよ。後でおかゆ持ってくるって」  お湯を浅く入れた風呂桶とスポーツタオルを持った新が部屋へと入ってくると、明は扉の方を向いた。  新が扉を閉める時に鍵をかけた気がしたのは気のせいだろうか。 「明日には熱下がってればいいんですけど」 「そんな焦らないで、ゆっくり休めばすぐに良くなるから」 「早く、ドレス作りたいのに」  新はベッドの近くにあるサイドテーブルの上に風呂桶とタオルを置くと、しょんぼりして俯いている明に近づき言い聞かせるように頭を撫でた。 「ドレスもいいけど、自分の体も大切にしないと。ほら、体拭くから上脱いで」 「う、うん」  明が覚悟を決めて着ていたTシャツを脱ぎ終わって正面を見ると、まじまじと裸を見ている新と目が合った。 「明の肌、綺麗だな」  いきなりの新の恥ずかしい発言に、明は照れて頬を染めながら目を逸らす。   「そ、そうですか?」 「うん。あ、明が嫌じゃなかったらもう、敬語使わなくても平気だよ」  距離を縮めてくる新に、嬉しさで明の心臓が高鳴る。 「じゃあ。これからはダメ口で」 「うん、いいよ。それじゃ拭いていこうか」  新はベッドサイドに置いたタオルを風呂桶に入れたお湯に浸してから、出して硬く絞る。  そして、待っている明に近づき肩にタオルを置いて拭いていく。  拭き終わると、そのまま脇の下にタオルを滑らせた。 「ちょっと、くすぐったい」  明が嬉しそうに笑うと、新もそれを見て笑顔になる。  誰にでもこの笑顔を見せているのだと思うと、妬けてしまう。 「すぐに終わるから、我慢できる?」 「我慢する」  明がむず痒そうにしながら返事をすると、両方の脇の下から腕にかけてを拭き終わった手が、胸元へと伸びてくる。  そして、段々と下へ降りていく手が乳首の辺りにいくと明は思わず声を出した。 「んんっ」 「どうかした?」 「な、なんでもないから。続けて」  いきなりのこれまで経験した事がない、柔らかい電流のような快感に明は戸惑った。  心配そうな顔をしながら見てくる新に本当のことを言おうか迷うが、明はもう少しこの快感を味わってみたかった。  止まっていた新の手がもう一度動き、タオルがぐにぐにと乳頭を刺激するたびに明の体を柔らかい快感が襲う。 「あっあ♡」  これまで出した事のない、まるで女性のような高い声が出てしまい、驚いた明は慌てて右手で口を塞いだ。  新はそんな明を見て、再び手を止める。 「胸の辺りはちょっとくすぐったそうだから、もう辞めておこうか」 「う、うん」  気まずい空気が流れてしまい、明はさっきしてしまった事を後悔した。  目を合わせられないまま、新の手が腹へと降りていく。  ふと、目線を新の手へと移した時、明は自分の乳首がビンビンに勃ってしまっている事に気がついた。  もしかして、新にこの乳首を見られてしまったのだろうか。  そう意識した途端に体がどんどんと熱くなり、下半身に何が違和感を感じた明は慌てて新の手を掴んで止めた。 「下は自分で拭くから。後ろ向いてて」  いきなりの事に新は驚いた様子だったが、何か納得したような表情をすると、タオルを明に握らせた。 「分かった。明は恥ずかしがり屋だな」  クスクスと笑いながら後ろを向いて胡座をかく新に優しさを感じながら、明は違和感の元となっている陰茎がどうなっているのか見るために、パンツを下ろした。  すると、勃ち上がってしまっている陰茎がビタンッと勢いよくパンツから顔を出す。  その、これまで見たことがない光景に明は戸惑った。 (なんか、凄くちんちん勃っちゃってる)  何故か息が荒くなっていく自分にこれは本当にただの風邪なのか、これから一体自分はどうなってしまうのか心配になった明は泣きそうになった。 「何かあったのか?」  しばらく無言でいる明を心配した新が声をかける。  いきなりの声をかけられて、驚いた明は体をビクッと反応させた。 「な、何もないよ」 「本当に?」 「本当だって!」  あまりに必死な明に新は決心したように足を崩した。 「だったらもう、そっち見てもいいよな」 「ちょっと待って!まだダメ!あっ!」  振り向いた新と目が合った明は恥ずかしそうに、手を股間で隠した。  しかし、隠す前に勃ち上がってしまった陰茎を見ていた新は真顔のまま固まってしまっていた。

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