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第20話

藤堂はシャワーから上がるとそこには綺麗に折り畳まれたシャツとパンツが置かれており感謝をしながらそれに袖を通す。 (まさかこれは…古賀さんの私服) ハッとし着替え終えた姿を鏡で見ると少しだけサイズが大きいのかゆとりが上下ともにある 「……七五三だな。スーツとワイシャツ、クリーニング出すがお前のも出す形で構わないか」 洗濯の終わった音を聞きつけた古賀が脱衣所へとやってき藤堂の姿を見て鼻で笑うとスーツを回収しハンガーへと掛け直し浴室の物干しにかけた。 「いや、そんな。そこまでしてもらうのは申し訳ないですよ」 「回収はお前が行ってくれればいい。一着、部署に置いとく分にするから」 テキパキとした動きに藤堂はされるがままになり、古賀の生活力の高さに驚く。 (俺より生活能力が高い…) 普段の部署での行動からは考えられない程、古賀の生活はしっかりとしていた。 「古賀さんって…生活能力高いですね」 「…お前は苦労してそうだな。いつも寝癖ついてるしな」 「なっ!?」 「いつもついてるぞ。残念な事にな」 古賀に指摘され藤堂は恥ずかしさで耳が真っ赤になる。 「…以後気をつけます」 「まぁ、頑張れよ」 さほど期待されていないのか古賀は揶揄うように返事をするとリビングへと戻ってしまう。 その瞬間、大きな音をたてて古賀の携帯が鳴り出した。 「っ!!」 急いで携帯の画面を確認すると赤羽の名前が表示されている。 「もしもし」 『休みの所すまない。お前と藤堂出て来れるか』 「俺だけでいきます」 『なんだ、一緒にいるのか』 「あー、まぁ…なんでわかるんですか」 『勘だ。そしたらお前だけ来い。藤堂にはお前から伝えろよ』 そう言って赤羽は電話を切ってしまう。 真っ暗の画面を見つめると古賀は一息ついてから藤堂に部署へと行ってくるとだけ伝え一緒に家を出る様、支度をさせる。 「なんで俺は駄目なんですか」 「今その格好で行って俺と噂のタネになりたいならいいぞ」 古賀の言葉にグッと言葉が詰まり話が終わったらすぐに電話で伝えるよう念を押すと藤堂は古賀の家を後にした。

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