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第4話

「は、話ってなんですか。赤羽課長」 次の日、藤堂は課長である赤羽に呼ばれた。 「新人、お前は今日から古賀と組め」 赤羽の言葉に藤堂は驚き、大声をだす。 「お!俺が!?なんでですか!?」 「ぎゃーぎゃー騒ぐな。お前に教育係をつけるついでだ」 教育係兼バディというわけだと赤羽から説明を受け、今古賀が追ってる事件の概要を本人から直接聞くようにとだけ言われ、話は終わった。 「…はぁ~」 藤堂は会議室を出ると赤羽から聞いた古賀の居場所へと向かって歩いた。 (なんで、俺が…) ガチャ 誰かが屋上にやって来た。 古賀はパッと扉の方を向き誰が入ってきたのかを確認する。 「失礼します…」 恐る恐る入ってきたのは新人で古賀のバディの藤堂。 「っんだお前か……」 古賀は藤堂が入ってきたことを確認するとつまらなそうにふいと顔を背けてしまう。 「なっ!?」 古賀の素っ気ない態度に藤堂は立ち止まり、拳をきつく握り怒りを押し殺す。 (なんで俺がこんな目に…) バディを組む様に言ってきた赤羽を憎みながら古賀の隣まで近づいていく。 「ここ、喫煙所じゃないですよ」 古賀の右手の人差し指と中指の間には煙草が挟まれており、藤堂はぼそりと小さな声で指摘する。 「誰もいないんだ。別に構わないだろ」 短い煙草を口へ運び、すぅっと音を立てて吸うと煙を藤堂に向かって吐き出した。 「っ!ゲホッ!!ゴホッ……何するんですかっ!」 何度か咳き込んだ後、藤堂は古賀に向かって怒鳴る。 「俺は正直バディも要らない、教育係なんて真っ平御免なんだよ」 その態度に藤堂も負けずと言い返す。 「俺だって!!…こんな職場に配属されてうんざりしてるんです。初日から課長は何かと無茶苦茶だし、貴方は貴方で直ぐ何処かにフラフラ行っちゃうし」 声のボリュームが段々と小さくなり、最後の方はもう聞き取れない程の声だった。 「もう少し協力とかしたらどうですか?…この課の人達はみんな1人で何処かに行ってしまいますし」 協力という言葉を聞いた途端、古賀の表情が変わった。 「協力ねぇ……。なぁ新人、いい事教えておいてやる」 煙草の火をコンクリートの壁に押し当てながら古賀は言う。 「この世界で協力を大切にしてる奴は大抵死に急ぎなんだよ。潜入捜査、銃撃戦この課はな常に死と隣り合わせ。仲良しこよしで捜査なんてしてたら次の瞬間頭が飛ぶ」 頭に指で作った拳銃を当て、低く冷たい声で静かにそう言われた藤堂はその気迫に圧倒されてしまった。 「…なんで課長も俺を選んだんだか。………っはぁーー」 古賀はぐぅーーッと伸びをすると、藤堂の横を横切り扉の方へと向かう。 「おい新人。行くぞ」 「……え?行くって何処に…」 くるりと後ろを振り向き、藤堂は古賀に訪ねる。 「俺とお前は嫌でもバディだ。…課長に言われたんだろ、俺の追ってる事件を聞いてこいって」 赤羽の言葉を思いだし、黙って藤堂は頷く。 「俺は今からある麻薬売買の目撃情報現場を見に行く。事件の内容は車の中で話してやるから早く来い」 それだけ言うと古賀は扉を開けて中へと戻ってしまった。 (事件に関しては熱心なんだな。) 藤堂は急いで古賀の後を追い、追っている事件の事を車内で聞いた。

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