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第7話

 ニヤけながら言い聞かせるように、頭をポンポンと軽く二回叩かれる。  新は扉の前から退けると、ドアノブを下に下げて扉を開けた。 「先に下に降りてたほうがいい? それとも着替え手伝う?」 「下降りてて!」 「分かった。明は恥ずかしがり屋だな」  新に裸を見られたらまた、体が熱くなって体がムズムズしてしまいそうな気がして、明はムキになった。  クスクスと笑いながら階段を降りていく新を見送ると、明は部屋へと入ってスマートフォンを確かめた。  敦からのLINEは昨日、明から進めた映画の原作の漫画本を貸して欲しいという内容だった。  進めた映画を気に入ってもらえて嬉しかった明は、二つ返事で引き受けた。  スマホと貸す漫画本を教科書が入っているカバンの中に入れてから、ペン立てに立ててある体温計で体温を測る。  それにしても、新があんなに険しい顔をしていた理由はなんなのだろうか。  そのうち分かると言われても、気になってしまう。  そんな事を考えてるうちに、体温計のアラームが鳴り響く。  画面を見ると、温度は平熱で熱はないようだ。  なら、この新に触れられる度に尋常じゃないくらい体が熱くなってしまうのはなんでなのだろう。  新に触れられた頭が手の感触を残したまま、まだ熱い。  これまで人を好きになった時でさえ、こんなになった事はなかったのに。  体温計を元の位置に戻すと、制服へと着替える。  パジャマのボタンを外すと、昨日、新に布越しに乳首を触られた事を思い出してまた、体がムズムズしてしまう。  ふと、全身鏡に目線を映して胸元を見ると、いつもはふにゃふにゃの乳首が硬く尖ってしまっていた。 (どうしよう、乳首勃っちゃってる。これまでこんな事なかったのに。)  このままでは、学校に行けないと慌てた明は、自分でどうにかしようと新に触られた時の事を思い出しながら、乳首を摘んでみる。  その時、扉をノックする音が聞こえてきた。 「い、今、開けないで!」 「なかなか降りて来ないから心配して来たけど、まだ着替えてないのか?」  慌てて返事をした明は上擦った声が出てしまい焦ったが、新の声が聞こえてきて若干安心して胸を撫で下ろした。 「今着替えてる最中だから、下で待ってて」 「どうしようかな。あ!?」  次の瞬間、扉が開いて新が中へと勢いよく入ってくる。  驚いた明は目を丸くしながら振り返って扉の方を見た。 「あ、悪い。躓いて開けちゃった」  新はヘラヘラと笑いながら後ろ手に扉を閉めて、中へと入ってくる。  目が合った明は肌を見られるのが恥ずかしくなり、パジャマの前を手で閉めた。 「明は、そんなに俺に裸見られるの恥ずかしい?」 「新にじゃなくたって、裸を見られるのは恥ずかしいよ」  頬を赤く染めながら目線を逸らす明に、新はニコニコと微笑みかける。 「まぁ、そうだよな。俺も裸見られるのは恥ずかしいし、乳首勃っちゃってたら余計にだよな」 「な、なんで勃ってることを!?」  言ってしまったと口をあんぐり開けながら目を丸くさせている明を見て、新はニヤニヤと笑う。 「やっぱり、様子がおかしいと思ったらそうだったのか。どれどれ」  新は後退りする明をタンスまで追い詰めると、服を抑えている手にそっと手を重ねる。 「ダメっ。離して」 「治療するだけだから。怖がらなくて大丈夫。俺も朝起きたら乳首勃ってた事あるし、これは普通の事だよ」  新に目を合わせながら真剣な顔をされて、手を強く握られると自然と手の力が抜けていく。  そのまま下ろすとパジャマを捲れ、肌に触れられる。 「本当に普通なの? 熱はないのに体は熱いいままだし、俺どうしたら」  これまで不安に思っていた事を口に出すと、目が潤んで視界がぼやけていく。  そんな明に新は顔を近づけると、目元に唇を近づけて、そのまま目の下に落とした。 「えっ……」  暖かくて柔らかい唇か触れた目元から、一気に顔中に熱が広がっていく。  顔を赤くしながら驚いて固まっていると、しばらくして唇がチュッと音を立てて離された。  イタズラした後の子供のように笑う新と目が合うと、痛いくらいに心臓が鳴り響いた。 「初めて会った時に思ったけど、明の泣き黒子ってセクシーだな」 「せ、セクシーってそんな」  これまでそういうふうに言われたことはなかった明はずかしくなり、顔を真っ赤にしながら手で黒子を隠した。 「セクシーだし、可愛いよ。そうやって隠すなら、乳首摘んじゃおうかな」 「えっ!? だめ……っ。あっ♡」  肌に触れていた手で乳首を優しく撫でられてから。人差し指と親指でグリグリと摘まれる。  昨日より敏感になっている乳首を刺激される度に、身体中に快感が走り段々と力が抜けて体勢が崩れていく。 「こんなに乳首硬く尖らせちゃって。これだと、昨日みたいな優しい治療だとすぐにぶり返しちゃうな」 「そ、そんな。痛いのは……」  新は怯えてまた、目を潤ませてしまっている明の頬に手を当てると、再び優しく目の下に唇を落として離す。  至近距離で透き通った綺麗な瞳と目が合うと、顔が茹でタコのように赤くなっていった。  明が慌てて目線を逸らすと、新はクスリと笑う。 「大丈夫。痛くしないから。でも、ちょっと昨日より激しくするよ」  明は激しくの言葉に少し不安になった。  しかし、二回もキスをされてさらに、硬くなってしまった乳首と勃ち上がってしまった陰険のまま学校へはいけない。  明は決心をして頷いてから、新と目を合わせた。 「分かった。痛くないなら」  頬を触っていた手が頭へと移動し、優しく撫でられる。  やはり、新の暖かくて広い手は気持ちがよく、目を細めてしまう。 「よしよし、いい子。じゃあ、ベッドに行こうか」 「うん」

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