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第7話
(び、びびっくりしたぁ…!!!)
バクバクと鳴り止まぬ心臓の音を聞きながら胸元を抑えていると、インカムから古賀が話しかけてくる。
『初めてにしては上出来だな』
藤堂は小声でインカムに応じ、次の指示を待つ。
「心臓が幾つあっても足りないです…。で、次は何するんですか」
『初めだけだ、慣れればどうってことない。……ポケット探ってみろ』
そう古賀に言われ、言う通りポケットを探ると。
「…紙?」
1枚の紙切れが右ポケットに入れられていた。
『ビンゴ…なんて書いてある』
鼻で笑い古賀が書かれてある文章は何か聞いてくる。
「えぇっと…」
そこにはこう書かれていた。
"酒を欲する虎の像の後ろに触れろ"
『そのクラブにその虎の像ってのはあるか探してくれ』
古賀に言われるがままクラブ内を歩きだし見回していると幾つか彫刻やら銅像が並ぶなかに一際目を引く威嚇している虎の像が店の奥にあった。
(あれか…?)
「あります」
藤堂の答えに古賀は少し考え、像の後ろに回って見ろと言う。
言われた通り後ろに回ると、くぼみがありボタンのようなものがあった。
「ボタンみたいなのがあるんですが」
『押していい』
古賀の言葉通りボタンを押すと像の裏にある扉が開く。
「入口がありました…入ります?」
『待て。そこから動くな』
一歩踏み出そうとしたところで止められ、藤堂は戸惑う。
(ここで立ち止まってたら逆に怪しまれるんじゃ…)
焦る藤堂ではあったが指示に従わないで後で怒られても困るので大人しく指示が出るまで待機する。
店内の騒がしいBGMと人の声が耳障りで仕方がない。
こういう場所は少し苦手だ。
不安が募る藤堂は古賀の指示が中々こないことに心拍数が速くなるがここでそれを見せたら警察官失敗だと思いなんとか堪えた。
(あー、落ち着け俺…)
「待たせたな」
不意に声が聞こえ顔を上げると目の前に居るはずのない古賀の姿が見え、思わず大きな声を出しそうになる。
「なっ、入れないんじゃ」
「裏口から入るのに苦労しただけだ。…行くぞ」
そう言って古賀は藤堂を置いて先に中へと進んでいく。
(来て早々、置いてくとかありえるのかよ)
とは言え置いてかれては元も子もない為、急いで古賀の後を追いかけた。
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